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「アルタナの神兵」と6月バージョンアップ

2007年05月14日 22時59分16秒 | FF11
ある程度予想はしていたが、「スクウェア・エニックスパーティ2007」でFFXIの新追加ディスク『アルタナの神兵』が発表された。『ジラートの幻影』『プロマシアの呪縛』『アトルガンの秘宝』と1年半程度で発売されていたので、そのペースなら今年9月頃と思っていた。実際は2007年冬ということで、今年の年末から遅くとも年度末あたりまでに発売されそうだ。

『アルタナの神兵』では新エリア、新モンスター、新ミッションといったこれまでの追加ディスクで必ず追加されている部分は間違いなく追加されるだろうが、他の要素については今のところ分からない。各ジョブに新規魔法が追加されるようではあるが。
最も気になる新ジョブについては全く不明。現在18ジョブと数的にはもう十分な感じがする。ただ役割的には盾やヒーラージョブが少ないというバランスの悪さは感じるが。
あっと驚くような新要素も期待したいところだ。この新規ディスクについては情報が出るにつれてまた取り上げていきたい。

一方、6月のバージョンアップの情報もいろいろと出てきている。
FFXI Creator's voice Z
12日開発トークセッション
開発トークセッション 2日目まとめ

メリポやプロマシアミッションの修正などと共に目玉となるのが「耳」取り直しだろう。
クエスト「神威」の報酬アイテムは5種類の耳装備から1つ選択して獲得できる。しかし、その中の一つ「素破の耳」の性能が突出しているため、他の装備を選んだプレイヤーから取り直しを希望する声が根強くある。ネット上では反対派の声も大きいが。
本来MMORPGはバージョンアップによってジョブの優劣が変化したり、アイテムや戦術など様々な要素が時と共に移り変わる。しかし、FFXIは比較的長くバランスに変化が起きていない。安定していると評価できる部分もあるが、一方で単調さや戦術の固定化などMMOとしては詰まらない感じもしてしまう。
「神威」の報酬のように選択制の装備はいくつかあるが、ジョブチェンジがデフォルトとなるFFXIではこのやり方は実はあまり効果的とは言えないと思う。更に実装直後と比べ、素破の耳の価値が突出するような事態を招いてしまったことは開発陣のミスと言わざるを得ないだろう。「神威」の他の報酬はある程度代用が存在するが、素破だけはそれがない。

レベル上げでは装備の差はそう目立たない。レベル差による補正などが大きく作用しているからだ。また、レベルキャップで行われる様々なコンテンツでも一部を除き装備の差よりもその人のプレイスキルが重要となる。
だが、メリポパーティだけは例外とも言え、特に前衛は装備の差が与ダメージ量にダイレクトに反映される。メリポが広まるにつれ、前衛の差別化が激しくなり、その装備への要求も非常に高まった。素破の有無で前衛の優劣を問われるようになってしまった。
釣り役(主に詩人)、寝かせ役(主に詩人・赤)を除くと戦術は単調でプレイスキルによる差はほとんど現れない。ひたすら殴り、TPが貯まったら即WSを放つ。連携やMB、不意打ち、だまし討ちなどそれまでのFFXIで蓄積された様々な技術はそこには不要だ。
アトルガンが追加されて、メリポでの稼ぎはかなりの時給をもたらすようになった。しかし、レベル上げ以上につまらない戦いが繰り返され、そしてジョブ差別も更に深化した。装備の差もジョブの差もわずかなものの積み重ねに過ぎない。だが、ネットで増幅されたそうした意識はプレイヤーに重く圧し掛かっている。
確かによりよい装備を手に入れたいという思いがFFXIの寿命を延ばしているのも間違いない事実だ。だが、アイテムのためにプレイしていると空しさを感じてしまう。裏にせよ、空にせよ、今までにない体験をしたくてプレイし始めたのに、やがてアイテムに思いが縛られていく。いい装備という餌をぶら下げてプレイヤーを遊ばせるのでなく、コンテンツ自体を楽しむ要素が欲しい。昨年暮れから休止中だが、復帰する気にさせるものが見当たらないのが事実だ。

現在のシステムでは「神威」の報酬の取り直しは当然だろう。既得権益を守りたいプレイヤーが声高に反対を叫んでも、そういう声が上がる時点で大きな問題があると見るべきだ。むしろ遅すぎた。新ディスク追加は楽しみだが、現在の状況を変えなければ正直楽しめるかどうかは微妙かもしれない。
先に挙げたトークセッションの中に、「もし5年前に戻れるなら……」という質問があり、『空蝉II……察してください。本当は全部設計しなおしたい、がらっと。(松井)』というコメントがある。空蝉を修正することは単なる一魔法の修正と言うよりも敵の強さを始め様々な戦闘コンテンツの見直しなどヴァナ・ディール全体にわたって影響を及ぼすこととなる。今の開発スタッフの数ではもはや修正不可能ということだろう。だが、そのあきらめは、プレイヤーのあきらめとなる。空蝉や二刀流を一から見直す気概がいま最も求められているものだろうに。