私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

花と細波

2008-03-31 16:16:42 | Weblog
 今日は3月尽です。3月は、又、桜の花を主とした花の季節でもあるのですなのです。江戸の文化年間に出た『四季之詞』の中から花の付く主な言葉を拾ってみました。
 『花の錦、花の雲、花の雪、花吹雪、花の滝、花の波、花鳥、花の笑、花の匂い、花房、花びら、花の輪、花園、花乃心、花の姿、心の花、花衣、花車、花見車、花むすび、花いくさ、花の宴、花筵、花をふらす、花の陰、花の都、花躍(おどり)、花々、飛花、落花、花の縁、花の主、花のあるじ、花守』
 です。これらは、総べて日本で作られた和語なのです。
 これに対して、漢字の国、中国でもやはり沢山の花の付く言葉が出来ています。漢和辞典から、ちょっとも面白い言葉を拾ってみました。
 ・花言(カゲン)ー実のないうわべばかりの言葉
 ・花子(カシ) -こじき
 ・花心(カシン)-うわきごころ
 中国では、大体においては、美しい・きれい・はなやかなものを意味している言葉に使われているですが、上に挙げた様な、ちょっと花のもつ陽気で浮ついた特性から、美しい等とは随分かけ離れたやや花を卑下したような言葉も作られたようです。
 日本の花の付く詞には、そのような陰ある言葉は一つも見つかりません。すべてきれいな美しい事のみに使われています。それだけ日本人は、花をこよなく愛する人種なのでしょう。
 今日、花冷えです。桜の木々もちょっと開花を遅らせています。
 吉備津神社の枝垂桜も花冷えの風が作った竜神池の水面の細波にその影を宿し、ざわざわと揺れながら、水に映る花影も柔らかな春の光を輝かせていました。 

 花びらが二、三片、その水面を滑っていました。若い女性の人が二人、その木の下でお弁当を拡げていました。
 風景になる絵です。昨日は山陽道一といいましたが、今日の景色は、まさに日本一の風景といってもいいでしょう。