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またたびダイアリ

結局、食べることが好きなんだ

会津若松酒蔵巡り~鶴乃江酒造・末廣酒造・宮泉銘醸~

2007-11-14 | 青春18きっぷの旅
今回は全て友人が仕切ってくれたので、
何も考えることなく、ありがたくついて歩く。

とくに下調べなどもしなかったのだが、
ひとつだけ課題を与えられていて、
それは司馬遼太郎の「燃えよ剣」と
浅田次郎の「壬生義士伝」を読むことであった。

「燃えよ剣」で新撰組の概要を把握したうえで
「壬生義士伝」を読んだのだが、
私が共感したのは斉藤一だった。

それを話したためか、友人がまず向かったのは、
七日町駅を降りて少し歩いたところにある
阿弥陀寺の斉藤一の墓だった。

小説はある程度脚色されているとはいえ、
斉藤は実在の人物だったのだなあと
感慨にふけりながら墓前に佇む。

花とペットボトルが供えられていた。
最後まで会津の酒を愛していたという話だったが、
張り紙があり、お酒を供えないでくださいとある。
管理するのも大変だもんね。

紅葉の見事な巨木が墓石を抱くように
優しく覆いかぶさっている。

斉藤本人は後世に騒がれることは
あまり望んでいなかったのではないかなあ。
墓石もシンプルなつくりだ。

動乱後に警視庁に就職していたのには驚いた。
斉藤に尋問されるのだけは勘弁してほしいわ…。

*

阿弥陀寺からやや歩いたところに、
会津中将という酒で知られる鶴乃江酒造があった。

ごく小さな蔵だが、デパートの試飲会などに
こまめに出展しており、昨年だったか、
横浜そごうでこちらのゆりさんに会ったことがある。

ここだったのか! さっそく寄ってみよう。

引き戸を開けると、ゆりさんではないが
ご姉妹であろう若い女性が出迎えてくれた。

さっそく試飲させてもらい、この蔵に来た人しか買えない
(酒店におろしたり、通販もしていない)という
限定品の酒、特別限定生酒 純米大吟醸白ゆりを買い、
リュックサックに詰めた。

私は甘めのにごり発泡酒が好きなので、
これはとても楽しみだ。

*

16日にようやく旅疲れから復活したので
さっそく飲んでみた。

ぷちぷちシュワシュワとほの甘く、
たいへんに美味しい。
ついつい杯が進んで1本あけてしまいました…。

*

そこからさらに歩いたところに末廣酒造がある。


こちらは嘉永蔵と呼ばれている。
中に入ると吹き抜け3階の立派な建物に圧倒される。


予約がなくても見学を受け付けてくれるそうだが、
今回は時間がなかったので見学はパスした。


こちらにもやはり試飲コーナーがあり、
蔵人さんが1本ずつ丁寧に説明をしてくれる。

大量生産できる機械化された酒以外に、
ごく少量だが昔ながらの蒸した米を、
乙女が足でふんで作る手作りの酒
(ワインみたいですな)も作っているそうな。

その手作りの酒は、この蔵に来た人でないと買えない。
こういう限定品というのは嬉しいものだ。
他には梅酒や、売店にあった酒まんじゅうも美味しかった。

*

酒まんじゅうはこちら。


*

ここからは周遊バスで移動。「北出丸大通り停留所」でおりて
宮泉銘醸株式会社に向かう。


こちらには会津酒造歴史館が併設されている。

入り口で300円払って中を見学。
ここで実際に酒を作っているのだ。
仕込みは12月中旬からだそうで、
その頃にまた来てみたい。

経路の途中に小原庄助コーナーがあった。


愛用の盃。「咆虎」の銘がついている。


庄助グッズコレクション。


小原庄助さんといえば会津磐梯山の歌詞に
登場して身上をつぶしたとはやされているが、
個人が特定されているというわけでもないらしい。

候補とされている1人はたしかに大酒飲みではあったが
戊辰戦争で立派に戦ったとも伝えられており、
どうも大酒飲みをさして「小原庄助」と
総称しているのではないかと勝手に推測。

