私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

西北の空より馬のごときもの南の方へ飛行したり

2011-07-03 10:44:39 | Weblog

 笠亭仙果先生は、この地震が起きて江戸の町を方々訪ねて、その被害状況を書きとめられています。その中に、地震時に発生した奇妙な現象を記しています。

 「あたりの地少しさけ、白気吹出たりと云。これは砂か。このわれたるあと、のちにふたがりぬとぞ」

 と。これは、現在、「液状化」と呼ばれる現象ではないでしょうか。白気と云うのは、吹き出た砂に含まれている水が圧力か何かで水蒸気になって砂と一緒に吹き出たかのがそう見えたのだと思います。また

 「或人云、大ゆりのさいちゅう、西北の空より馬のごときもの南の方へ飛行したりと、又或人は白気の南へわたりしともいふ」

 とあります。これについて、先に挙げた千楯先生の文政13年の京都大地震の時の「戌亥の方より辰巳の方へ向け震ひし様也」というのと同じではないでしょうか、今回の3・11の地震ではそなん地震の方向についての報告はなかったように思われますが、こんな地震時にそのゆれの方向が分かるなんてことがあるのでしょうかね。

 この地震が起きた時仙果先生は、その2階で書き物をしておったのですが、発生と同時に「のぼりばしご」といいますから、階段でしょうが転がるように駆け降りたのです。その時の感じを

 「天地も崩るゝように響き渡り、身も上下にあげおろしせらるゝようなれり」
 とありますから、その時の振動は上下振動で、白気が南へ流れるなどと云った、地震に方向生があるようには書いていません。そんなことってあるのでしょうかね。誰か、ご存じではありませんか?