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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

道標

2019年07月15日 | 研究
フローラの財産が収納されている実験室の倉庫から
こんなものが引っ張り出されました。
これは昨年、ファイナルフローラの二人が
スウェーデンで開催された水研究の国際大会で
プレゼンテーションする際に用いたイカダの模型です。
このイカダを富栄養化した湖沼に浮かべて
水を浄化するとともに作物栽培も同時に行う研究は、
ご存知の通り準グランプリを受賞しました。
そのイカダの模型をなんのためにまた取り出したのでしょうか。
先日もご紹介しましたがハンターズとバブルボーイズは
今月下旬に横浜で行われるボランティア交流会に参加し
開発途上国の水や食料問題解決のために
今まで考案したアイデアなどを紹介することになりました。
もちろん先輩であるフローラの研究も披露します。
そこで来場された一般の皆さんへ簡単に内容を説明するには
模型を示すのが手っ取り早いと考え、倉庫から取り出したのです。
もちろんハンターズもバブルボーイズも
それぞれ説明するための模型を作る予定。
この模型はこれから制作する彼らにとってかなり参考になったようです。
このようにフローラが歩みながら灯したさまざまなあかりは
今、後輩たちの確かな道標になっています。
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サクランボ狩りは千秋楽

2019年07月15日 | 学校
7月も中旬を過ぎ賑わっていた南部町のサクランボも終わりを迎えています。
こちらは学校近くにある農家のサクランボ畑。
ご覧のようにビニールハウスの骨組みを見ると
樹木全体を大きなビニールハウスで覆っていたことがわかります。
目的は裂果防止。雨によって果実が割れてしまわないよう屋根をかけるのです。
今は収穫も終わり、ビニールはきれいに剥がされています。
さてサクランボやトウモロコシは日持ちのしない代表的な作物。
収穫してすぐに食べないと鮮度が落ちてしまうのです。
また特にサクランボは冷蔵庫に入れてしまうと逆に鮮度を落としてしまうという
たいへんデリケートな作物でもあります。
保存は光があまり当たらなく気温が上がらない冷暗所。
冷蔵庫だと気温が低すぎるようです。
とはいっても1週間も持ちません。すぐ食べてしまうのがベストです。
さて鮮度について面白い研究があるのをご存知ですか。
近赤外線をほんの数分照射するだけで気孔がしまって蒸散が抑制され
その結果、野菜の鮮度が伸びるという報告です。
実験ではレタスや小松菜など葉菜類を用いていますが
わずか数日ですが品質を保てるようです。
もしこの研究をサクランボに応用したらどうでしょう。
収穫後わずか2〜3日しか鮮度を保てないサクランボにとって
数日伸びるだけでお届け範囲が伸びることになります。
研究されたのは四国電力グループのある会社。
実は環境システム科を立ち上げる時に他の先生と二人でこの会社を訪問して
植物工場についていろいろ教えてもらったことがあります。
その際、力説されていたのが農学と工学の技術者や研究者の連携。
人工光などを用いた栽培研究は植物生理を知っている農学畑の人と
電気などに精通している工学畑の人が協力しないとできないというのです。
また世の中には残念ながらこの両方をかじった人が足りなく
今後、植物工場が普及していくにはこのような人材育成が大切だと話されていました。
「農と工のドラマティックな出会い」は環境システム科のキャッチフレーズですが
まさにこの時ご教授いただいたお話がベースとなっています。
さらに長年、植物に人工光を照射する研究に取り組んでいたフローラがいたからこそ
恐れずに環境システム科を設立できたかもしれません。
機会があればサクランボの鮮度保持の研究でもしてみましょうか。
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