清麻呂が宇佐大神の神託どうりに天皇に報告した結果について、「清麻呂伝」には
「清麻呂を、即刻、殺すように道鏡は天皇に進言したのですが、天皇は殺すことは忍びず「因幡員外介」にして、名も「穢(きたな)麻呂」とし、その姉「広虫」の名も「狭虫(さむし)」と改めさせて、大隅国に流します。道鏡は、それでも清麻呂が憎くて仕方ありません。刺客を送って殺させようとしますが、刺客が清麻呂に迫った将にその時、一天俄かにかき曇り、辺り一面真っ暗になり稲光と共にものすごい豪雨が降りしきり、刺客も清麻呂の姿が見えず、殺すことができなかったのです。そこに味方が大勢集まってきて、清麻呂は助かったのです。しかし、その時のショックで清麻呂は足が萎えて一歩も歩くことができなくなったのです。その時。道に三〇〇頭ばかりのイノシシが出てきて道に挟んで並び、清麻呂を十里ばかり運んで山中にある社に連れて行ったのです。その社に詣でると途端に、清麻呂は歩くことが出来たのです。それを見た周りにいた村人たちがことごとくに驚いたそうです」
林羅山の本朝通鑑に出ています。
また、この本には「宇佐託宣集」に記されている文も載せています。それによりますと
「道鏡は清麻呂が宇佐から帰ってくるまでに、周りの人に、
『我は必ず皇位に就く』と、自信満々に語ったていたという。
それが、帰ってきた清麻呂の言った言葉に、呆然自失です。その書きっぷりの、また、なんて漫画的なのかと驚かされます。まあ、読んでください。
まず初めは、「王代一覧」から、
「道鏡大いに怒て、眼の色は血の如く赤なり、其面或は青くなり、或は赤くなり大息ついて清麻呂を睨みつける」
この文の元になったと思われる「本朝通鑑」には
「道鏡大怒。目光変血。面色或青或赤。大息睨視曰。是真奸人也」
誠に簡潔にして要を得ている書きっぷりです。漫画そのものです。「是元漫画也」です。
なお、この宇佐託宣集には、怒った道鏡が清麻呂の脚筋を切って伊予の国に流したとあります。すべて作り話の匂いが伺えますのでどれが本当か分からないのが実情です。
だからこそ、林羅山も、集めた沢山の資料を総て載せているのです。さすが羅山だけあります、誠に筋の通った客観的な歴史の見方をしているものだと驚かされます
「清麻呂を、即刻、殺すように道鏡は天皇に進言したのですが、天皇は殺すことは忍びず「因幡員外介」にして、名も「穢(きたな)麻呂」とし、その姉「広虫」の名も「狭虫(さむし)」と改めさせて、大隅国に流します。道鏡は、それでも清麻呂が憎くて仕方ありません。刺客を送って殺させようとしますが、刺客が清麻呂に迫った将にその時、一天俄かにかき曇り、辺り一面真っ暗になり稲光と共にものすごい豪雨が降りしきり、刺客も清麻呂の姿が見えず、殺すことができなかったのです。そこに味方が大勢集まってきて、清麻呂は助かったのです。しかし、その時のショックで清麻呂は足が萎えて一歩も歩くことができなくなったのです。その時。道に三〇〇頭ばかりのイノシシが出てきて道に挟んで並び、清麻呂を十里ばかり運んで山中にある社に連れて行ったのです。その社に詣でると途端に、清麻呂は歩くことが出来たのです。それを見た周りにいた村人たちがことごとくに驚いたそうです」
林羅山の本朝通鑑に出ています。
また、この本には「宇佐託宣集」に記されている文も載せています。それによりますと
「道鏡は清麻呂が宇佐から帰ってくるまでに、周りの人に、
『我は必ず皇位に就く』と、自信満々に語ったていたという。
それが、帰ってきた清麻呂の言った言葉に、呆然自失です。その書きっぷりの、また、なんて漫画的なのかと驚かされます。まあ、読んでください。
まず初めは、「王代一覧」から、
「道鏡大いに怒て、眼の色は血の如く赤なり、其面或は青くなり、或は赤くなり大息ついて清麻呂を睨みつける」
この文の元になったと思われる「本朝通鑑」には
「道鏡大怒。目光変血。面色或青或赤。大息睨視曰。是真奸人也」
誠に簡潔にして要を得ている書きっぷりです。漫画そのものです。「是元漫画也」です。
なお、この宇佐託宣集には、怒った道鏡が清麻呂の脚筋を切って伊予の国に流したとあります。すべて作り話の匂いが伺えますのでどれが本当か分からないのが実情です。
だからこそ、林羅山も、集めた沢山の資料を総て載せているのです。さすが羅山だけあります、誠に筋の通った客観的な歴史の見方をしているものだと驚かされます
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