私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

「おかず」は「お数」です

2012-02-04 14:19:20 | Weblog
 この「ウガ」または「ウケ」と読ませる神様について、記紀等の書物によると、稲倉魂神・保食神・豊宇気比売神・大宣宜津比売神・宇迦能売神・御饌津神等があるそうです。これらはいずれも「ウケ」「ウガ」と読み農業を守るための神様なのだそうです。

 この内の「保食神」は食(ウケ)を保(モ)ち給う神様の意味だそうです。

 なお、これも蛇足なのですが、我々が「ご飯を食べる」と言えば、大概、主食たるお米を食べることを意味します。しかし、そこには副食たる「おかず」も、必ず、ひっついていなくては、このご飯(お米を炊いた物)をおいしく頂く事はできません。この「おかず」ですが、字に書くと「お数」だそうです。此の「おかず」には、野菜だとか肉だとか魚だとか沢山のものがあります。主食であるお米のご飯は一種類ですが、副食の「おかず」には数々のものが出て来ます。だから、最初は、これを「お数もの」と呼んでいたのだそうですが、いつしか、その「もの」がとれて、単に「おかず」といわれるようになったとか。

 このように日本語の起原には色々と複雑なそれぞれのいわくがあり、そのようなすべての要因により成立しているのです。今現在、我々が使っている日本語には世界的な価値は認められないにしても、その美しい響きは我々日本人の基本的な無形の財産になっているのだと思えます。そこには数万年という歴史があります。
 「その国の言葉が失われる」とその一国の存在の理由がなくなってしまい、国が亡びてしまうとさへ言われています。しかし、現在、我々が使っている日本語は、「グローバル」という名の怪物に何か食い殺されてしまい、存在そのものが危ぶまれているようにさへ感じられます。まさか日本がなくなったりはしないにしても、聊か寂しい気さえします。
 
 そんなことを思いながら「おかず」という字を「保食神」と一緒にして考えました。何となく我々の日常の生活の中で、そんな起源があろうとは思わずに、此の「おかず」という言葉を使っています。此の言葉は、また、「いただきます」「ごちそうさま」と同じで、自然に対する感謝の意味がその中にはあり、自ずと、その起源を知ると、その言葉そのものに何か愛しみみたいなものが感じられるように思われるのですが。皆さんはどうお思いでしょうか。
 
 なお、この保食神は農業の神ですが、それも日本人の主食であるご飯であるお米の神様で有ることは間違いありませんが、副食である野菜や肉や魚の「おかず」の神様でもあるのでしょうね。

 さて。我が家の今晩のおかずはなんでしょうかね。今、古女房のまな板をコトコト叩く音が台所から聞こえております。まさか、「一汁一菜で結構です」「贅沢は敵です」なんて言葉が彼女の口から出はしないでしょうが。とりあえず、保食<う・け・も・ち>の神様!!!応援宜しくお願いします。

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