私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

伊勢両宮へ祈りの為

2011-07-11 10:06:48 | Weblog

 地震発生後五日目ともなりますと、街の被害状況も次第に明らかになり、幕府の動きも分かるようになったのでしょうか、仙果先生の「なゐの日並」の中にもそれらしい記事を見ることが出来ます。

 「伊勢両宮へ祈りの為、京都所司代へつり物宿次にて発遣のよし」

 と書かれています。まずは、伊勢神宮へ、地震の鎮静の為の祈願の使いを遣わしています。これは、現在では、政府は行政措置として行われてはいないのですが、まだ江戸の時代には行われていたと云うことが分かります。それを、唯、前近代的思考だ、誠に古臭い、取るに耐えないものだと一概に撥ね退けてしまうのもどうでしょうかね。
 今回の東北大地震時には、皇居あたりでは、報道はないのですが、何かそのような災害時の、昔からの宮中行事は執り行われなかったのでしょうか。一つの伝統として合ってもいいのではと思われますが、いかがなものでしょうかね。

 一寸話題は違うのですが、昨夜NHKで放映されていた「地震時の液状化現象」についてですが、三、四階の鉄筋コンクリートの家屋が津波に押し流され横倒しになっていた映像を目にしたのですが、こんなとても信じられないような現象が、今回の超大地震では起っていたと云うことが分かりました。これも地震による液状化現象によるのだと報じられていますた。
 此の液状化現象について、仙果先生も記していたと、前にこのブログで書いたのですが、これほどひどい現象をもたらすのかと、大変驚きながら見ました。
 仙果先生が書いている液状化の文章を、もう一度、ここに記しておきますので、鉄筋のビルをも押し倒すその破壊力の激しさを、その恐ろしさと一緒に、再度、お読みいただければと思います。

  「・・・あたりの地少しさけ、白気吹出たりと云。こは砂か。そのわれたるあと、のちにふたがりぬとぞ。・・・」
 これは、よくその正体は分からないのですが「白気南にわたりし」とも、また、「西北の空より馬のごときもの南の飛行したり」などと記していますが。これなどもやはり、液状化で地中の水分が気体となって地下に有る砂が一緒に土地に走った裂け目から列になって吹き出して行った様子を見たからではないでしょうかと、昨夜の放送から思い付きました。
 あの千楯先生がお書きになた京都の地震にもその方向が書いてありましたが、やはり、この「馬のよなものが」と書いている仙果先生のものと同じものではないでしょうか。白気が発生し、出来た亀裂から順次噴き出して、あたかも、馬が空を駆けり行くように見えたのではないかと思われます。