外苑茶房

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GMが連邦破産法の適用を申請

2009-06-01 17:40:06 | ビジネス
GMが、連邦破産法の適用を申請します。

かつてGMグループの金融証券化ビジネスに関わっていた私としては、何とも言えぬ思いがあります。

GMグループは、良くも悪くも大らかな社風でした。

数年前、フロリダ半島のネイプルズというリゾート地で、GMグループの会議に6日間出席したことがあるのですが、5日間に渡ってプライベートビーチを借り切っての会議とパーティー、大型クルーザーで運河を巡りながらのダンスパーティー、市内の高級シーフード・レストランに移動してのディナーなど、何もかもが大盤振る舞い。

当時は金融ビジネスの収益がGMグループ全体を支える構図で、金融部門が肩で風を切っている状況であったからこそ可能になった企画。

特に、日暮れ時のビーチ・パーティーは、まるで映画のワン・シーンのような美しさでした。


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思い出深いのは、会議期間中、GMの帽子を被ってホテルの廊下などを歩いていると、見知らぬオジサン、オバサンが「この間、GMの車を買ったよ」「パワフルな車だ」などと話しかけてきたことです。

リゾート地という開放的な雰囲気がそうさせる面もあるのでしょうが、何といってもGMが国民からとても親しまれている企業であることを実感したものです。

実質国有化されるGMは、もはや“General Motors”ではなく “Governmental Motors”になってしまうとニュースでは揶揄されています。

早期に赤字体質を一層するために大胆な外科手術が行なわれて、かつての大らかな社風は消え去ることでしょう。

客観的にみれば、あの大らかさが会社をダメにしたとも言えるのかも知れません。
日本や韓国のメーカーの勤勉さとキメ細かさには、太刀打ちできなかったとも思います。

ただ、そこで働く社員たちは、管理職も現場の社員も、みなフレンドリーで明るかった。
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いかにもアメリカっぽい企業が実質的に解体される運命となってしまい、個人的にはとても悲しい思いです。
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GMとともに…… (MT)
2009-06-07 12:04:43
かつて名経営者、ウィリアム・デュラントが創業し、中興の祖、アルフレッド・スローンによりフォードを抜き世界最大の自動車会社となったGM。
スローン会長の引退前に、GMに請われGMを調査したのがピーター・ドラッカー。
その時のドラッカーの著者『会社という概念』により、ドラッカーは政治・社会学者から経営学者となりました。
というより、GMとドラッカーが現在のマネジメント(経営学)の端緒です。
スローンは自らも『GMとともに』という本を書き、これも経営学の教科書として使われまた今でもビジネスマンに読まれています。
スローンはまた、MITに寄付をしMBAを作り、今でもMITスローンスクールは全米屈指のMBAです。

このような経営の鑑であり、経営学発祥の地となった会社が経営破綻するというのは、ドラッカーをよく引用する私にとっては非常に複雑な心境です。
やはり栄光の歴史が、改革の道を阻んだのでしょうか?
皮肉にもドラッカーとスローンの本を読みダウンサイズに成功したのが一時の、フォードでした。その後フォードもダメになりましたが。GEのジャック・ウェルチはドラッカーをアドバイザーに迎え、変革に成功しました。
ドラッカーは何度もGMに変革を助言したそうですが、77年連続自動車の売上世界一という成功体験がGMを裸の王様にしたのでしょうか。
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技術系出身の経営者 (ay1881)
2009-06-08 10:40:09
日本の自動車メーカーには技術系出身の経営者が少なくありませんが、GMはMBAが経営を独占していました。

詳しく検討したわけではないのですが、このあたりの風土の違いが現在の状況を招く遠因になっているような気がしています。

ただ、軌道に乗った時の米国型経営スタイルの強力さは折り紙付きですから、日本メーカーも油断大敵です。
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