黄昏オーディオ

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すまい

2010-03-19 12:59:45 | 書籍・読書
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吉祥寺で49㎡の築三十五年の老朽マンションを500万で購入し、200万円でロンドン風の住居にリフォームする奮闘記という感じでしょうか。私はあまりブリティッシュスタイルにあこがれもありませんので、井形さんの著書を読んでいると、そ~んなにイギリスが好きならイギリスの子になっちゃいなさい。なんて突っ込みを入れたくなることがありますが、この本では、住まいに関する矛盾という視点では共感するところが多く、なるほどと思うところも多々がありました。
ちょっと気になったところを抜粋。

(すまいに関するシンポジウムに有識者と参加して)日本における豊かな住まいとは、まず、全国に数あまたある公営住宅の活用と、空き家の掘り起こしに他ならないと思ってい た。だが、専門家と呼ばれる人達は、エコ住宅をいかに開発するかを論じたり、狭小地の活用法や屋上緑化など、この不況と考え合わせると、一般庶民とかけ離 れたものが多い気がした。

高齢者の多くが不動産を持っているにも拘らず、総じて所得は低い。古い持ち家はお金を生まず、ストックになったまま凍結さ れる。このような「ハウスリッチ・キャッシュプア」
(福祉資金貸付制度 :住居を担保に自治体が生活費を融資、死後に住居を売却して清算)

持ち家率61.2%の日本で、2008年、全国の空き屋数はなんと756万戸 に達し、過去最高を記録した。その主たる原因が一人暮らしの高齢世帯が増えて、病院や施設に入居するため、空き家が激増しているというのだ。

幸せの象徴である一軒家の終着駅が、人の住まない空き家だとすれば、新築一戸 建てへの夢と現実のギャップを、どう考えたらいいのだろう。


世田谷でも、戸建てにひっそり暮らすご老人の姿が多く見受けられます。2階の部屋にはほとんど上ることも無くなったのかり、ほとんどの部屋の雨戸を閉じたままになっている。そんなお宅が目に付きます。
実際に日本統計年鑑を見てみると、平成20年の住宅戸数は57,593,000戸、それに対し世帯数は49,989,000世帯。
地方が過疎化して空き家が増えているのかといえば、東京だけで見ても6,785,000戸の住宅に対し、世帯は5,990,000世帯と東京だけでも785,000戸もの空き家があるということです。最も、世帯の方が住居より多ければ、野宿する人であふれている状態になってしまうわけですが、これだけの空き家があるというのは、勿体無い話です。
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老朽マンションの奇跡
井形 慶子
新潮社