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感想:『ロウきゅーぶ!』

2009年11月30日 21時41分49秒 | 本と雑誌
ロウきゅーぶ! (電撃文庫)ロウきゅーぶ! (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2009-02


「ロリ」を売りにしているが、読んでみると「ロリ」の皮をかぶったスポ根ライトノベルだった。

入学した高校のバスケ部部長が「ロリ」のせいで、部活が1年間休部という窮地に立たされた主人公の昴。中学時代に活躍し、名門校からも勧誘されていた彼がこの高校に入ったのはその部長に憧れてだったのだが……。
バスケへの情熱を失いかけていた矢先に、彼の元へ小学生女子バスケットボール部(女バス)コーチの要請が。女バスの存続を賭けた試合のための要請だったが、乗り気にならない昴。しかし、智花の美しいジャンプシュートをこのまま無くす訳にはいかないと思い……。

女バスの小学生5人の印象は、『苺ましまろ』(笑)。まほまほと美羽がかぶっている気がするのは私だけではないだろう。気の弱い愛莉、仕切り役の紗季、子供子供したひなたとキャラクターの作り方は定番ながらしっかり出来ている。女バスの顧問にして昴の叔母である美星も。キャラクターを立てることに成功した時点でライトノベルとして成立している。
その前提の上に、バスケの面白さ、スポ根の熱さを上手く織り交ぜた。試合シーンもきちんと描き切れている。コミックのノリに非常に近いが、自分にとってのバスケへの情熱といった思いの部分を丁寧に描いたことで小説的な要素も楽しめるようになっている。

昴が憧れていた先輩は今後登場するかどうか分からないが、その先輩と付き合っていた少女が智花じゃないかと思って途中まで読んでいた。彼女の過去が語られて違うようだと分かったが、今後の展開としてはその二人の動向が気になる。現状で話を広げる方向が他に考えにくいせいだけれど。スポ根とキャラクター性とのバランスが今後もうまく取れていれば、楽しめるシリーズとなりそうだ。(☆☆☆☆☆☆)


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