外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

投球回数

2010-06-07 18:22:45 | 大学野球
電卓を叩いてみたところ、この春のリーグ戦を終えた時点で、斎藤佑樹投手の六大学における通算投球回数は、327回1/3となりました。
残すは秋のリーグ戦のみとなったわけですが、これまでと同じようなペースで投げると仮定すると、最終的には380回前後となります。
この投球回数は、過去のエース投手たちと比べても、かなり多い部類に入ります。

以前の週べの記事によると、平成以降の20勝投手の投球回数は、次の通りです。(端数回切り捨て)

第1位:織田淳哉(早)527回(33勝26敗)
第2位:三澤興一(早)433回(31勝16敗)
第3位:加藤幹典(慶)383回(30勝17敗)
第4位:川上憲伸(明)361回(28勝15敗)
第5位:多田野数人(立)356回(20勝14敗)
第6位:一場靖弘(明)356回(26勝15敗)

※昭和の江川(法、47勝12敗)は560回、志村(慶、31勝17敗)は434回。

数字を見る限り、第3位の慶応の加藤投手に、最も近い着地になると思われます。

斎藤投手の場合、これまで須田、松下、大石、福井らの力のある投手陣がいて、大学野球としては珍らしく役割分担が可能でした。
したがって、先輩の織田投手のように、「織田・織田・雨・織田。3日空けたらまた織田」と、連投当たり前という無茶な環境にならぬよう、応武さんも随分と気を使ってきました。

それでも、ここまで投球回数が達してしまうというのは、一年生から主戦投手であった宿命でしょう。
しかし、率直に言って、投球回数が危ない水準に近づいていると言わざるをえません。

二年生秋に65回を投げて7勝1敗、防御率0.83という最高の数字を記録して以降、なかなか本来の調子が取り戻せない状態が続いています。
これが、投球回数からくる消耗でなければ良いのですが。

振り返れば、二年生秋の終了時点で、「20勝で一流、30勝では超一流、40勝となれば神の領域と言える。斎藤投手が順調に勝ち星を稼いでいけば、江川以来の40勝の大台突破も可能だ」と、週べが煽っていました。

しかし、40勝ともなれば、どう工夫しても500回を超える投球回数とならざるを得ません。
500回を超えることが、どれほど投手にとって過酷な状況となるのか、週べのTO記者は知らなかったはずがありません。
私の周囲にいた若いファンの皆さんの多くは、TO記者が斎藤投手に理解があると受けとめて、その記事を歓迎していたようです。

でも私は、「商売とはいえ、なんという無責任な記事を書くのだろう」と、呆れていました。
江川のように平均70回を8シーズンも投げていたら、殆どの投手は肩を壊してしまうに決まっています。

江川は、ピンチの場面以外は、5割程度の手抜きで、汗もかかずに相手校の打者を牛耳っていました。
そんな憎たらしい怪物・江川だからこそ、投げることのできた投球イニング560回です。
※斎藤投手の過去7シーズンは、平均46回。


今年の夏も、斎藤投手は、練習や自校のオープン戦以外に、大学ジャパンなどに招集されるようです。
しかし、同じように体を動かしているようでも、トレーニングと試合前の調整は違います。

秋のリーグ戦まで、あと3ヶ月。
幸い、斎藤投手に大きな故障はありません。
大学最後のシーズンを万全のコンディションで迎えるために、ファンのご期待もあるでしょうが、「花試合」への出場は出来る限り回避してもらいたいと願うばかりです。
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2 Comments

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いろいろ (mytochigiotoko)
2010-06-07 21:04:14
以前も書いたかもしれませんが八木沢さんは選抜の
優勝投手で早大4年のときは主将で春は80回を投げ
防御率0.89,6勝1敗、秋は67回投げ、1.75、3勝2敗でしたが四死球が少なく、春は5個、秋は7個
でした。なにしろほとんど四死球を見たことがありませんでした。一年からベンチ入りしていましたが
先輩にあの江尻・宮本といった投手がいてあまり投げなかったようでそれが4年で良かったようです。
さて「花試合」といえば昨年の法政の二神投手は
気の毒でした。大学選手権から日米からハワイ遠征
と秋のリーグ戦前に体調が戻りませんでした。
今年はそういうことがないよう斎藤君や早稲田も
注意したほうが良いでしょう。
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六大学の至宝を大切に (slept5555)
2010-06-08 14:35:50
神宮を埋めた早法、早明戦、早稲田久々の日本一、東洋の大場投手と投げあった秋と、入学以来早稲田のみならず六大学ファンの夢を実現し続けた右腕ですから、ホントに心配になります。世界選手権にはあえて出さないほうがいいと思いますよ。六大学優勝はもとより、彼の活躍は球界の夢です。楽天・田中投手との再対戦まで大切にしてほしいと願います。
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