ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

11月25日~12月16日 

2019-02-17 | 11~12歳
回復(1)
ときどき開眼して焦点が合うように見える。その時だけはおそらく人物の見分けもついている。しかしまだけいれん発作は度々あって、安定しない。採血では貧血と肝障害の増悪がみられる。状態は良くなっている可能性があるのに、数値は悪化している状態。おならや嘔吐もみられるようになる。

いずれ点滴ラインを抜いた時のため、投薬を内服と皮下注射へ徐々に移行しなければならない。嚥下が難しい現状では、飲み薬は口腔内の強制投薬。まだぼんやりとしているアリエスは手首まで突っ込んだ私の手を反射的に噛んだ。噛みしめる力が戻ってきたようで私は本当にうれしかったのに、歯が当たって驚いたように口を離すアリエスがいじらしくて泣けた。後になってアリエスの病状が悪化する中で、自分の指の傷が治っていくのがうらめしく、少しでも痕が残るようにと念をこめて眺めたものだった。

26日、すーっと持ち上がるように急速に意識が回復した。父ちゃんの心配していた「人格」の変化はみられず、私たちと一緒に暮らしてきた記憶をなくさずに復活したわけだが、けいれんの大きさと回数を考えると、驚きでしかなかった。黒い泥状便あり。
それまではできるだけ刺激しないため、割れものを扱うようにして接していたが、この時からはすべてのことを徐々にアリエスの意識を向けるようにおこなうようにした。静かなピアノジャズを1日中流し、体位交換もマットを持ち上げたらそっと振動を与えて知らせる。顔の清拭も再開した。

やや表情がはっきりしてきてヒンヒンと言うので、水分の経口摂取を試した。実験室なんかで使う、ノズル付きのボトルは本当に便利だった。まだ首の力がないので、口の横からノズルを差し込んで少しずつ水を入れる。飲んだ!これまでは口を洗浄した水がただ横からあふれ出てくるだけだったけど、自分で舌を動かして嚥下している。決然と良くなろうとするしぐさに、胸が熱くなる。後に父ちゃんは、この時から顔の下に敷いて使っていたマットだけは処分しないでくれと言ったほどだった。
誤嚥と窒息を避けるためにずっと横向きに寝かせていたのだが、27日にはじめて腹臥位がとれた。安心したように顎を床につけている。買ってあったハイドロケア(犬用ポカリスエット)をあげてみると、水よりこちらを好んでごくごく飲む。勢いよく出てはひっこむ舌が、生きる力をそのもののように見える。チーズ味で匂いもイマイチに感じたけど、意外にもたくさん飲むのでステンレスのアリエス用おわんに替えて飲ませた。

水分摂取が安定したら、次は食事。お腹の動きなど様子をみながら徐々に食べさせるわけだが、あまり妙案がなくて先生に相談したところ、療養食のサンプルをくれた。固めのムースのような食感で、香りもよい。初回で1個ぺろりと平らげたので、あわててネットで注文した。
回復期に何より重要なのは、必要カロリーを供給することと教わった。とにかく口に入るものは何でも食べてよい、ここで食べるのが追いつけるかが勝負と聞いて、療養食だけでなく鶏レバーを煮て濾したものや茶わん蒸し、固形食が大丈夫になってからはドッグフードなど、あの手この手で食べさせた。

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