私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

浦川から駿河(駿府)へ

2011-10-04 12:19:58 | Weblog
 6月29日に皇帝、即ち、徳川家康に謁見するために駿府にビスカイノ一行は向います。藤沢に着きます。人々の生活は落ち着き人々は武芸に励み、ドン・キホーてのような武士は一人もおらず、「当国は実に大国なればなり」と記しています。7月1日には小田原についています。此の駿府への旅から、当時の役人気質を次のように観察しております
 
 「彼等は富を有すれば賄賂を取り、又は主人を欺くの懸念無し、貧窮なる者は時に之をなすの恐れありと言へり」
 と。

 その次の日には三島についています。この三島を
 「甚だ壮麗にして悉く一の庭園なり。駿河の火山(富士山)より流下する水の溝渠百余市内を通過し、其水は世界に存し得べき最良なるものなり。住民は甚だ深切にして・・・・・」と書いています。
 富士山からの伏流水が世界でも例を見ないほど最良のものであると褒めています。余程幕府の接待がよかったのでしょうか此の旅を通して日本を、ヨーロッパの国々の同じような優秀な国であると紹介しています。この報告書が240年後のアメリカのペリー総督にも大きな影響を与えたことは確かです。中国とよりまた違った意味でのアジア観があったのは確かな事だと思われます。

 この後沼津、蒲原、江尻を経由して、将軍家康の居城のある駿府に到着しております。