今日、キャンパスを出たのは午後10時半ごろ。
またまたハードな1日となりました。
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さて、少し前のことですが、TVドラマを観ていたら、「銀行レース」というセリフが出てきました。
「ガチガチの本命で、銀行に預金するのと変わらない。配当は大したことはないが、確実に戻ってくる馬券」
そんな意味を指すものでした。
そのような馬券が現実に存在するのか、私には分かりませんが、銀行レースとは、なかなか面白い表現をするものだと印象に残っています。
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このごろは様々な投資商品やデリバティブを取り扱うようになってきましたが、銀行業務の中核的な収益源が預金と融資の利ザヤから生み出されていることに変わりはありません。
このビジネスモデルは、とにかく利ザヤの薄いものです。
店舗、システム、人件費などを勘案すると、利ザヤは0.2%前後しかありません。
例えば、1百万円の貸倒れ損失が発生したとすると、5億円の新規融資を積み増しして、1円の延滞もなく1年後の期日に全額回収して、やっと1百万円を取り戻すことが出来るという計算になります。
別の言い方をすれば、1,000件の無担保融資をした時、貸倒れが僅か3件発生しただけで、もう赤字になってしまうのです。
このようなビジネスモデルなのですから、バブル経済が崩壊して40兆円を超えるような不良債権が発生した1990年代に、銀行の経営破綻や業界再編が起きたことも理解していただけると思います。
不動産やリース・ノンバンク、あるいはリゾート施設などへの融資を積み上げていた銀行の多くは、その銀行名が今は存在しません。
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そのような業界ですから、いかに貸倒れを回避するかが、方針決定の際に判断基準となります。
複数の選択肢があり、いずれも決定的な根拠に欠ける場合には、最も保守的なものを選ぶ。
冒険を許さない、そんな思考方法が、古今東西、銀行マンに求められる資質なのです。
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かたや、世の中には、100件の案件に取り組んで、その中の1件が上手くいけば利益が出るという業界も有ります。
このような業界では、冒険せずにいることは許されないことでしょう。
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日銀の黒田さんが推し進めている金融政策は、本来ならば物価上昇2%ならば長期金利も2%となるのが基本であるものを、物価を押し上げながら金利は抑制するというアクロバティックなものです。
もちろん、選りすぐりの俊英たちが知恵を絞ってやっているのですけれど、銀行マンとして育った私には、ちょっと踏み出せない領域の、掟破りの冒険的な政策に日銀はチャレンジしているのです。
そのことを安倍総理以下の方々が良く理解して、果敢に法人税と規制緩和に取り組んでもらわないと、日本は大変なことになります。