今日の考え事〈applemint1104〉

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「天気の子」の感想

2019-10-05 23:42:56 | 映画
まだやっていたのだと知って暇が出来たので行ってみました。
まったく期待していませんでしたが、浅はかでした。
 
主人公が16歳の家出少年という、初めからツボを外されたような設定でした。が、東京の大都会に放り込まれ穂高はどんどん転がっていきます。
バイトのあてもなくたちまち食うに困る生活に。ファーストフード店でハンバーガーを奢ってくれた少女との出会い、拾ってくれたオカルトライターの圭介さん。
編集の仕事をする夏美さん、などと一緒に都会の片隅で暮らし始めます。
 
異常気象で東京はゲリラ豪雨や長雨が起こり、暗い日々です。人々は晴れを望んでいる。ファーストフード店で知り合った陽菜は、天気を晴れにする不思議な力を持っている。
その力を使い仕事を始める穂高と陽菜でした。100%の確率で荒れた天気に光を射し、空を明るくする仕事です。陽菜は晴れ女として活躍し、その能力に自信を持ち始めます。
 
穂高は、取材で「数百年前から異常気象はあり、特別な事ではない。昔は天と地を結ぶ巫女がいた」と聞きます。
陽菜はある廃墟のビルの上で偶然自分の体が天と繋がったと感じました。彼女は自分が異常気象への人柱ではないかと思うのでした。
陽菜は天に昇り消えてしまいます。陽菜を探し回る穂高。たまたま拾った拳銃を撃って警察に追われます。
警察や恩人の圭介からの逃走。そしてあの、陽菜が天と繋がったビルの屋上で穂高は力いっぱい陽菜の名を叫ぶのでした…というあらすじです。
 
幾つもの話を同時進行させ、それとはまったく質の違う人柱という伝説でファンタジーの世界へ駆け上がって行く。
すごい力量です。
とにかく絵がキレイ。東京の雨の風景、日が射してビルを染める風景、町中の何ということない風景、密集したビル群など、細密でまるで写真のようです。
そして圧巻は、上空の描写。雲が湧き大雲海になり渦を巻き流転していく。大パノラマで展開されます。
しかし散らかった話の落ちをどうつけるのかと言うと、ちゃんと最後の10分くらいで圭介がキチンと穂高に言い渡してくれます。なるほど~、こう来たかと思いました。

時間は飛び3年後です。陽菜が戻って来て人柱はいなくなったので、東京は変わってしまいました。水の中の都市となってしまったのです。
でもその責任なんて感じる必要はない、と圭介はいうのです。
ここでファンタジーは否定され、現実の世界に連れ戻されます。
 
陽菜と穂高が空の世界へ行った辺りがあまりに強烈すぎて、その後長く感じました。
ただただ映像の力とストーリーの奇抜さに圧倒されるばかりでした。エンディングロールが終わるまで誰も席を立たず、ラドウィプスの歌も最後にふさわしく心に染みました。
何故か少し泣きました。
 
後になって思ったのは、登場人物が皆カッコよかったことです。陽菜は清純でまるで天使のよう。
アニメというのは生の人間の臭みを取ってしまうのかしらね。
もう一度見たい気がしています。


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