杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

身代わり忠臣蔵

2024年02月14日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2024年2月9日公開 119分 G

嫌われ者の旗本・吉良上野介からの陰湿ないじめに耐えかねた赤穂藩主・浅野内匠頭(尾上右近)が、江戸城内で吉良(ムロツヨシ)に斬りかかった。赤穂藩主は当然切腹となったが、実は斬られた吉良も逃げ傷で瀕死の状態に陥っていた。逃げて死んだとなれば武士の恥、お家取り潰しも免れない。そこで吉良家家臣の提案により、上野介にそっくりな弟・孝証(ムロツヨシ二役)を身代わりにして幕府を騙し抜こうという前代未聞の作戦が実行されることに。一方、切腹した赤穂藩主の部下・大石内蔵助(永山瑛太)は、仇討ちの機会をうかがっているように見えたが……。

時代劇「忠臣蔵」をベースに「身代わり」という設定を加えてコミカルに描いた土橋章宏の同名小説を、ムロツヨシ主演で映画化。原作者・土橋章宏が自ら脚本を手がけ、河合勇人監督がメガホンをとった。(映画.comより)

ナレーションは森七菜が務めています。
吉良家の末子の孝証(たかあき)は、出家したものの途中で投げ出したなまぐさ坊主でその日の食べ物にも困るありさま。(武家は跡継ぎの長男以外は無用の存在なのね)実家に度々無心に訪れては邪険にされていましたが、兄が逃げ傷の重傷を負い、お家滅亡の危機に瀕したことから、顔が瓜二つの彼に白羽の矢が立ちます。上野介の側近・斎藤宮内(林遣都)が用意した110両に目が眩んで渋々身代わりを引き受けた孝証は、側用人の柳沢吉保(柄本明)に対面して何とか誤魔化すことに成功しますが、兄が亡くなってしまったため、更に1000両を積まれて身代わりを続行することになるのです。😁 

側近の斎藤は長年上野介からパワハラを受け続けたためか思いっきりM気質です。孝証の濡れ包帯プレーに嬉々として応じる様は爆笑もの。吉良家の剣客・清水一学(寛一郎)も頭のねじがぶっ飛んでるヤバい奴キャラでした。
一応「主」なのだから、家臣の前で飛び蹴り食らわしたり頭をはたいたりはダメじゃん😓 

女遊びにうつつを抜かしているように見える大石ですが、若い藩主を刃傷沙汰に走らせてしまった責任を感じ自分を責め、更に家臣から吉良家討ち入りの決断を迫られお家再興との板挟みに悩むあまり円形脱毛症に・・・っておぃ!!
その大石と孝証が吉原で出会い、意気投合するんですね。😁 (以前大川で溺れていた孝証は大石に助けられていました。)高尾太夫(橋本マナミ)、春凪(加藤小夏)とのシーンはちょっとした息抜きタイムかしらん😊 
上野介は傲慢尊大な超嫌な奴キャラですが、孝証は性格が真逆の優しいキャラです。
初めのうちこそ金に釣られて嫌々引き受けた当主役でしたが、内蔵助から上に立つ者の心構えを聞かされたことで心境に変化が生じていきます。

吉良邸の侍女・桔梗(川口春奈)は兄から邪険にされていた孝証に飯を差し入れてくれた優しい女性です。孝証が上野介に成り代わっていることは知らない筈でしたが、彼の優しい振る舞いに徐々に孝証だと気付きながらも黙っていました。
ま、そりゃそうだよな~~!これまでの「殿」とはまるで人が変わった振る舞いだものね。(実際変わっているわけだし😜

柳沢吉保は、吉良邸を本所に移すよう命じた上で大石のお家再興の嘆願書を握りつぶします。吉良を囮にして討ち入りしてきた赤穂浪士たちを一網打尽にしようという腹です。
孝証は大石と会い、自分の身分を明かした上で、彼に討ち入りを断念するよう迫ります。しかし大石の決意が固いと知ると、双方の犠牲者を出さないよう自分の首を差し出すと告げます。彼は「家臣=家族」を守るために自分を犠牲にする覚悟を決めたのです。

自ら邸の見取り図を大石に見せ、討ち入りの日時を指定した孝証は、その日を静かに待ちます。
討ち入り当夜、庭に引き出された孝証の首に刀が振り下ろされる刹那、酔い潰しておいた筈の清水一学が駆けつけ・・・部屋の抜け道から炭小屋に出た孝証を大石が追ってきて再び刀を振り上げます。

討ち取った「首」を手に粛々と進む赤穂浪士の列に首を取り戻そうと追ってきた吉良家の面々が襲いかかります。さながらラグビーのようにボールならぬ「首」を取り合う中、布から零れ落ちた首は上野介本人のもの。実は斎藤が上野介の遺体を「塩漬け」にしていて、それを小屋で見つけた大石が討ち取っていたのでした。

赤穂浪士は打ち首と主張する柳澤でしたが、仇討ちに対する庶民の評価を鑑みた徳川綱吉(北村一輝)に「これ以上恥をかかすな」と言われて引き下がることに。打ち首は罪人に対する刑ですが、切腹は武士の誇りを守った沙汰というわけですね。

大石の墓で読経する孝証に声をかける桔梗。この二人、結局くっつきそうでそうじゃなさそうな・・・。

基本コメディですが、大石と妻のりく(野波麻帆)の会話に夫婦の情愛が感じ、家臣の行く末を真剣に案じ苦悩する姿に胸が痛くなりました。
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