石造りの風呂も展示されていた。


かなり小さいが、江戸時代の平均身長は
156cmくらいだそうなので、1人ならラクラクかなあ。

見学を終えて戻ると、無料試飲コーナーがある。
日本酒、焼酎の他にクルミ味噌や山菜漬けなどがあり、
おつまみにも困らない。

試飲してみて気に入った「写楽」のほかに、
くるみみそ、そばの実なめこを購入。
酒蔵で売っているおつまみに間違いはないのだ。

*

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会津若松 鶴ケ城

2007-11-14 | 青春18きっぷの旅
七日町駅に11時頃につき、
ここまで駆け足でまわってきたが、
徹夜明けということもあり、
試飲でいただいた酒がきいて朦朧としつつ進む。

友人イチオシの鶴ケ城(若松城)に到着。


紅葉が美しい。

天守閣から望める景色。







この天守閣は後年作られたものというけれど、
眺めの素晴らしさに感嘆する。
今更だけど、会津も盆地なんだねえ。


城内には靴を脱いであがれるところがある。

この磨きこまれた板張りが足に心地よい。

通路の端に駕籠が置いてある。
スラリとした長身の友人には窮屈なのだが
私にはジャストサイズ!

しばし進むと壁に穴が。


これこのように


画面中央の石垣を越えてくる敵を撃つ。


ここは床がガラス張りだ。


上から石を落として一撃必殺!


白虎隊の面々の肖像画が飾ってあるフロアがあった。
15~16歳の若者たちが、躊躇いもなく命を散らしている。
いまや遠くなった、武士というものについて考えさせられる。

近藤、土方のパネルが飾ってあった。


手前が斉藤なのだが、なぜこれだけが漫画?


城の近くに茶室も設けられている。


しかしよい時期に来られて本当によかった。
平日ということもあって、そう混んでいないところもありがたい。

天守閣で、おそらく県内の小学生たちが先生に引率されて
おくになまりで思い思いに語っているさまを見られたのも
旅情を感じて楽しかった。

城の近くにはお土産館もあって、こちらでは
ゆべしの職人実演や、喜多方の美味しいラーメンの
即売なども行われていて、大変魅力的だった。

今回は駆け足でまわっていたため、ここでもそうゆっくりとは
できなかったけれど、いずれまた来たい場所である。

*

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会津若松日帰りの復路

2007-11-14 | 青春18きっぷの旅
始発に乗って一路会津を目指してきたわけだが
今日は日帰りなので、16時台には帰りの電車を
気にしないと、その日中には帰れないことになる。
片道7時間の壁は厚い。

会津通の友人にはみっちりとプランをたててもらって
私はついていけばいいだけなのでラクだったけれど、
この綿密なプランにはなぜか食事が盛り込まれていなかった。

それに気づいて断固抗議した私におされて
友人はこれまたイチオシであるお蕎麦屋さんに
連れていってくれたけれど、あいにく中休みの時間に
あたってしまい、あきらめて会津若松駅に向かう。

駅構内にある食事処でお膳を頼む。
こちらは会津の地ビール。

地ビールとあっては頼まずにいられなかったのだが
疲れがピークにきていて味の印象がない。
会津にきたらやはり日本酒を頼むべきかもしれない。

このお膳は会津の郷土料理が満載なのだ。

胡麻油のきいたサトイモとキノコの煮物、
棒ダラ、こづゆ、イワシ(?)、天麩羅に蕎麦。

今日初めてのちゃんとした食事なので、
お互いに無言のまま、ひたすら箸をすすめる。

天麩羅のつゆが妙に薄かったり、
棒ダラがあったりするのは
なにか京都の影響でも受けているのだろうか?

こづゆは武家料理だそうで、薄味に作るものらしい。
だしがよく効いていて、ぬる燗にあいそうだった。

蕎麦は手打ちらしく、細さにバラがあって
弾力がしっかりしていて美味しかった。

店員さんも明るく親切で、これは今回の会津全般に
言えることだが旅行者に優しいのが嬉しい。

知らない土地に旅して、ぜひまた来よう!と
いう気になるのは、地元の方の暖かい心遣いに
触れてじんとなった時なんだな~。

お土産物屋さんをひやかしながら駅を見ると
名物の赤べこをあしらった改札があり、嬉しくなる。


駅の隣に地元の方が使うスーパーがあったので
そちらを見学してみた。

海のない県だけに生鮮品の魚類は私の地元と
あまり変わらない品揃えと値段だった。

近くに踏み切りがあり、のぞきこむと赤べこ列車が!

