月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ある日 お盆休みのいちにち

2020-12-05 00:14:00 | コロナ禍日記 2020

 

 

8月13日(木曜日)

朝7時。ヨガ、瞑想のあとで、1時間だけ執筆。

 

シャワーをあびて車に乗り込み、パパさんの運転で実家のお墓参りへいく。

途中、お墓に供える花を買うために篠山の味土館へ立ち寄った。大勢の人でごった返すなか、おくらやかぼちゃなどの野菜、桃1箱(8個入)、小菊(白と黄色、小豆色)、ケイトウなどの花を買う。

 

 

お墓についたのは、11時をまわっていて、太陽が背中をじりじりと焼き付ける暑さ。見上げると空は、秋の海のように高いところから見守ってくれる表情をしていた。雲も。強い日差しに照らされて、普段の3倍ほどに厚みがあった。

 

墓地からの眺めは最高である。国道には車の往来があり、小学校の校庭であそんでいる子供たちが、野球をしていたり、並んで話を聞いていたり、遊具で遊ぶ子供たちなど、ちゃんとみえる。妙見山の山々が扇のように四方を囲んでいた。

 

石碑を水で流して、たっぷりの水をもらい、花立てに花を分け入れて、線香をたむける。石を磨いたら、もうすることはない。手を合わせて簡単に報告をし、ありがとうと感謝を言う。

 

母の家に立ち寄ったら、コロナでパーマをかけてないからといって、髪を後ろで縛っていて、いつもより老けてみえた。背中がまるく小さい。腰がまがったのかな。やはりどこか自分と似ていると思った。マスクをして短い間、話しただけだが、変わらない母の存在があってよかった。ことしで88歳。

 

 

3時に家を訪れて5時には家を出る。短か! だが気持ちは爽やか。

7時にはかえって、雑誌の提出記事を書く予定だったが、母に会えたことで、夏休みっぽい気持ちになってしまい、駅前に車を預けて、三田のイタリアンレストランへ。

 

「ACCADI 」(アッカディ)だ。はじめて訪れたのに、まあ当たりだった。

ハイチェアから、ワインを頂く(カウンター席)。シェフの手の動きをみながら、メニューをえらぶ。モッツァレラとトマトのカプレーゼ。自家製オイルサーディンをつまみにロゼのスパークリングワインを飲む。












こういったちょこちょこっとした、おいしい前菜でワインを飲むひとときが実は一番好きかもしれない。

海の幸のトマトソース、こちらにはボルドーの赤ワインをあわせる。

オーガニックなので、舌の上で少し遊ばせて喉から胃に流し込んでも、いやな薬っぽさが両端の内頬からのぼってこない。ふくよかな果実味がタンニンの味わいとともに、エレガントに広がる。

 

ものすごく上機嫌になっていくのがわかる。べらべらと、おしゃべりをはじめる。


結局はかえってからは仕事にならなかった。よい一日だった。一日の終わりをこんなふうに過ごせるなんて、久しぶりに私らしい、夏休み。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