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池宮彰一郎氏、死去

2007年05月07日 22時14分43秒 | 本と雑誌
「四十七人の刺客」池宮彰一郎さん死去…83歳

脚本家で作家でもあった池宮彰一郎氏が亡くなった。

忠臣蔵を題材とした『四十七人の刺客』は非常にインパクトのある小説で、時代劇と言うよりも戦術、戦略の駆け引きや武士のあり方を新しい感覚で描いた傑作だ。高倉健主演で映画化され、それも見ごたえある作品となっている。

幕末期を描いた『高杉晋作』、関ヶ原の合戦を描いた『島津奔る』も非常に面白く読んだ。ただ『本能寺』あたりからやや説教臭さが前面に出ていてそこが鼻につくこともあった。
最後の作品となった『平家』を除く主だった作品は全て読んだ。時代劇臭が乏しいところが好きだった。

『島津奔る』『遁げろ家康』などの作品で、司馬遼太郎の作品からの盗作騒ぎが起き、事実上それを認める形でこれらの作品は絶版となった。
盗作自体はあってはならないことだが、視点の面白さを持った作家だっただけに、その面での評価まで減じえてしまった事はとても残念だ。またその後新作の発表がなされなかったことも残念に思っている。