これ、乗ってみたいんだ~。
土日しか運行していないと思っていたのだが
なぜここに? 興奮して写真を撮りまくる。

すると車体にみっしりと文字の書き込まれた列車が
ゆるゆるとやってきた。

耳なし芳一かとギョッとしたが、
これは野口英世の母、シカの手紙を
全面にレイアウトしたものであった。

私たちが乗る列車がこれだ。
なんとか席をゲットして会津田島まで小1時間乗り、
乗り換えてあとは浅草まで直通だ。

とはいえ乗り換えて浅草までは4時間半。
フカフカの椅子とよく効いた暖房に守られて
ガースカと眠る。もう限界です…。

朦朧としながら浅草から銀座線に乗り換え、
ついで東横線で地元まで戻る。
なんとかその日中には間に合ったが
もう23時をまわっていて、オットが駅まで拾いにきてくれた。

会津旅行日帰りは楽しかったが、かなりしんどいので
滅多な人にはオススメできないわ。

でもまた、会津には行きたいな。
今度はちゃんと睡眠をとってから、
あるいは1泊でいきたいところであります。

*

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会津若松 鶴ケ城



青春18きっぷで新宿から東新津へ

2007-09-09 | 青春18きっぷの旅
今回は新宿を朝の10時に出て、
新潟からムーンライトえちごに乗って
明け方、新宿に戻ってくるコース。

新宿1012(高崎線グリーン車ホリデー料金750円)→
1156高崎1215(上越線 高崎~水上)→
1317水上1344(上越線 水上~長岡)→
1544長岡1604(信越本線 長岡~新潟)→
1700新津1725(磐越西線)→1729東新津

東新津駅前の秋葉温泉へ。
青春18きっぷで行く東新津の秋葉温泉 花水

東新津2036(磐越西線 新潟行き)→2100新潟

新潟駅南口近くの「うをずし」へ。
青春18きっぷで新潟うをずしに行きムーンライトえちごに乗る

新潟2335(ムーンライトえちご 510円)→新宿510

*

新宿駅の改札からホームまでのコンコースには
駅弁ショップや成城石井、ベジテリアや惣菜屋などが
充実しているので、一食分をここで調達。
高崎線のグリーン車内で食べる。

ゐざさの柿の葉寿司3個入り。


日曜日なので通勤客は少ないものの、
グリーン車二階は混雑していそうだったので
初めて一階に座ってみた。

ホームの端が目の前に来る高さなのね。


ゆったりしたシートにノートパソコンも置けそうな
大きなテーブルなので、快適に過ごせるけれども
食事したいときは二階のほうがいいかもしれない。

一階の車内は高崎まで一度も満席になることなく、
半分埋まっている程度でとても静か。
エアコンがよく効いているので、18きっぷの旅のときは
常に持ち歩いているフリース毛布をかぶった。

池袋を過ぎたあたりで「修学旅行」の札が出ている
特急列車が横を過ぎていった。

高崎からは上越線で水上へ。
ハイキングスタイルの中高年客が多い。
尾瀬があるからかな?

水上が近づくにつれ、大パノラマの美しい景色が
広がっていたが、台風の後なので川は泥で濁り、
水位もあがっている様子だった。

水上駅到着~。


向かいのホームにお座敷列車が停まっている。

ゆとり…?

台風の影響で、来るはずの車両が急に
二両編成に短く変更されたのだが、
直前までアナウンスがなかったので
ホーム前方に並んでいた人たちは
慌てて後方に移動し、並びなおすことになった。

私は偶然にも電車の来る位置に並んでいたため、
なんとか座席を確保できたけれど、
ドアが開く瞬間の殺気たるや…。
一部で怒号があがるなど、殺伐としていた。

*

水上から長岡に向かって2駅目に、
海抜538mなれど地下70mに位置する土合駅がある。

日本一のモグラ駅の名で親しまれ、
TVでもとりあげられたことがあるので
私もこの駅のことはなんとなく知っていた。

先日、JR最高地点の小海線 野辺山駅に
行ってきたばかりなので、土合もたいへん
気になったが、今日は降りずに眺めるのみ。

駅については「幻のエアポート特急・えあ」さんの
どあいステーション
に詳しくまとめられている。
写真の撮り方に雰囲気があって、なんだか昭和の
廃墟を見るような迫力があるけれど、
一度は降りてみたい駅だ。

水上から私の隣にいた青年も、ここで降りていった。
少し羨ましく思いながら私もカメラでパチリ。

地下だけあって、気温が低かった~。


小さなカートの脇に水のペットボトルを、いくつも
くくりつけていた50代くらいの男性がおり、
ときどきペットボトルを手にしてはノドを潤している。

しかし私は隣に座っていたので、その香りで
ペットボトルの中身がなんだかわかった。
おじさん、それは麦焼酎ですね?

