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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

低温への対処法

2019年07月14日 | 学校
7月上旬は気温の低い日が続いた青森県。
エルニーニョということもあり
春から冷夏を心配していましたが
先日、とうとうご覧のような新聞記事が掲載されました。
日照不足で水稲の生育に影響が出始めているというのです。
特に今は稲の茎の基部に目に見えないほど小さな幼穂ができる時期。
人間もそうですがこの時期が一番危険なのです。
かといって水田でストーブを焚くわけにもいきません。
そんな時、農家はどのようにして対策すると思いますか。
答えは水管理。普段は光合成を盛んにするため昼に水を抜いて地面を太陽であたため
夜は呼吸を抑えるため冷たい水を入れるのですが、低温時は違います。
なんと昼も夜も水田に水を入れるのです。
誰でも経験あると思いますが雨が降ったり
気温が低い日にプールに入ると、水温の方が高く
まるでお風呂にでも入っているように感じたことはありませんか。
そうです。この現象を水田で起こすのです。
したがって稲の茎にあるできたばかりの幼穂を隠すように
水深15〜20cmとたっぷりと水を入れます。
これが深水管理という基本的な低温対策です。
新聞でも農家に深水管理の徹底を呼びかけています。
たった数日の低温でも籾に分化しようと分裂を始めた細胞や
花粉になる細胞は死んだり奇形になってしまいます。
今が稲作農家にとっては一番気を使う時期。
なんとか乗り越えてもらいたいものです。
とはいってもこの新聞が掲載された日、
日中は27℃まで気温は上がり汗ばむ陽気。
エルニーニョが終息したという情報も出ました。
天候に振り回されている令和元年です。
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卑怯だろ

2019年07月14日 | 学校
タンポポが咲いています。
南部町にも日本タンポポが咲く場所がありますが
残念ながら、これは西洋タンポポです。
さてこのタンポポ、黄色の花の茎が斜めになっています。
これは受粉したという証拠。
タンポポは茎をまっすぐ上に伸ばして咲きます。
そして受粉するとその茎を地面に並行になるぐらい低く傾けます。
これは次に咲く花の邪魔をしないためです。
しかしタンポポの凄さはこれで終わりではありません。
低い状態を保ちながら種子を作ったら
今度はまた茎をまっすぐ上に立てるのです。
もちろん風に乗せて種子を飛ばすため。
低い状態では遠くに飛ばせないからです。
このようにタンポポは茎を立てたり倒したりして
その時々の任務を遂行しているのです。
そんなタ西洋タンポポですが、さらに掟破りの技を持っています。
なんと受粉できなくても種子ができてしまうのです。
これを無性生殖といいます。
種子を作るのに花粉はいらないとは卑怯者。
あちこちに西洋タンポポが繁殖するのも納得です。
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