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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

夜の花の誘惑

2021年09月13日 | 研究
少し日の暮れた野原に咲くのはマツヨイグサ。
月見草という人もいますが、まったく別の植物なのでお気をつけください。
鮮やかな黄色の花なので、遠くからでもすぐわかります。
夕方から咲き始めるマツヨイグサ。こんな黄色なら少しぐらい薄暗くても
その存在をきちんとアピールすることができそうです。
ところで夕方から咲くとはなんて変わり者でしょう。。
実はマツヨイグサが誘惑しているのはチョウではなく蛾。
みんながチョウやハチをあの手この手で誘う日中を避け
あえて虫は少ないけれど競争相手も少ない夜に咲くとは大胆な作戦です。
しかしいかに目立つ黄色の花とはいえ、虫を誘うにはちょっと弱すぎます。
そこで考えたのがご馳走と香り。とにかく蜜が多いのです。
触るとネバネバしているのでご注意ください。
甘い香り、たっぷりのご馳走、そして艶やかな黄色い衣装。
これぞ正真正銘の「夜の花」です。
さてここまではすでにわかっていますが、かつてこんな実験をしたことがあります。
それはネクターガイド「蜜標」です。ネクターガイドは花が虫たちに
密のありかを示すサインですが、私たちの目にははっきり見えません。
なぜなら虫たちは紫外線が見ているから。つまり虫が見ている
紫外線に反応するようにできているのです。
しかし夜は太陽が沈んでおり、紫外線などありません。
そこでネクターガイドはないと予想を立てて特殊写真の撮影に挑みました。
するとどうでしょう。はっきりとネクターガイドが浮かび上がったのです。
生徒ともども首を傾げてしまいました。しかし後日、理由がわかりました。
マツヨイグサは蛾の中でも「スズメガ」という蛾をよく呼んでいるのです。
この蛾は少し明るい夕方から飛び始めるため、紫外線がまだあるのです。
夕方や朝方はネクターガイドでスズメガを誘い
紫外線がなくなる夜は甘い蜜と香りで誘惑する。
確かこんな結論で実験を終えたのを覚えています。
まさか夜咲く花にもネクターガイドがあるとは思っても見ませんでした。

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