杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

家族はつらいよ2

2017年05月29日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2017年5月27日公開 113分

周造(橋爪功)はマイカーでの外出をささやかな楽しみにしていたが、車に凹み傷が目立ち始めたことから高齢者の危険運転を心配した家族は、周造から運転免許を返上させようと画策する。しかし、頑固オヤジの周造を説得するイヤな役回りを互いになすりつけ合う家族たちの心を見透かした周造は大激怒。平田家は不穏な空気に包まれてしまう。そんなある日、富子(吉行和子)が旅行に出かけることになり、束の間の独身貴族を楽しもうと、お気に入りの居酒屋の女将かよ(風吹じゅん)を乗せて昼食に向かった周造は、途中で高校時代の同級生・丸山(小林稔侍)と意外なかたちで再会を果たすが、直後に交通事故を起こしてしまう。いよいよ免許を返上させねばと、家族会議が開かれることになり、召集された平田家の兄妹夫婦たち。しかし前日に周造が家に泊めていた丸田が息を引き取っていたためまたまた大騒動となり・・・。


前作では熟年離婚をめぐって大騒動を繰り広げた平田家ですが、あれから数年後の今回は何と死人が!!

といっても平田家の家族の誰かではなく、周造の高校時代の同級生だった丸田。偶然工事現場の交通整理をしている彼と再会した周造は、不遇な丸田のために同級生を集めて励まします。大いに酒を酌み交わして泥酔し、家に連れてきて泊めますが、何とその翌朝、丸田は昇天していたのだからさあ大変!

平穏な住宅街に救急車とパトカーのサイレンが鳴り響き、近所の奥さんたちは何事かと集まり、刑事は来るわ、こうなるとは夢にも思わず頼んでいた鰻重の出前は来るわ(たしか前作でも出前頼んでいたっけね)で大騒ぎになるの。 家で人が亡くなると検視やらなにやらでけっこう大変なことになるんですよね~~

家業に失敗し、妻子に逃げられ、独居のわびしい暮らしをしていた丸田にとって、前夜の周造たちとの集まりは本当に久々の楽しい会だったこと、かよの店で大好物の銀杏を頬張り、周造の部屋で富子の写真に嬉しそうに感謝の気持ちを語り掛ける姿を見ると、突然死は悲しいことですが、丸田にとって人生で最高最期の幸せな夜だったのだなぁ、良かったねぇと思えてしまうのです。

西村雅彦、夏川結衣・中嶋朋子・林家正蔵・妻夫木聡、蒼井優ら前作のキャストが勢揃いしています。物語の前半はクスクス、ゲラゲラの笑いが絶えない喜劇ですが、丸田の死の前後はしみじみ、うるうるな人情劇です。そして丸田の葬式に平田家の面々が集合してからは、悲しいながらもまたまた笑い処が散りばめられていて、まさに山田洋次監督ワールド全開といった作品です。刑事役の劇団ひとりもなかなかいい味出してました 棺の中に大好物の銀杏を大量に入れる場面では、その後の展開が読めてしまって笑いがこみ上げてきちゃいました。案の定、派手な葬送曲が・・・その場面に鶴瓶師匠が火葬場職員役で登場しています

頑固親父に閉口しながらも、しっかり父親を立てる息子や娘夫婦が素敵です。口を開けば喧嘩になるけれど、互いを思いやる温かさがあるし、最終的には一致団結できちゃうしね 今回富子はオーロラ観光で不在でしたが、自分のベッドで人が亡くなったことを知ったらショック受けそうとついつい余計な想像をしてしまいました

物語のもう一つの軸である高齢者の運転免許返上問題。坂の上に建つ平田家は駅から20分?車がないと趣味の釣りもゴルフも不便だし、何より気ままに外出できなくなるので周造の気持ちもわかるのですが、凸凹で傷付いた車体を見ると、やっぱり家族は不安&怖いですね~~ 高速道を逆走されては一大事だし、人身事故の賠償責任とかも・・ 今回この問題の決着は持ち越しなのですが、はてさて、どうなることやら 猫の首に鈴をつける役回りを押し付け合う様など、「あるある~」と思いながらも笑いが止まりませんでした。

学校の運動会シーズンとあって、今日は代休だったのか、シネコンロビーは子供連れで大賑わい。さすがにこの作品目当てではなかろうと思ってたら、確かに子連れは皆無だったのですが、反対に熟年層で大盛況の劇場でした。夫婦で来ている人も多かったな~個人的には「寅さん」や「釣りバカ」より好き シリーズ化して頂き、続編も観たいものです。


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