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シアトルのダウンタウンからライトレールに乗って約15分
「Rainier Beach(レイニアビーチ)」という玩具の国のような小さな駅で降りたら
大きな道路を突っ切って進み
草原の間の「Chief Sealth Trail」という小道をどんどん上りましょう。
舗装はされていませんから、靴に泥がたくさんつきますが(笑)。
静まり返る古い木の家々の間もずんずん歩きましょう。
「Kubota Garden」の標識通りに進めば迷うことはありません。
気づけば、「窪田 KUBOTA GARDEN」と刻まれた石碑の前に立っています。
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そのすぐ横に立つのが、ガーデンへと入る美しい門です。
入場券売り場やら、案内所やらはありません。
すーっと入って、時計回りに一回りして
好きなところでゆっくりとして
また出口からすーっと出ればいいのです。
見張り人も案内人もおらず
入り口以外には説明文すらない静かな静かなガーデンを
自分流にすーっと歩けばよいのです。
私たちが行った昨日は、一組の男女と出会っただけでした。
このガーデン、学んだことをざっとお話しすれば
1879年に高知県に生まれ
1907年、28歳でアメリカに移民したクボタ・フジタロウさんが
1923年、造園会社を設立し
1927年、5エーカー(約2万平米)の沼地を購入し
1930年代に「日本庭園」を完成させました。
1962年には山が盛られ
1970年代には橋が架けられ
1972年、日本政府から日本庭園の造園と紹介に対してクボタ氏に勳五等瑞宝章が与えられました。
けれども、その間には第二次世界大戦がありました。
クボタ氏は収容所に抑留され、4年もの間、庭園は荒れ放題だったといいます。
クボタ氏が亡くなったのは94歳、1973年のことでした。
お亡くなりになるまでずっと庭園の手入れを続けられたということです。
5エーカーから始まって、最後には20エーカー(約8.1万平米)にまで広がった「クボタガーデン」は、今ではシアトル市公園局とクボタガーデン財団によって運営されています。自由に入れるぐらいですから、入場料はありません。
ガーデンを歩いていると、どこにいても水のせせらぎが聞こえてきます。
静謐の中の水音は心を落ち着かせ
冬の抑えた色彩の中で
一歩ごとに心が無になって
自分が、木々や葉や花や水の一部になっていくように感じます。
「East-meets-West aesthetic」(東と西が出会う美学)とも呼ばれるこのガーデンは、
今、造園、種苗、運営、寄付金集め、事務、会計、コンピューターグラフィック、広報、木工、ツアーガイドの分野でボランティアを求めています。つまり100年以上も前に太平洋を越えたひとりの日本人が成した業績を、幾世代にもわたって伝え、残し、守って行こうと思う人たちがここシアトルにいるということなのです。
Kubota Garden
9817 55th Ave. S.
年中無休(ただし夜間以外)、入園無料
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読んでくださってありがとうございました。
どうぞ良い一日をお過ごしくださいね。
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