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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

小さな春

2022年03月14日 | 生物生産科
ここは第3農場。名農が誇る野菜農場です。
まだ雪景色ですが、もしかしたら
小さな春を見つけられるかもしれないとやってきました。
すると思った通り。ずらりと並んだビニールハウスの中に
ご覧のようなトンネルを見つけました。
おそらく中には種子を播いたばかりの鉢、
もしくは芽を出した野菜苗がいっぱい詰まっていると思われます。
名農の春のビッグイベントといえば
ご存知、ゴールデンウィーク明けの野菜苗販売。
近隣の市町村はもちろん、岩手県からも
優良な苗を求めてたくさんの方が来校されます。
実はその時、販売される苗が今から育てられているのです。
一般の方は立派に育った苗しか見たことがないと思いますが
農場の先生方はこんな寒い時期から大切に管理しているのです。
野菜苗販売は名農生の販売実習も兼ねています。
今年こそコロナが収束し、地域のみなさんを笑顔でお迎えしたいものです。
さて今日は予定では意見発表会でしたが、コロナで書類審査となりました。
おかげで思いがけず課題研究の授業がぐんと増えました。
実は環境班にとってこれは残念なことですが、最高のハプニングでもあります。
まとまってとれた貴重な時間を有効活用したいと思います。
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謎のシール

2022年02月23日 | 生物生産科
生物生産科の生物工学実験室で見つけたのはオガクズ?が入ってるガラス瓶。
間違いなくキノコを育てるための培地です。
現在、生物生産科や環境システム科でキノコ研究が行われているので
どちらのものかは分かりませんが、たくさん並んでいます。
一般的なキノコはオガクズに栄養分と水と種菌を加えて培養しますが
そのままだとオガクズについている雑菌だらけになります。
そこで種菌を植え付ける前の培地をガラス瓶にいれて
オートクレーブで加圧滅菌します。
おそらくこれはオートクレーブに入れる前か、入れた後の瓶だと思われます。
ここで注目したいのは、ガラスの培養瓶の蓋に貼ってある丸いシール。
まるでろ紙のようですが違います。
キノコは当然呼吸しますが、この培養瓶は密閉されています。
なぜなら蓋をとって培養したら雑菌が繁殖するから。
そこで空気は通すけれど、少し大きな菌はすりぬけられないシールを貼っているのです。
無菌操作を行うクリーンベンチがこの実験室の無菌室には何台も設置されていますが
ここにも同じような仕組みが施されていて、これをメンブランフィルターといいます。
つまりこのシールはメンブランフィルターの役目をする特殊シールなのです。
キノコは菌糸がぐんぐん伸びて瓶一杯になるのを比較的短期間で観察できるため
みんな楽しく取り組むことができます。
また人気のマッシュルームはオガクズではなく土で栽培できます。
キノコいろいろ、春になるのが楽しみです。
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きのこのこのこ

2022年02月22日 | 生物生産科
またまた生物工学実験室。
久しぶりに入ってみると毎回面白いものを見つけてしまいます。
ここは実験室の中に別部屋として作られた無菌室の一角。
試験官の中に白いカビの菌糸のようなものが育っています。
伺ってみたらやはりキノコ。何のキノコかは聞きそびれましたが
試験官で培養しているようです。これは生物生産科の研究ですが、
たしか草花班でもキノコ研究をしていたはずです。
また来年度、ソーラーパネルの下でキノコを育てるプロジェクトも
スタートする噂もあります。どうやら名農ではキノコ研究が静かなブームのようです。
かつて生物工学を担当した際、キノコの栽培研究を数年ですがしたことがあります。
生物工学では洋ランを扱うのが一般的ですが、開花するまで早くて3年。
取り組んだ生徒は自分の花を見ることなく卒業してしまうのです。
その点、キノコの培養は早く結果がでます。もちろん食べられます。
そんなことから取り組んでいました。
その際、ナメコに青いLEDを照射したら軸が短くなる現象を発見しました。
そこで国の研究所に問い合わせたところ、キノコは光を感じないので
波長で形状が変わることは考えられないというのです。
しかし何度行っても軸は短くなります。でも担当の生徒はまもなく卒業。
研究も終わってしまい、抱いた疑問はすっかり忘れてしまっていました。
するとその数年後、キノコに光受容体が発見されたという記事を見つけました。
やはりキノコは光を感じていたのです。
果たして波長が形状に影響を与えたかどうかはわかりませんが、
当時、赤や青などのLEDを照射すると形状が変わったのには
ちゃんと理由があったのかもしれません。
ぜひ研究の副産物であるキノコを販売して研究費にしてください。
でも無菌室でキノコを培養して大丈夫なのでしょうか?
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老舗メーカーの年代物

