日向夏 (著), しのとうこ (イラスト) ヒーロー文庫
壬氏が宦官ではないと知ってしまった猫猫。
後宮内で皇帝以外のまともな男がいるのはご法度、それがばれないようにどきどきする毎日を過ごす。そんな中、友人の小蘭が後宮を出て行ったあとの就職先を探していることを知る。猫猫と子翠はそんな小蘭のために伝手を作るために後宮内の大浴場に向かう。その折、気弱な四夫人里樹妃が幽霊を見たという話を聞いてそれを解決すべく動き出す。
一方、翡翠宮では玉葉妃の腹の子が逆子だとわかる。ろくな医官もいない後宮でこのまま逆子を産むことは命に関わると、猫猫は自分の養父である羅門を後宮に入れるよう提案するが新たな問題が浮上する。
後宮内で今まで起きた事件、それらに法則があることに気が付いた猫猫はそれを調べようとして――拉致される。宮廷で長年黒く濁っていた澱(おり)、それは凝り固まり国を騒がす事態を起こす。(あらすじ紹介より)
後宮内で皇帝以外のまともな男がいるのはご法度、それがばれないようにどきどきする毎日を過ごす。そんな中、友人の小蘭が後宮を出て行ったあとの就職先を探していることを知る。猫猫と子翠はそんな小蘭のために伝手を作るために後宮内の大浴場に向かう。その折、気弱な四夫人里樹妃が幽霊を見たという話を聞いてそれを解決すべく動き出す。
一方、翡翠宮では玉葉妃の腹の子が逆子だとわかる。ろくな医官もいない後宮でこのまま逆子を産むことは命に関わると、猫猫は自分の養父である羅門を後宮に入れるよう提案するが新たな問題が浮上する。
後宮内で今まで起きた事件、それらに法則があることに気が付いた猫猫はそれを調べようとして――拉致される。宮廷で長年黒く濁っていた澱(おり)、それは凝り固まり国を騒がす事態を起こす。(あらすじ紹介より)
TV放映されていたアニメを見て興味を惹かれました。
ラノベは現在15巻まで発売されているようです。先は長い😓
序話から終話の間に22話あります。
一話 湯殿
二話 赤羽
三話 踊る幽霊
四話 噂の宦官
五話 氷菓
六話 逆子
七・八話 巣食う悪意 前後編
九話 狐と狸の化かし合い
十話 足跡
十一話 狐の里
十二話 鬼灯
十三話 祭り
十四話 取引現場
十五話 砦
十六話 羅半
十七話 蠆盆
十八話 飛発(フェイファ)
十九話 行軍
二十話 奇襲作戦
二十一話 事の始まり
二十二話 狐につままれた
序話が誰の視点なのは読み進めるうちにわかってきます。
そうか~~彼女だったのか!
浴室に出るという幽霊の調査を頼まれた猫猫は壬氏 と共に湯殿へ。幽霊の正体は銅鏡の凹凸が映し出したものでした。里樹妃は鏡に映し出された亡き母親に似た姿に涙します。
里樹妃は侍女たちに虐められていますが、侍女の簪が妃から奪ったものだと気付いた壬氏は侍女たちを窘めます。
玉葉妃の赤子が逆子かもということで、猫猫の推薦で羅門が召喚されます。
かつて羅門が注意喚起した毒おしろいの張り紙が剥がされていることを疑問に思った
猫猫は、診療所の年配者である深緑を訪ねます。診療所は先帝のお手付きとなった者たちの居場所となっています。一度でも寵愛を受けたら後宮を出ることは許されない彼女たちにとって、寵を受ける妃たちは憎悪の対象で、そのため数々の妨害行為をしていたと考えた猫猫でしたが、そこに死んだはずの翠苓が現れ、子翠を人質にとって蘇りの秘薬の作り方を知りたくないかと言います。
猫猫がこの誘惑に逆らう筈もありません。拉致されていく道中、彼女は翠苓と子翠が姉妹のように仲が良いことに気付きます。実は子翠の正体は上級妃・楼蘭 で、翠苓は異母姉でした。ちなみに子翠は虫好きですが翠苓は蛇を異常に怖がります。
楼蘭の故郷の森の中の隠れ里に連れて来られた猫猫。
豊穣の神の狐神を信仰する里の祭りの様子は楽し気ですが、お面に描かれた赤と緑の色彩の違いが意味するのは子一族の遺伝的な色覚異常です。
猫猫は幽閉されますが、クソガキ・響迂の手引きで抜け出し、「里長の倉庫」で動物実験の痕跡と解体された飛発を見つけます。ところが楼蘭の母・神美に見つかってしまうのね。😟 極度に脅える翠苓の様子がこれまでの彼女とは全く違って見えます。楼蘭が猫猫は三十路を超えた薬師だと嘘をついたので、神美から「不老の妙薬」を作ることを命じられ難を逃れました。この母親がとんでもないモンスターキャラ。😖 折檻が趣味で翠苓を苛め抜き、夫の隣室で男娼に耽る彼女が望むのは不老です。でもその容貌は既に衰えているんですけどね。