くくりつけてある位置によってペットの中身が
違うようで、麦焼酎ペットを一口やり、
チェイサーとして水のペットを二口飲む。

焼酎は無色透明なので、見た目にはどのペットも
水にしか見えないところがポイントなのかしら。

スキットルとか買うと高いけれども、ペットボトルに
詰め替えとは思いつかなかったな~。

感心しているうちに、おじさんはどこからか
おかきを取り出し、ポリポリとつまんでいる。

隣のキャクはよくオカキ食うキャクだ!

長岡までの2時間は長く感じた。
小千谷で降りる人が多かったなあ。


長岡から新津までは約1時間。
車窓に広がる越後平野を
満喫しているうちに新津駅に到着。

磐越西線が来るまで25分ほどあるので、
改札近くの待合室などを見学。

これはっ! SLの形の徳利(?)だ!




荷物も積めるのか…。


新津では「ばんえつSL物語号」という企画があり、
SLで有名なところだったとは知らなかった。

ペーパークラフトつきの駅弁もあるらしい。


SL徳利、買いたかったけれど、
ここにあるのは展示品なので、
画像の酒屋に行かないと買えないのかも。

SLにも乗ってみたいし、新津駅にもぜひまた来たい。

ワンマン列車の磐越西線がホームに入ってきた。
終点は会津若松。そのまま終点まで乗り続けてみたい
気持ちをおさえて、1駅目の東新津駅で下車。

小さな駅を降りると目の前に秋葉温泉 花水がある。



青春18きっぷで行く東新津の秋葉温泉 花水

2007-09-09 | 青春18きっぷの旅
東新津までの道のりはこちら。
青春18きっぷで新宿から東新津へ

東新津駅で下車するとそこは無人駅だった。
きっぷ回収ボックスが立っているのみだ。


無人駅で乗降するのはこれが初めてなので、
戸惑いながら外に出る。
とんがり屋根の可愛い駅舎だ。

細い道路を挟んで向かいに、
秋葉温泉 花水(かすい)(音が出ます)がある。


日曜の夕方5時半なのだが、
広い駐車場にぽつぽつと車が入っていく。


新しくてきれいな温泉施設で、まず下足箱のカギを
フロントで入館料(950円)と引き換えに預かってもらい、
袋に入った貸しタオルとバスタオルを受け取る。

タオルと一緒に手首につけるロッカーキーも渡される。
これはキーの脇にバーコードがついており、
館内で食事をしたり、自販機で買い物をするときにも
必要で、バーコードを読み取ってから注文した品を
渡されるシステムだった。

