杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

マイ・ダディ

2022年04月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2021年9月23日公開 116分 G

御堂一男(ムロツヨシ)は、中学生の娘・ひかり(中田乃愛)と2人暮らし。最愛の妻・江津子(奈緒)は8年前に他界。一男は小さな教会の牧師をしながら、ガソリンスタンドでアルバイトに励みつつ、ひかりを男手ひとつで育てている。思春期に突入したひかりはちょっぴり反抗的な時もあるが、優しくて面白いお父さんのことが大好き。牧師として多くの人に慕われ、たまに娘と些細な喧嘩をしながらも、2人の穏やかで幸せな日々は続いていく……と思っていた、ある日、突然ひかりが倒れてしまう。病院で下された診断は“白血病”。混乱し事実が受け入れられない一男だったが、担当医師からある衝撃的な事実を告げられる。なんと、愛する娘は、自分の実の子ではなかった。ひかりに適合するドナーは「数百万人に一人」という残酷な現実が一男をうちのめすが、「血縁者は適合率が上がる」という事実に気付いた一男は、ある思い切った行動に出る……。(公式HPより)

 

愛する娘を救おうと奔走する父親の姿を描いたヒューマンドラマでムロツヨシの映画初主演作品。主題歌はドリームバンド<カーリングシトーンズ>の「それは愛なんだぜ!」

娘が病に倒れたことで、実の親子ではなかったという事実が判明します。主人公は牧師なので、一般人より受容性は高いとも言えますが、愛する娘が病魔に冒された悲劇と血が繋がっていないという事実に押しつぶされそうになり、亡き妻が自分を裏切っていたのではないか、自分は愛されていなかったのではないかという疑念に苦しむ姿は、信仰心があってもその辺の父親と変わりません。それでも神を呪うことはせず、ひたすら祈りを捧げるあたりがやはり牧師なのかも。

泣ける映画だと思ったので敢えて劇場鑑賞は避けましたが・・・唯一もらい泣きしそうになったのは、見舞いに来ていたひかりのBFが骨髄移植のドナーが見つかったと言う一男の言葉を聞いて泣き出したシーンだったという 展開事態はよくある設定だしなぁ。

なぜ一男の実子ではなかったかの疑問は、劇中の回想シーンで明かされています。本当の父親は・・・クズだよなぁ~~

芽の出ないストリートミュージシャンと同棲していた江津子が、彼の浮気現場を目撃し飛び出した先が一男の教会。男は彼女に自分は子供を作れない体だと嘘を付いていたわけで、そうとは知らない彼女は妊娠を一男の子と信じていたのですが、ある日、娘とそっくりの子を連れた男と再会し、事実に気付くの。動揺した彼女は夫の真実を告げようとした矢先に事故死したという

探偵(小栗旬)・・・これがいかにも胡散臭い雰囲気で小汚いの・・・を雇って男を突き止めた一男は、彼の食堂(ミュージシャンの夢はとっくに諦めていたのね)で、亡き妻のレシピと同じ「ちくわカレー」を食べ、丁度帰ってきた彼の娘がひかりとよく似ていることに気付きます。彼が実の父親だと確信した一男は、男が一人の時に声をかけ、ひかりのためになりふり構わず検査を頼むのですが、今の家庭を壊したくない男は拒否します。それでも諦められず、食堂にやってきて懇願する一男を尚拒否しようとしる男に、彼の妻がとった行動は、同じ年頃の娘を持つ母としてごく当たり前の反応だと思いました。彼女があの時の浮気相手だったかどうかは俳優の顔の識別がイマイチな私には判断できなかったのですが、そうだとしたら、事情は察することができたのかも。そうではなくとも母親の心情としては理解できますが。

クズなままかと思ったら、検査の結果ドナー適合した男は、ちゃんと骨髄を提供するんですね。そしてこっそりひかりの病室をのぞき込む姿に、彼の良心を見た気がしました。

ひかりは、子供の頃に一度会った男に対する母の動揺を見て不信感と警戒心を抱いたことを覚えていました。一男の様子と、病室の廊下で会った男を結びつけ、ドナーは誰かと一男に詰問します。正直に自分の思いを伝える父親に、娘は「お母さんは確かにお父さんを愛していた」と訴えます。一男が恐れていたのは、妻の浮気ではなく、自分は愛されていなかったのではないかということでしたから、ひかりの言葉に救われるんですね。

移植は成功し、江津子との思い出のイースターの日がやってきます。元気になったひかりを伴い、一男は教会に集った人たちの前で感謝の言葉を述べ、BFと楽しそうにしている娘を温かく見守るのでした。

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