2022年02月20日 | 生物生産科
生物工学実験室の机の上に顕微鏡があります。
このスタイルから判断して、実体顕微鏡ではないでしょうか。
生物工学の実習では高倍率ではなく、
立派な虫眼鏡のような実体顕微鏡をよく使うからです。
学校のものかどうかわかりませんが、それにしても古いタイプだとは思いませんか。
メーカーはオリンパス。大正時代に顕微鏡などの
製造販売する企業として誕生している老舗光学メーカーです。
そういえば子供の頃に理科の授業で使ったのもみんなオリンパスでした。
さらに昭和に入って開発されたズイコーレンズは有名。
農業高校ではプロジェクト活動が学習の中心ですが
生徒たちの活動を記録するためカメラは必需品です。
また昔はコンピュータがなく、発表に使う図表を紙で作っていたため、
露出補正をして図表をきれいに撮影してスライドにする技術が農業の先生に求められました。
しかし図表を撮影する際、せっかく三脚で撮影位置をセットしても
フィルムを巻き取るたびに、どうしてもずれてしまいます。
そこで当時の先生方はみんな35mmの一眼レフカメラに
スポーツカメラマンのようにモータードライブのユニットを取り付けて使っていました。
いろいろなメーカーがありましたが、
やはりオリンパスは優れたレンズのため一目置かれていたものです。
ところがいろいろあって一昨年、オリンパスの
カメラの製造販売部門は売却されてしまいました。
でも安心してください。顕微鏡や内視鏡分野は今でも企業の柱となっています。
古い古い顕微鏡から昔を思い出してしまいました。
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寄生虫研究

2022年02月19日 | 生物生産科
机の上に水槽がいくつかあります。
かつてフローラはサンパチェンスという草花による水質浄化システム
「バイオエンジン」を開発しては地域で活用してもらいましたが
その予備実験として、水槽を使って硝化菌のビーズ化などに取り組んでいました。
さてこの水槽にも魚はもちろん、草花もありません。
よく見ると小さな貝が壁面にへばりついています。
貝の名前はモノアラガイ。しかし貝の研究をしているのではありません。
哺乳類の肝臓に寄生する肝蛭(かんてつ)という吸虫を育てているのです。
肝蛭は家畜の寄生虫。この貝を中間寄主としてしているようです。
農業にとって家畜はなくてはならないもの。
つまり食料生産という立場から研究しているようです。
これを生徒に指導されているのは、畜産が専門の先生。
農業は植物から動物、食品、生物工学、環境、機械、福祉、流通販売など幅広い産業です。
先生方は大学でそれぞれの分野に特化した研究をされてきていますが
農業教員の免許は、そんなこと関係なく「農業」。
したがってもし食品専門の先生であっても採用されたら他分野は出来ませんとはいえません。
どの分野でも自分で勉強して指導しなければならないのです。
でも長年携わっていると、すべての分野がつながっていることが分かってきます。
またいろいろな知識や技術が身につくので、
大変ですが新しい分野の挑戦も楽しく感じるものです。
さて珍しい寄生虫の研究。どんな成果を出してくれるのでしょうか。楽しみです。
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