使った分は帰るときにフロントでまとめて現金払いし、
下足箱のキーを渡してもらうことになる。

さて待望の温泉。
入ってみるとそんなに混んでいるわけでもなく、
カランも待たずに利用できた。

ずっと座っているだけだったとはいえ
それなりに疲れてもいたようで、
お湯に入って体をのばすとしみじみいい気持ち。

大浴場、露天、ジェットバス、打たせ湯にサウナと
ひととおり揃っており、ややぬるめなので
のんびりと長い時間漬かっていられるのが嬉しい。

泉質は弱アルカリ性・ナトリウムの塩化物温泉だそうで、
漬かっていると肌の表面がとろりとなめらかになる。

源泉かけ流しタイプではないようだけれど、とても満足。
心から寛いで湯船からあがる。

いったん着替えて軽く一杯やりましょう。

ビールがキンキンに冷えててウマ~!
新潟なので少し期待していた枝豆は
冷凍品ぽかったけれどゼイタクはいいますまい。

注文をするときにバーコードを読まれるので、
席をたつときはそのまま出て行ける。

館内にはお昼寝コーナーもあって、
女性専用室も設けられている。

体をのばして横になれるのは嬉しい。
タオルケットと枕でゴロリと転がる。

このあと新潟まで出るので、熟睡しすぎると
大変だけれど、30分くらいうとうとしてスッキリ。

しばらくぶらぶらして、また温泉に漬かる。
うん、本当にリフレッシュするなあ。

名残惜しいが施設を後にし、新潟へ向かう。

とっぷりと暮れた駅。これまた風情があってよい。

温泉が駅の目の前だというのは便利だよね。

待合室の中にキップの自販機があった。

雪景色の頃に、また来てみたい。

2036磐越西線 新潟行きがやってきた。


この続きはこちら。
青春18きっぷで新潟うをずしに行きムーンライトえちごに乗る



青春18きっぷで新潟うをずしに行きムーンライトえちごに乗る

2007-09-09 | 青春18きっぷの旅
青春18きっぷで新宿から東新津へ
青春18きっぷで行く東新津の秋葉温泉 花水
この2つの記事のつづき。

*

新潟駅付近は全く知らないのだが、
友人が薦めてくれたお店が、
この「うをずし」だった。

新潟駅南口からすぐ、ということなのだが
30分くらい迷ってしまった。
ちょっと場所がわかりにくいかな…。

あきらめかけたところでようやく発見。
引き戸をあけるとお客は誰もおらず、
親父さんと奥さんの2人が腰をあげて
迎えてくれたので、カウンターに座る。

気取らないつくりの店で、
日曜の9時半過ぎということもあるのか
ガラスケースの中もいかにも閉店前の
雰囲気だったので、やや不安になりつつ
刺身の盛り合わせを頼んだ。

親父さんの後ろに一升瓶が並んでいるので
〆張鶴を頼むと常温で出してくれた。

自分で飲むときは冷やしてばかりだけれど、
一口呑むとこれがウマイ。

突き出しの枝豆をつまみながら
静かに待っていると、
笹の葉に盛られた刺身が出てきた。

タコ、イカ、アマエビ、鯛、マグロ、アジと、
ラインナップに目新しさはないけれど、
ひとつひとつに丁寧に包丁を入れてあり、
またどれを食べてもびっくりするほど美味しい。

親父さん、やりますな!と内心、舌を巻きつつ
上寿司を頼み、お酒も追加。

にぎりが出てきたところで、ついにたまらず
「写真を撮ってもいいですか?」と聞くと
親父さんは破顔一笑して快諾してくれたのでパチリと。

それまではカウンターを挟んで互いに無言で
店内にはラジオの音だけが響いていたのだが、
これをきっかけに親父さんが色々な話をしてくれて、
私もお酒が入って緊張が和らいだこともあり、
とびだすワールドワイドなお話に楽しく相槌をうった。

寿司が美味しかったのはもちろんのこと、
親父さんと奥さんのお二人に
あたたかくもてなしてもらったことが嬉しく、
また来ますと約束して店を出た。

*

お土産用に包んでもらったいわしの笹寿司。


1本270円。


酢飯の中に自家製のくるみ味噌が入っており、
醤油はつけずにそのまま食べる。
しめたイワシと新潟の米、味噌の優しい甘みと
笹の香りが融合して、それはそれは美味しかった。


*

うをずしを辞したのが22時半過ぎ。
ムーンライトえちごは23時35分発だ。



本日はレディースカーに乗る。


ムーンライトえちごの座席は、
ながら、信州のに比べて格段に良い気がする。


上りのムーンライトえちご、新宿行きは全席完売。
検札が来るまでは…と眠い目を見開いていたが、
急にお酒がまわってきてばったりと気絶。

気づくともう明け方で車内がとても暑い。
汗だらだらで目を覚ますと高崎だった。

結局、検札しないまま新宿に5分遅延で到着。
検札は私が寝ている間に終わってしまったのだろうか?
18きっぷの最後の枠に、車内でハンコを
押してもらうつもりだったので心残りだったが、
新宿駅のホームに降りる。

