花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

決め手は供給時間

2022年08月09日 | 研究
Jr.と共同研究している高糖度水耕トマトの研究。
夏を迎え続々と収穫が始まっています。先日行われたのがJr.の収穫。
先輩フローラを参考に上手に栽培しています。それ以上に面白いのが結果です。
3年生のフローラは根にミスト状態の水を1回15分間供給していますが
1日に5回供給よりは3回、3回よりは2回、2回よりは1回と
少なくなるほど10度以上の甘いトマトができることを明らかにしました。
水分が少ないほど甘くなるというトマトの特性を生かした栽培法です。
しかし残念ながら5回供給しても水不足は免れないようで
茎はどんどん細くなり葉も枯れ、実付きも悪くなってしまいました。
間違いなく甘くて美味しいトマトですが、これでは失敗です。
それを見ていたJr.は散布回数を8回、11回、16回と増やします。
すると葉が枯れることはなく、どんどん実をつけるようになりました。
そこで肝心の糖度を測定したところ、水分の供給が多くなったことから
8回、11回とも糖度は8〜9度程度。
高糖度トマトは糖度10度以上をいいますから、成功とはいえません。
ところがある工夫をした16回がなんと10度どころか12度にもなっています。
工夫は水を供給する時間帯。日中は1時間に1回、計12回と多めに与え
夜間は3時間に1回とぐっと抑えたのです。
糖分を合成する光合成は日中に行われますが、反応に水は不可欠です。
日中に水を供給されたトマトはきっとどんどん糖分を合成したと思われます。
また水不足になるとトマトは糖度を高める反応をします。
したがって光合成ができない夜間に水不足を感じて糖度をあげる反応を起こすので
呼吸で消費されても減りにくく、その結果、高糖度になったのではないかと考えています。
水耕栽培ながら高糖度。ポイントは水量と時間でした。やったねJr.。
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さよならもいえないままに

2022年08月09日 | 研究
ここは土肥実験室の準備室。というか小さな倉庫です。
TEAM FLORA PHOTONICSの結成以来、
校舎内の本拠地として土肥実験室を活用してきたので
倉庫はフローラの財産でいっぱいです。
さて先日、入ってみてびっくりしました。
なんと長年愛用してきた大型インクジェットプリンタの姿がないのです。
このプリンタは当時65万円もした高価なプリンタ。
B0版までの大きな印刷物が作れる学校の備品として
この準備室に設置されました。しかし導入まもなく
誰でも使える情報処理室に別の新しい大型プリンタが入ったため
誰も使う人がなくなり、長い間フローラ専用マシンとなっていました。
用途は学会でのポスター制作と文化祭での展示資料。
マット紙、写真紙、クロス、ユポ紙などいろいろなロール紙が
フローラによって準備されました。
そんな愛用してきたマシンに先日、トラブルが発生したのです。
水の国際大会用ポスターの試し印刷をしようと思ったところ
出たのがヘッドクリーニングのサイン。しかし何度行っても消えません。
業者が来て診断したところ、内部で詰まっているらしいのです。
この2年間、ポスター発表はオンライン。文化祭は展示なし。
どうやら長い間コロナで活動できなかったことが原因で故障してしまったようです。
さらに古い機種のため、もう部品がないと話していました。
久しぶりに開けた部屋にはもう相棒の姿がありません。
おそらくフローラが活動していない時に廃棄されてしまったのだと思います。
感謝もさよならもいえない突然のお別れです。
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