私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

家康との接見式

2011-10-06 11:23:24 | Weblog
 いよいよビスカイノは徳川家康と接見します。其の敬礼の仕方も書いていますが、あまり長々しいので省きます。なお、このビスカイノの3,4回に渡って、体を屈する毎に家康も「頭を下げたり。」

 さて、この接見式の時にビスカイノが用意した家康への贈り物を書いています。

 1、斗景壱個
 2、蓑衣上下
 3、巻物壱端
 4、南蛮酒壱樽
 5、鷹具弐色
 6、沓壱足
 7、沓緒金筋壱条
 8、韘二具
 9、南蛮図像三枚

 斗景と時計です。この時のものは、現在、久能山東照宮にあるそうです。蓑衣とはレインコートです。南蛮酒とはブドウ酒。韘(ゆがけ)で弓道で使う右手の親指を保護するための手袋だそうです。何でこんなものを贈ったのでしょうかね。南蛮図像は、当時のイスパニア国王とその后の肖像画で、これと同じものを秀忠にも送っており、それを見た夫人である「お江」さんも見て、大変喜んだものです。将軍には三枚も特別に送っています。

 なお、この謁見が終わって、退出する時は
 「此の度は前よりも厳格な態度を持し、一段と低き所にて敬礼を行わしめ・・・」
 と書かれています。
 此の外に、ビスカイノが預かってイスパニアの貴族たちからの贈りものも携えてきており、これ等の贈りものと一緒に届けさせています。その中には、金メッキの杯、羅紗で作った外套、各所のガラス用器等があったようです。