この時間なのに山手線ホームに大勢の人が
並んでいることに衝撃を受けた。
皆さん、早いのですね…。

髪はボサボサ、スッピンのむくんだ顔で
山手線に乗り、渋谷に出て東横線で帰る。

いや~、夜行明けはいつもきついけれど、
新潟行きは念願だったのでとても満足。

先日の越後湯沢でも思ったけれど、
新潟の人ってホスピタリティ精神に溢れていて
すごく親切にしてくださるのが本当にありがたい。

温泉も、農産物も海産物も豊かな県で、
育まれた人の温かさなのだろうか。

またすぐにでも訪れたくなりますわ。



青春18きっぷで沼津にベアードビールを飲みに行く

2007-09-08 | 青春18きっぷの旅
本当は甲府に行くつもりだったけれど、
今週はオットが忙しく、疲れていたので
遅い時間に出られるコースを考えた。

川崎1250(快速アクティ)→熱海1414→沼津1437

今回のお目当ては沼津の地ビール、ベアードビールだ。
一階が醸造所で二階がパブになっている。

9月5日に出たばかりの
ブラックベルベット ダークラガー
定番のレッドローズ(アンバーエール)、
ライジングサン(ペールエール)などを飲む。

メニューは下に行くに従って濃い味わいのものが
並んでいるので、順繰りに飲んでいくのも楽しい。

私が一番気に入ったのは、もっとも薄い
(という表現が正しいのかわからないが)、
メニューの一番上に位置していた
ウィートキングエールだった。

画像左のビールは季節限定の、
イチゴを使ったビール。

以前自宅でベルギーあたりのイチゴビールを
飲んだときは、きれいなピンク色だったので、
これがでてきたときには、その黒さに驚いた。

おっ、たしかにこれはイチゴの酸味…。
ジュースのように甘いというわけでもなく、
上品な味わいのイチゴビールだった。

国産苺を使用しているそうで、面白い試みだと思うが
私は、もう満足であります。

おつまみもビールに合うものを
色々と取り揃えてあったが、
鯵を使ったものがとくに美味しかった。

アジフライにタルタルソースと
トマトガーリックソースの2色がかかっている。

自分でも作ってみたくなるぅ。

*

カウンター隅の止まり木は常連さんらしきメンバーが
しめていたが、フロアには外国人グループもいた。

私たちより遅れて入店し、席について英語のメニューを
眺めてビールを選び、カウンター内に声をかけていたが
カウンターには聞こえていないようだった。

これは先にレジに行き、そこで注文して会計をしてから
ビールなり受け取るというこの店のシステムを知らないのかも、と
助け舟を出すべく振り返ろうとした矢先に
グループから1人がつと立ち上がってカウンターに向かい、
「スミマセン アソコノ ガイコクジン ナンデスケドモ」
と流暢な日本語で注文をしていた。

お節介しなくてよかった、と内心ほっとしたものの、
その自己紹介の仕方につい笑ってしまった。

*

ビールにも料理にも満足して店を出、また駅まで歩く。
沼津発1811東京行きが来たのでそれに乗る。

沼津は近くていいですね。
明日は私一人で少々遠出の予定。



青春18きっぷで南房総の野島崎灯台へ

2007-09-04 | 青春18きっぷの旅
今期は18きっぷを2枚買ってあったのだ。

買えるのは8月末日までだが、
利用できるのは9月10日まで。

往復で2回分を消費するプランをたてていて
友人と一緒に行くはずだったのだが、
(つまりそのプランで1枚5回分のうち4回分を使う)
急に都合が合わなくなってしまったため、
手元にはまるまる5回分が残っている。

10日までに使い切らねばなりませんぞ!

*

2枚目の第一回は、千葉県の内房線を使って
房総半島の最南端を目指した。

武蔵小杉1011→東京1107→千葉1159→千倉1411

千葉から千倉まで2時間以上かかるのだが
幸い千葉から座れたので、のんびりと読書をする。
ときおり窓に目をやると、こんもりとした緑の山並みが
目に優しい。比較的低い山が多かった。

