杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

カムバック・トゥ・ハリウッド!!

2021年11月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2021年6月4日公開 アメリカ 104分 G

舞台は1970年代のハリウッド。B級映画プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)は、ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの借金が返せず大ピンチだが、起死回生の大トリックを思いつく。危険なスタント撮影で死亡事故が起きれば、保険金がガッポリ入って大儲けができる!早速ボツにしていたサイテーの脚本を引っ張り出し、老人ホームから往年のスター、デューク(トミー・リー・ジョーンズ)を担ぎ出して西部劇の撮影を開始する。ただし真の目的は、映画を絶対に完成させないこと、そして撮影中にデュークに死んでもらうこと。ところがデュークは思いの外しぶとくて、撮影は順調に進んでしまう。さあ、どうするマックス!?(公式HPより)

 

オスカー受賞の名優たちが顔を揃え、縁起合戦を繰り広げるコメディ作品です。

平均年齢78歳の煮ても焼いても食えないジジイたちのタフさと愛嬌に魅了される最高の《お達者コメディ》(公式HPより)

『尼さんは殺し屋』を上映する劇場前で、上映に反対する宗教団体のデモを前に、マックスはビジネスパートナーの甥っ子ウォルター(ザック・ブラフ)を丸め込みます。客席は閑古鳥が鳴き、メディアから酷評されているB級映画ですが、彼は現状を認めようとしないのね。内容が気になるなぁと思ったらラストでその中身が登場します。尼さん集団(若い美女)がミニスカで悪党を

アパートに帰ったマックスを待っていたのは、何かにつけて古い名画を引用する映画マニアもレジ―。貸した金(35万ドル)返せよ!!と脅迫します。とはいえ、新作がコケて返す当てなどないマックス。嫌々ながらかつての弟子で今や売れっ子プロデューサのジェームス・ムーア(エミール・ハーシュ)に泣きつきます。ムーアが出した条件はマックスが長年温めてきた『パラダイス』の脚本を譲ることでしたが、これだけは譲れないと拒否します。ウォルターの莫大な製作費がかかる『パラダイス』を作る見込みもないとの説得も手伝い、渋々ムーアとの共同制作に同意します。ムーアが押す主演俳優のピアーズに二流役者だと不満なマックスでしたが、ウォルターは憧れの大スターに会えると有頂天。撮影初日に屋上でのスタント準備中のピアーズにサインをせがみますが、よろけたピアーズがビルの屋上から落下して亡くなります。

思わぬ頓挫に内心喜んだマックスですが、事故死で巨額の保険金がムーアに入ると知り激怒すると同時にあるアイディアが浮かびます。『パラダイス』の共同制作を断る連絡を入れたマックスは、ボツにしていた最低の脚本を引っ張り出して、計画をレジーに打ち明け、資金を提供させます。監督をメーガン(ケイト・カッツマン)という未経験の若い女性を抜擢し、主演は老人ホームで見つけた自殺願望の元西部劇スターのデューク。間違いなく初日に事故で死んでくれるだろうという期待の下に撮影は開始されます。 いや、ほんと悪魔のような所業だぞ!マックス。ちなみにウォルターは何も知りません。

マックスはデュークが乗るバター・スコッチを暴走させ落馬事故に見せかけようとしますが失敗。次に炎の燃え盛る中に突っ込むシーンを演出しますが、これも失敗します。逆に凄い画が撮れるあたりが爆笑もの

吊り橋に細工して深い谷に落とそうとしても、間一髪!投げ縄で岩壁に捕まり無事生還するデューク。あの手この手で事故死させようとするマックスに対し、次々ピンチを回避していくデュークは何だか生き生きとしてきます。思惑が外れ困惑するマックスに、約束が違うと怒ったレジ―が脅しにきます。二人の会話を聞いて計画を知ったウォルターは、撮影中のフィルムを野外スクリーンに映し出して二人に見せます。その出来に感動したレジ―は矛を収め、マックスもアカデミーが狙えると確信を持ちます。真相を知らされたデュークも、マックスの励ましでラストシーンを無事撮り終わります。まぁ、自殺したかった彼が撮影で生きる希望を取り戻したというのはめでたいことですね 

そしてアカデミー授賞式当日。レッドカーペットを歩くマックスとウォルターがインタビューを受けています。ムーアの調子のよい「共同映画製作」発言はいかにもハリウッドらしいと言えますね 何故かレジ―までいるという良いのか?ギャングだぞ

バター・スコッチに乗ってやってきたデュークですが、大勢の前に出るのは苦手だと言って去っていきます。次の場面では草原を走りとある家の扉を叩く姿が・・・昔、恋人か役者人生かの分かれ道で捨てたことを後悔し続けていた「彼女」の家ですね

ハリウッドという特殊な映画業界人の話ということで、いかにもありそうなというのがミソな気がします。軽くて調子が良くて、悪辣だけど憎めないマックスというキャラが面白いし、そんな彼でも映画に対する愛情はとても深いことも伝わってきました。

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