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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

名農コンソーシアムを育もう

2022年05月10日 | 生物生産科
学校には理科室や料理室などいろいろな特別教室があります。
名農は農業高校なので、やはり農業関連の実験室や実習室を持っています。
たとえば環境システム科。農場には施設園芸実験室、さらに草花分野が
移行してきたこともあり今まで園芸科学科の管理下にあった園芸実験室も
加わりました。もちろん工業系の実習棟もあるので農場に3つあることになります。
ところが生物生産科は第1農場に大きな実習室を所有しているだけ。
そのかわり食品加工関連の実験室や生物工学実験室など
なぜか校舎内に複数施設を持っているのです。
主に農業生産を学ぶ学科なのに不思議です。
理由は学科再編によって学習内容の移行が繰り返されているため。
当初の計画とはだいぶずれてきているのです。
さてここは生物生産科が所有する生物工学実験室。
チームも最近間借りしていますが、部外者の私たちでは
めったに使わない場所が実験室の中にあります。
それがここ。クリーンルーム、つまり無菌室です。
生物工学で無菌播種などを行う際につかう部屋ですが
一回に何名もの人が無菌操作をおこなえるようクリーンベンチが
5台ぐらい設置されています。もちろんエアコン完備、入り口にはエアシャワー。
いかにもバイオテクノロジーといったきれいな実験室です。
しかし園芸科学科の閉科にともないカリキュラムも改編。
唯一生物生産科にあったバイオテクノロジーの科目がなくなり
食品製造関連の微生物を専門に扱う科目だけになってしまいました。
でも食品関連は別に実験室や実習室を持っているので、ここは使いません。
おそらく将来は生物工学班を中心に課題研究で広く名農生が使う
実験室になっていくのだと思われます。ピンチのように見えますが
名農みんなでコンソーシアム(共同事業体)を立ち上げるチャンス。
みなさんぜひ活用しましょう。
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広大な研究フィールド

2022年05月09日 | 生物生産科
こちらはゴールデンウィーク中の農場でのひとコマ。
5名ぐらいの果樹班の皆さんが出校して、なにやら行なっています。
実はこの30分ぐらい前まで、業者と連携してドローンによる溶液受粉を
行なっていました。そこで何をしているのか女子生徒に尋ねてみると
今日咲いている花にピンクの札をつけているというのです。
理由はドローンでどれぐらい受粉するかを後日調べるため。
この後も花はどんどん咲いていきます。
農場にはハチもいるので、後日結実調査をおこなっても
ドローンによって受粉したものなのか
ハチによるものかわからなくなるからだそうです。
実験室でペットボトルの実験をしている環境研究班に比べ
果樹班は数haものの広大な第1農場がフィールド。
青空の下で取り組む姿は、フローラとはスケールが違い感動します。
さて今年は例年よりも散布する花粉量をへらしたとのこと。
散布する花粉は購入するとわずか20gで1万円以上します。
減らしても実用的な結実率が確保できるのなら低コストに繋がります。
お財布事情が重要なのが農業生産のプロジェクト。
専門的な知識と技術の他に、節約意識が身につくかもしれません。
さて今週木曜日と金曜日はお待ちかねの苗販売。
さらに名農生は1週間かけて放課後に担任の先生と面談。
そのためしばらく短縮授業となります。
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名農飛行隊

2022年05月06日 | 生物生産科
ゴールデンウィークのある晴れた日。
出校して実験準備を無事終えて帰ろうとした時、
生物生産科の果樹班が第1農場で
いつもの実験を行うことを思い出し急いで駆けつけました。
するとまさに実験の真っ最中。なんと空を見上げると
半畳ぐらいの大きなドローンが飛んでいるではありませんか。
そうです。お得意のドローンによる溶液受粉を行なっているのです。
果樹はハチや人による人工授粉が一般的ですが、果樹園は広く
とんでもなく経費と労力がかかります。さらに高齢化した農家の方は
大変です。そこで思いついたのが溶液受粉。すでに花粉や
糖分の入った溶液を手持ちスプレーで散布する技術はありましたが
それをドローンで一気に行うアイデアです。
当時思いついたのはTEAM FLORA PHOTONICSでしたが
さすがに果樹は専門外。そこで餅は餅屋ということで
果樹班に相談に乗ってくれそうな業者の連絡先を添えて提案。
それを受けてすぐ果樹班が動いてくれました。
第1回目の打ち合わせだけ出席し、その後は果樹班にお任せしましたが
現在このように成功し大きな話題となっているのは
果樹班の行動力の賜物。さすがです。
今年は昨年よりも花粉の量を減らして実験を行なったとのこと。
数年前から本格的に果樹園でドローンを使った溶液受粉を行なっていますが
このチャレンジは間違いなく日本初。全国紙で紹介されました。
おそらく世界でも例がないかもしれません。
半日以上かかる仕事が数分で終わる夢のような新技術。
五月晴れの青空と名久井岳を背景に名農飛行隊が空を飛びます。
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花見の2次会

2022年05月03日 | 生物生産科
今年の桜は雨や風の影響を受けることなく名農の春を彩ってくれました。
そんな桜も今はすっかり葉桜。ちょっと寂しくなりました。
しかし川沿いの第1農場はなんと今が花盛り。一見の価値があります。
こちらは青森県の代名詞でもあるリンゴの花。
蕾の時は濃いピンクですが、咲くと白い花になります。
リンゴはサクラと同じバラ科の樹木。
実はサクランボもナシもみんなバラ科です。
さらにモモも濃いまさに桃色の花を咲かせています。
このように果樹により開花期は少し違いますが、
農場は次々と花開き、今が花見の真っ最中なのです。
桜の花見会場と違うところは無観客。
観桜会の2次会は農家だけのものなのです。
もし南部町に来るような機会があれば、
ぜひ満開のリンゴなど果樹の花たちを眺めてほしいものです。
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林檎の花

2022年05月03日 | 生物生産科
まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の 花ある君と思ひけり

いつも君と会う約束をしている林檎の木に行ってみると、
髪を結い上げたばかりの君の姿が見えた。昨日までとは
見違えるような大人になった君は、前髪に花櫛を挿していた。
僕は君の髪に花が咲いたように思うほどだった。

サイト「詩のある暮らし」(http://poemculture.main.jp/index.html)からの引用です。
りんごの花が出て来る歌はいろいろありますが、
この島崎藤村の「初恋」はリズムも心地よく、今なお人気です。
さてこれがりんごの花。ピンクですが咲くと白くなります。
このりんごはブラムリーという200年以上も前に英国で生まれ緑色の伝統種。
酸味の強いクッキングアップルで、ジャムなどに加工されます。
驚くのが調理特性。皮をむいて電子レンジにかけると
みるみるうちに果肉がくずれ、ペースト状になるのです。
つまり砂糖をかけてレンチンするだけで
毎朝、できたての温かいアップルソースを食べることができる優れものなのです。
花木を育てるのは素敵なことですが、
その果実が食べられるとより楽しくなります。

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