車内放送が聞き取りにくいのと一度しか言わないので、
駅が近づくたびにホームを見て駅名を確認する。

ようやく千倉についた! やった~、と
電車を降りてバッグからカメラを出し、電源を入れると
「メモリーカードが入っていません」の表示。

こんな基本的なミスを犯すとは…。

旅の思い出を撮るのも楽しみのひとつなわけで、
出掛けに確認しなかった自分にハラをたてつつ、
仕方ないので今日は携帯W52CAのカメラで
撮影することにした。

*

千倉駅からバスに乗ること30~40分。

七浦小学校前という停留所から行かれる
道の駅 潮風王国という魅力的な施設が
気になったが、今回は灯台にした。
火曜日は休みで上に登れないけれど。

運賃510円を払って終点で降りると、灯台は
そこから1.2kmほど先だったので歩いていく。

暑い~とつぶやきながら人のいない道を歩く。
よーし着いたぞ。

きれいな海! ど~んと太平洋。
…なのだが、この時間は逆光で、
海を青く撮れたのはこの1枚しかなかった。

ここまで来ると観光客もちらほら。

帰りのバスは1時間後で、それを逃すと
そこからまた2時間待たねばならない。

あまりのんびりしていられないので
とりあえず腹ごしらえをする。

寄るつもりだった食堂はお休みだったので、
目についた店に入った。

この定食で1300円くらいだったかな…。

さざえのつぼ焼き。

ちゃんと包丁をいれてあるので食べやすい。

値段と見た目とのギャップにいささかギョッと
したものの、どれも美味しかった。

米、魚介類、味噌汁のあおさ、漬物、醤油に至るまで
全部千葉産なんじゃないかな~。

きれいな海に後ろ髪をひかれながらバス停に戻る。
ここから館山駅に向かうのだ。

バスがやってきたのは16時をややまわった頃。

こんもりした山とあちこちで枯れ草を焼いている畑の
のどかな景色のなか、細くワインディングした道路を
バスはすいすいと進む。

房総半島って電車で来たのは今回が初めてだけれど、
電車よりも車で来たほうが楽しめそうな気がする。

*

館山からまた内房線に乗って浜金谷で下車。
ここから少し歩いて東京湾フェリーに乗る。

道の脇でへたっていた猫。

近づくと、なになに?ごはん?とばかりに
にょきっと首をもたげていた。

金谷の海もなかなかですな。
ここは東京湾ということでいいのかしら?


片道運賃600円を払い、乗船して出航待ち。

金谷発1805の便だ。

リクライニングはしないけれど
ひじかけとテーブルつきの座席。



サロン風のスペースもある。


久里浜までは30分の船旅。
広い船内はガラガラだ。

ちょうど日暮れ時だったので、静かな海や
他の船を眺めたりで旅情にひたる。

横須賀が近いからか、軍用らしき、戦車のような
ごっつい黒い船が動かず洋上にいて、
異様な迫力があった。

久里浜の港が見えてきた。
もう、とっぷりと暮れている。


ブランチがおりてくる。


カーフェリーなので開口部が広い。


ここから京急久里浜駅までバスに乗る。
帰りもJRを使うつもりだったけれど、
なにか面倒になって京急線~東横線で帰った。
京急久里浜駅から自宅最寄駅までは約1時間だ。

いつもは電車ばかりだけれど、今回はバスとフェリーも
使って目先が変わったせいか、あまり疲れなかったな。



青春18きっぷで小淵沢の井筒屋にうなぎを食べに行く

2007-09-01 | 青春18きっぷの旅
小淵沢駅から徒歩3分の場所に
美味しいうなぎ屋があるときいた。

井筒屋
山梨県北杜市小淵沢町1035番地
TEL/FAX:0551-36-5990

静岡県吉田産のうなぎを毎日とりよせ、
八ヶ岳山麓の地下水で身を締めてから
供しているとのこと。

いまどき珍しく店の自サイトがないのだが、
ここは大人気で、開店と同時に行っても
かるく1時間は並ぶことになるらしい。

営業時間は午前11時~午後2時(ラストイン1時半)
午後5時~午後8時半(ラストイン8時)。
火曜日定休、ときどき休みあり。

うなぎが売り切れた場合、
閉店時間が早まることがある。

予約は一ヶ月前から受付可能で、
FAXでのやりとりとなり、
予約がとれても開店時間ちょうどに来店できないと
即キャンセル扱いになるとのこと。

*

開店時間の11時に到着するために
時刻表を調べて計画をたててみた。

立川0809→高尾0826(中央線快速)
高尾0844→甲府1024(中央本線)
甲府1026→小淵沢1105(中央本線)

5分過ぎてしまうが、普通列車で行く限り
これが限界なので、あとは並ぶのみだ。

ここまで計画を立てたところでオットを誘ってみた。
18きっぷの旅は疲れるから…といつも
断られているのだが、今回は仕事のキリも
よかったようで2つ返事でオッケーがでた。

もしや、うなぎが効きましたかな…?
車じゃないからお酒も飲めるしね。

*

いつもよりも早起きをし、
バタバタと自宅を出て立川に向かう。
中央線を待っていると、同じホームに
お座敷列車が停まっていた。

「宴」っていいですなあ。


畳に座椅子、掘りごたつで楽しそう。


やってきた普通列車に乗り、立川から
順調に乗り継いで高尾からはこの電車。


古い車両ならではの味わいあり。


高尾から小淵沢までの山間部を抜けていく。
甲府盆地を一望できるところもあり楽しい。
途中で雨がふりだしたので心配していたが、
小淵沢に到着するとこちらは晴れていた。

高原のきれいな空気に感激!

