東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

玉川上水緑道(2)

2010年08月26日 | 散策

 笹塚駅前をぐるりと半周して南側に進むと、すぐに橋がかかっている。第三号橋とある。この橋の下流で玉川上水跡が開渠している。

右の写真のように、堀が浅いが、水がわずかに流れていて、これでもう少し流れていればよい親水風景になるのにと思う。といっても、前回の記事の上流側の上水跡も含め都会の中とは思えないのどかな風景になっている。

上流の上水跡はここよりもたくさん水量があったが、この堀は少なくなっている。上流側で水量制限しているのだろうか。

この上水跡に沿ってしばらく歩くが、上水跡を眺めながら散歩でき、距離はさほどないが、よい散歩道となっている。

まもなく笹塚橋に至る。

左の写真は笹塚橋から下流を撮ったものであるが、川底は水草でいっぱいである。

写真からもわかるように、この橋の下流でふたたび暗渠になる。

玉川上水は、灌漑用水、飲料水、水車の動力などのため途中のあちこちで各地に分水されており、この暗渠の始まりのところには三田用水の分水口があったという。

これより下流で玉川上水跡が開渠することはないので、上水跡の堀はこれで見納めである。

笹塚駅の周囲は渋谷区であるが、笹塚橋から下流に向かうとふたたび世田谷区に入る。

右の写真は、暗渠になった先から玉川上水緑道を撮ったものである。まっすぐに南東へ延びている。

玉川上水跡は笹塚駅に近づき、そこからふたたび南へ、南東へと、方向を変えているが、これは、笹塚駅の東側に南北に延びる谷があったのでこれを避けた結果であるという。

上記の理由から玉川上水は井の頭通り近くまで延び、そこから反転し、北側に向かう。このように谷のへりを回るようにして低地を回避している。

ここで中野通りを横断すると、渋谷区大山町である。

中野通りのわきの緑道入口に、「渋谷区立 玉川上水旧水路緑道」のパネルが立っている。緑道の呼び名が違うようであるが、「旧水路」が追加されているだけである。

この緑道に入ると、これまでの雰囲気と変わり、横にやけに広くなる。

ここから緑道は北へ、北東へと延びており、幡ヶ谷駅に向かう。

左の写真は緑道に入ってまもなくのところで撮ったものである。

緑道を進むと、橋の欄干が所々に残っており、頻繁にあらわれる。緑道もしだいに通常の幅となる。

幡ヶ谷駅前をすぎ、初台駅近くで撮ったのが右の写真である。緑道のわきに沿って水の流れがつくられており、涼しさを感じる風景となっている。

ここから高速道路に沿って新宿方面に向かうが、かなり暑いのでこのあたりでは、少々バテ気味になる。

やがて山手通りに至る。はっきりしないがここで緑道が終わりとなるようである。
(続く)

参考文献
肥留間博「玉川上水」(たましん地域文化財団)
東京23区市街図2005年版(東京地図出版)

コメント
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