杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

2020年12月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年1月31日公開 アメリカ 131分 G

世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の85歳の誕生日パーティーが彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが遺体となって発見される。依頼を受けた名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、事件の調査を進めていく。莫大な資産を抱えるハーランの子どもたちとその家族、家政婦、専属看護師のマルタ(アナ・デ・アルマス)と、屋敷にいた全員が事件の第一容疑者となったことから、裕福な家族の裏側に隠れたさまざまな人間関係があぶりだされていく。(映画.comより)

 

監督は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソンで、“ミステリーの女王”アガサ・クリスティーに捧げた100%オリジナル脚本なのだそう。富豪作家の死の真相と犯人の動機を解き明かすのはダニエル・クレイグ演じる名探偵ブラン。

ハーランドは世界的ミステリー作家であると同時に大富豪でもあります。その彼が遺体で発見されるのですが、捜査を担当するエリオット警部補(キース・スタンフィールド)やワグナー巡査(ノア・セガン)は自殺と判断している様子。前夜にパーティに集まった家族と看護師のマルタや家政婦で第一発見者のフラン(エディ・パターソン)を集めて聞き取りをする場には何故か探偵のブランの姿が。彼は前日に匿名の人物から依頼を受けたと話します。

登場人物=容疑者を整理すると以下の通り

ハーランの長女で不動産経営者のリンダ(ジェイミー・リー・カーティス)と夫のリチャード(ドン・ジョンソン)、息子のランサム(クリス・エヴァンス)は一族の問題児です。リンダは自らの力で会社を成功させたと自負していますが、その元手は父親のお金です。夫は浮気してるし、息子はトラブルを引き起こす放蕩者。

亡き長男ニールの妻でライフスタイル提案型化粧品会社の経営者のジョニ(トニ・コレット)は、娘のメグ(キャサリン・ラングフォード)の大学の学費をハーランの目を盗んで二重に巻き上げています。

次男のウォルト(マイケル・シャノン)はハーランドの出版社を経営していますが自分では何も成していません。その妻ドナ(リキ・リンドホーム)と息子のジェイコブ(ジェイデン・マーテル)。ジェイコブは根暗のオタクらしい

誰も彼女の年齢を把握していないハーランの母親のグレート・ナナ・ワネッタ(K・カラン)。(彼女は高齢過ぎて容疑の対象からは外れますね

それにマルタとフランですね。

この聞き取りの中で、犯人らしき人物の回想から、すでにハーランの死因は明かされています。でもこれって巧みなミスリードなんですね

この人が犯人なら犯罪として成立しないのではという思いと、ブランなら容易に見破っているのではという疑問を抱きつつ観ていくと、ハーランの全ての財産と権利をマルタに譲るという遺言がスロンビー家の弁護士のアラン(フランク・オズ)から発表されます。

ここで、動機の点から犯人像が揺らいできます。

さて、寝耳に水で困惑しているマルタをよそに、一族の本音が露出するシーンはまさに醜悪。上品ぶっているリンダのなりふり構わない悪口雑言に、マルタの友人でもあるメグですら、一族に強要されてマルタに辞退を迫ってきます。大金が絡むと本性がばれるのね~

更に、脅迫状まで登場し、秘密を握ったフランにも魔手が

最早これまでと自白しようとした人物をブランが止めます。だって真犯人は別にいることに彼は気付いたから

まぁ、最初に犯人と思わされた人が違うとなれば、おのずと真犯人は特定されてきますが、ヒントとなったのはハーランの老いた母だったりするのが面白いところです。あのセリフが伏線になっていたとはね~

取り調べの時に家族それぞれが座った椅子の後ろの沢山のナイフをあしらった装飾も山場での重要な小道具になっていました。

まさかあれがオモチャだったとは たまたまその一つがそうだったのか全部なのかはわからなかったけれど。

結局聡明で優しいその性格が彼女自身を救ったのですね


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