*

小淵沢駅から井筒屋までは案外近い。

駅を背にして正面にのびている道が
ゆるく右カーブしているので道なりに進む。

右カーブを曲がったら左手に注意。


建物の間に細い階段がある。


この階段をおりて…


左を見ると、視線の先に井筒屋がある。


私は最初、階段に気づかず迷ってしまい、
ようよう到着して店内にある順番待ちの紙に
名前を書き込んだのが11時半頃になってしまった。

すでに店内は満席で、並んでいるリストにも10組くらいいる。
その後も続々と首都圏及び近郊のナンバーを
つけた車がやってきた。本当に人気なのね。

店脇の駐車場は7~8台停められるがすでに満杯。
ここはできるだけ電車で来たほうがよさそうだ。

12時20分頃に席に通され、
かめ塩のうなぎとうな重の上を頼んだ。
ここからまた20~30分ほど待つ。

今期のメニューはこんな感じ。
うなぎメニュー
一品・酒メニュー
(大きな画像で開きます)

私が頼んだかめ塩のうなぎ。
竹でできたおひたしの器が可愛い。

かめの後ろのトコロテン突きには
皮をむいたレモンが入っていた。
面白いアイデアだ。

井筒屋の登録商標である、かめ塩のうなぎとは
白焼きに山椒塩がかかっているものだった。

ふっくら香ばしく焼きあがったうなぎに
焼いてからふりかけられた塩が
その粒を感じさせながらも旨味をあたえ、
山椒の香りも爽やかで夏にぴったり。

凍らせた竹に入った竹酒も注文する。
小さな竹のお猪口に注いで飲む。うま~~。

オットのうな重の上は蒲焼に白焼きもついてきた。
これがまたどちらも美味しく、大満足。

ああ~、ぜひにでもまた来たい。
そうしたら今度はうなぎめしを頼んでみたいな。

*

続きはこちら↓
青春18きっぷで小海線~ホリデー快速ビューやまなし



青春18きっぷで小海線~ホリデー快速ビューやまなし

2007-09-01 | 青春18きっぷの旅
青春18きっぷで小淵沢の井筒屋にうなぎを食べに行くの続き。

小淵沢からの復路は
ホリデー快速ビューやまなし
(小淵沢1617→立川1824)を使うので、
余った時間に小海線に乗ることにした。

臨時列車の小淵沢1402→野辺山1438がやってきた。
この車両は野辺山からそのまま折返し運転をする。
(野辺山1448→小淵沢1522)

世界初のハイブリッド車両だそうで、
ホームではカメラを構える鉄道ファン多数。
私もまぎれて写してきた。

新しい車両で広くてきれい。
この運転席横のドアがガラガラと開き、


運賃箱が登場する。

ワンマン電車だとこれが普通なのかしら?
大糸線や御殿場線を思い出した。

遮光ガラスごしなので緑がかっているけれど、
車窓からの景色が素晴らしい。


この水田、よくみると風林火山と描いてある。


野辺山駅に到着!
ここは標高1345.67mで、
JRの駅として最高地点に位置する。

やっぱり空気がきれいで風も爽やかだ。

またこの列車に乗って戻るため、
停車時間10分の間に改札から飛び出し、
駅前の土産物屋で巨峰ソフトクリームを買い、
また車内まで駆け戻る。

格別な味がした。

*

土産物屋でほうとうを買うなどして
ビューやまなしが来るのを待つ。

これは土曜・休日のみの臨時列車で、
オール二階建て車両の
固定ボックスシートなのだ。

車内については、以下のサイトに詳しい。
座席探訪:215系オール2階建ライナー

新宿0906→小淵沢1159(JR東日本:駅の時刻表)
小淵沢1617→新宿1824(JR東日本:駅の時刻表)

普通車自由席:18きっぷでOK
普通車指定席:18きっぷ+指定券(510円)
グリーン車指定席:18きっぷ使用不可

ビューやまなしは臨時列車のためか
えきねっとには反映されていないので、
事前に駅の窓口で指定券を買っておいた。

一階か二階かを聞かれて二階を指定したけれど、
渡されたC席D席は進行方向の
東京方面へは背中を向ける席だった。

今度これに乗る機会があったら、
のぼりのビューやまなしはA席か
B席を指定したい。

乗ってしまえば立川まで一本なのでラクだ。
車中のほとんどは寝て過ごし、
立川から自宅まで、また電車に乗って帰った。

*

18きっぷでの日帰り旅としては
そう厳しいコースでもなく、
オットも楽しんでくれたのでほっとした。

暑くもなく寒くもなく、高原の爽やかな気候を
感じられたので時期的にもよかったのかな。
よい一日でした。