響迂が猫猫を逃がそうとして見張りに見つかり、それを庇った翠苓が神美に水牢に入れられそうになって、思わず「クソババア」と言ってしまった猫猫は神美の怒りを買い蠆盆 の罰を受けることになります。でも彼女にとってはむしろ嬉しいプレゼントなわけ。子翠から貰った笄を錐に壬氏から貰った簪を小刀代わりに毒蛇を殺した上で悠々と蛇を焙って頬張る猫猫。この処刑を母に提案したのは猫猫のことを良く知っている楼蘭です。また翠苓の蛇嫌いは以前この罰を受けたからなのでした。普通の神経では耐えられないよな~~😓
一方、後宮から姿を消した猫猫を探す壬氏たちは、子昌が反乱を企んでいる証拠を握ります。愛娘を攫われ怒り狂った羅漢に罵倒される壬氏。養子の羅半の機転で呼ばれた羅門のとりなしで事なきを得ますが、羅漢は壬氏に立場をはっきりさせるよう迫ります。ここで遂に壬氏が皇弟であることが明かされます。
禁軍の指揮をとる壬氏。軍師の羅漢の奇襲作戦で砦は陥落します。羅漢自身は馬車から飛び降りた際にぎっくり腰になって途中退場ですが(^^;
反乱の無謀さは誰の目にも明らかです。楼蘭はその結末を危惧し、地下の火薬製造工場で働く者たちを逃がし火薬に火を点けます。翠苓に頼まれた見張りによって牢から助け出された猫猫が楼蘭と再会します。彼女に連れて行かれた部屋には毒を飲まされた5人の子供たちがいました。反逆者は一族郎党女子供も処刑台が待っています。
楼蘭は猫猫に子供たちを「託し」ます。(この意味はもう少し後になってわかるの。)
猫猫は壬氏に貰った簪を楼蘭に渡し「いつか返して。それ貰いものだから」と。彼女なりの願掛けですね。
禁軍の奇襲(雪崩を起こした)と火薬の爆発音に驚いた子昌ですが、外の様子を見るためには妻の部屋を通らなければならず・・・ここで彼の妻への思いが吐露され、腹黒狸キャラの彼の意外な素顔が明かされます。
そこに現れた楼蘭は母に毅然とした態度を示し、棚に縛られ閉じ込められていた翠苓を助け出し、父には責任を持つよう促します。
覚悟を決めた子昌は、最期まで悪役を演じきって息絶えます。
楼蘭によって神美と引き合わされた壬氏 。楼蘭は神美の知らなかった真実を語ります。
かつて神美の父が禁止されていた奴隷交易で女帝に目をつけられ、娘の神美が人質として後宮に入れられたのです。子昌は婚約者を取り戻そうと、奴隷交易に代わる事業として後宮拡大を提言しました。後宮に抜け穴を作って神美を逃がそうとすらしましたが、想いは最後まで届かなかったのです。先帝から侍女との間に設けた娘を娶るよう頼まれ断れなかった子昌でしたが、神美の方は自分が後宮にいる間に妻子をもうけていた子昌を恨み憎悪し、翠苓とその母を虐め抜いてきたのですね。
楼蘭の挑発にキレた神美は飛発の暴発で命を落とします。これも楼蘭が仕組んだことでした。モンスターな母親ですが、それでも彼女なりに母を愛してはいたのですね。
楼蘭は壬氏 に重要な情報と引き換えに二つ頼み事をします。
一度死んだ者は見逃すことを了承した壬氏は二つめも甘んじて受けるのです。それは母が憎んでいたその美しい顔を傷つけることでした。
皇弟・壬氏を傷つけたことで撃たれた楼蘭は砦の屋上から落ちていきます。
馬車の中、死んだ子供たちと共に眠る猫猫を訪ねた壬氏。その傷を見た猫猫との会話で抑えきれなくなった彼が迫ろうとした時、物音が!子供たちが飲まされたのは甦りの薬だったのね。猫猫が攫われた理由はこのためだったのです。そして一度「死んだ」子供たち(翠苓も)は見逃すと壬氏は約束しています。全ては楼蘭が仕組んでいたわけで、その聡明さ凄すぎ!
その後、玉葉妃 が無事皇子を出産したことでお役御免となった猫猫は花街に戻り、薬の後遺症で記憶を亡くした響迂(趙迂 と名を変えています)と緑青館 で暮らしています。他の子供たちと翠苓は、阿多が引き取って南の離宮で匿われています。
子の一族は処刑されましたが楼蘭の遺体は見つかっていません。
花街にやってきた壬氏は、猫猫に約束の履行を迫ります。簪の行方に呆れながらも納得してしまうの彼が可愛いぞ。結局彼は猫猫の首に噛みつくのですが、それってディープキスの変形かい!もっといい雰囲気になりそうなところで趙迂に邪魔されるのは今後もお約束になりそうな…扉の隙間から覗いている遣り手婆と高順も面白すぎ😁
それでも猫猫の膝枕はGETした壬氏様なのでした💛
終話では都から遠く離れた港町 での露天商と娘の会話が登場します。
玉藻と名乗る娘が交換を持ち掛けた簪には穿ったような跡が。これってあの簪ですよね!やっぱり生きていたんだ~楼蘭。彼女は海の向こうに興味があるようで、また違った舞台で再登場するのかな。そして簪は巡り巡って再び猫猫の元に戻るんだろうな。😀