樹高20mはありそうな立派な山桜に出会った。それは弓立山から大附の里を下る道の途中に突然現れた。
滅多なことでは決して途中で車を止めたりすることのない夫が、こんな立派な山桜は初めてだと通り過ぎた車をバックさせて停止したのだ。
充分に成熟した太い幹の桜が2本、まさに満開の時を迎えていた。山吹色の葉と白い花の美しい枝が、春の風に大きく揺れていたが花びらは飛ばない、咲き始めなのだろう。
芽吹きと同時に花芽も出る山桜は、花と葉のバランスがいろいろだけど、この山桜は一見ソメイヨシノと見まがうほどの花のボリュームだ。豊富な花と堂々とした幹の太さに驚きながら、日を遮るものが無いから充分に育ったんだろうねと夫が言った。
あたりを見回すと、桜をとりまくロケーションもいい。居心地のよさそうなのどかな里の風景が広がり、その先には萌えはじめた山の姿もある。いいなあ~ここで山と桜の木を見ながら暮らしたら楽しいだろうな。