私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

鼓山を詠んだ歌

2008-03-01 12:07:34 | Weblog
 天皇の御即位後に行われる新穀を神に供へて祀る大嘗祭のために、卜定してお米を作る国が決められます。決められた国の内、畿内より東北の国を「悠紀」、西南の国を「主基」と呼んでいました。
 将棋の駒の形をした亀甲をカバザクラの木で焼いて出来た線によって何処其処の国や郡と決められるのだそうです。
 吉備の国でも各地に主基となった所が各地にあります。この主基国にト定されると、それをお祝いして、その地名を読み込んだ歌が作られました。それらの歌を集めたのが『大嘗会和歌集』です。
 
 その歌集から;
 後一条天皇(1016年ごろ)の時の主基国となって作られた歌に

    打はえて 万代とのみ きこゆるは
            鼓の山の 音にぞありける

 というのがあります。

 なお、有木に、
   
    祈ること しるしありきの 山なれば
            千歳のほども たのもしきかな
 
 という石碑が立っていますが、これも後三條天皇の時(1085年ごろ)の主基国となった時の歌です。
 
 これらの地名は、当時、「細谷川」や「吉備の中山」と同じぐらいに都では知られてはいなかったようです。が、こんな名前の所がこの国にはありますよという程度に紹介したのだと思います。

 この「鼓山」を一躍有名にしたのが、あの『高松城の水攻め』合戦なのです。