シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

自分のカラダに閉じこめられる?!「潜水服は蝶の夢を見る」

2010-01-09 21:14:49 | Weblog
年末ぎりぎりにレンタルで鑑賞
anupmaにとっての昨年のトップ10ムービーにすべりこんだ「潜水服は蝶の夢を見る」





ファッション雑誌、「elle」のやり手編集長だった主人公は、脳の血管系の病気で、ある日突然倒れる

意識が戻ったときには、全身が麻痺硬直、言葉を失っていた

でも、感情はバッチリあって、付き添ってくれる美しい看護士や療法士の胸にチラチラ目がいったりする

で~も~~~まったく話ができない
話ができないどころではなく、自分の意思で頭ひとつ動かすこともできない

自分のカラダの中に自分が閉じ込められた人間のお話だ

これは主人公が実在の人間で、外界とコンタクトする唯一の方法によって自伝的な本を出版したのだそうだ

すご~~くヘビーな話なんだけど、どっかしら「乾いた」語り口と、主人公の中に残っている「色」の部分で、何となくスカっとした作品になっている

でも、しんどいよね~
愛する子供たちが見舞いに来ても、自ら手を伸ばして触れることもできない、抱きしめることもできない

麻痺でゆがんでしまった口元からでるヨダレを長男がふいてくれたりするのが、なんとも切ない





そして、なんといっても
この作品ですごく素晴らしいのが
マックス・フォン・シドー爺ですね





主人公のパパ役なんだけど、動けなくなってしまった息子への電話のシーンは落涙

カラダって自分のものなんだけど、ある日突然暴走し、自分自身の意思の支配下に置けなくなることがきたりする

自分のカラだの中に閉じこめられる話で、最も苦痛を感じさせるのが
「ジョニーは戦場へ行った」
かな



これは病気でもなんでもなく
戦争によって手も足も顔も失い、
すべての動きを封じ込められ、
しかも意思や感情があることすら気づいてもらえず、
肉の塊として命をつないでいた青年の話ですね

人の置かれる状況を単純に比較はできないけれど
本作の主人公はたくさんの人々の「思いやる気持ち」に囲まれ、
ジョニーよりずっと幸せだったのではないだろか?って思いました


シネマトリックス別館★ぬいばか」もよろちく!