ブログランキング参加中です。この一週間ほど1位をキープしていましたが、またもや二位に陥落…。よろしければ、
にほんブログ村をクリックをよろしくお願いいたします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/0e/11dc0872fc9c4a268ff3b42a26167068.jpg)
久しぶりのオーディオねたです。ファイルフェブで募集されていた
日東紡音響の新試聴室見学ツアーに参加してきました。抽選で選ばれた参加者は12名。これに対して音元出版の方々や日東音響の研究員の方々を合わせると主催者側もほぼ同数の10名程度という贅沢な企画です。秋葉原の集合場所からバスに揺られること一時間半ほどで、千葉市内の第2音響研究所に到着。同社の
AGS(柱状拡散吸音システム)の解説を中心にシュミレーション解析などを見ながらのプレゼンテーションを受け、2班に6人づつ分かれての見学です。まずは、この10月にオープンしたばかりというAGSを導入したリスニングルームの体験です。面積53.6平米(およそ32畳)天井高さ3.6mの部屋の中央に設けられた6席に座っての試聴タイム。一曲目は
ラ・カンパネラ。最初はまずは黒の厚手のカーテンを閉じての演奏。ヘッドフォーンで聴いている感じがしないでもないが、別にこれで良いんじゃないのという感じ。次にAGS効果をコンシューマ用の製品として売り出した
“Sylvan”を2本をスピーカー脇に置いてもう一度。
部屋の大きさに対しては余りに小さなこの製品、さほど変化無いのではという予想に反して、中高域の響きが豊かになって、なかなかやるじゃん。もっともカーテンで覆っているだけなので、低域に関しては部屋の処理が済んでいる状態に中高域に効果を加えるということで、当然の結果かもしれません。で、次はSylvanをはずして、カーテンを開け放ってのこの部屋本来の環境での試聴です。
音が出た瞬間、あれれ、黒っぽい丸い棒で囲われた空間が、明るめの木地色の壁面、そうあたかもホール壁面になったような錯覚を受けました。録音された空間を視覚的にも再現してしまった感じです。この後、ジャズやピアノ(オスカーピーターソン・トリオ)協奏曲(チャイコフスキー、ヴァイオリン協奏曲、ムター)でも同様にカーテンを閉めたり、空けたりしての比較試聴を繰り返します。それぞれやはり録音されている環境を、すっかり持ってきたかのような錯覚を覚えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/1a/28bbf01a7d00052b72763955d209890e.jpg)
壁面の仕掛けとしては、60cmの厚みを使って、奥から手前に向けて、順に細い円柱状の棒を配して、さまざまな周波数の音が違った反射を繰り返すことによって、部屋の定在波を解消して、適切な響きと豊かな音場感を再現をするといったものだそうです。
手前は集製材の木製ですが、奥のほうはボイド管のような質感で、中には吸音材で無く共振を防ぐためになにやら充填されているようです。
開発者とのいくつかのQ&A
Q.壁面の腰部分や天井の接地面はなぜ通常の仕上げなのか。
A.コーナーの音圧が高くなる部分については吸音効果の在る仕上げになっています。
Q.方形の形状ではなく、面積が狭くなっても変形の形状を採用した理由は?
A.ステレオのみならずサラウンド再現を念頭に設計。音源と壁面の距離をある程度整合性をとるため、また躯体制限から方形にした場合正方形に近い形状になってしまうため。
Q.天井の細工は何かありますか。
A.床面の反射があるので、基本吸音構造。天井についての拡散については次の展開として考えているとのこと。
なるほど将来部屋を作る時に役立ちそうなノウハウをいくつかいただけました。
よ~し、いつかは部屋を作るぞ。
その後持ち込みディスクを掛けて頂きました。
アコースティックなものはおそらく用意されているだろうということで、打ち込み系J-Popsからの選択で、
辛島美登里/SNOWDROPからオフコースの言葉にできないのカバーです。
低域の表現を確認しようと持ち込みました。低域に関しては、左右の広がりがスーッと広がる感じで、低い周波数の帯域まで空間表現されています。ただ、予想以上にヴォーカルの表現が違います。なんかマイクに向かう彼女の顔が大画面に再現されているような感覚で、ちょっと生々しすぎるぐらいの感じです。口が大きくとかという表現ではなく映像として大画面に歌う彼女の姿が展開されるような感覚を受けました。
まあ、録音スタジオやテレビ局の調整室に採用されるためのいわば生産工場のシステムを、いわば消費だけに使ってみるという贅沢な試聴環境ですから、凄いのは当たり前かもしれません。ただ、私はこの部屋が自宅に欲しいかというと(当然無理な話なんですが宝くじが何本か当たったと仮定して…)それはちょっというのが正直なところ…。というのも、これじゃ~部屋に何も飾れませんw。
それに、本を読みながらとか、ほかの事をしながらのながら聴きも多いので、
これほどまでのピュアーオーディオ空間が必要かどうかというと、やはりもう少し通常の居住空間としての要素が欲しくなりますね。まあそうしたことを想定しての、“Sylvan”が製品化されたのでしょうね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9c/24e04815eefa21ac18dfdecbe36a1fb7.jpg)
リスニングルームでの試聴を終えると、近くの研究所までバスで移動。今度は産業目的の無響室や残響室を体験するというものです。
まずは、残響室。コンクリートの壁面に天井からは、テンションをかけて曲面に変形させた透明のアクリル板がいたるところに吊り下げられています。安全対策でヘルメットをしての入室です。残響音が帯域にもよりますが5秒以上ということで、ここで聴く音楽は定位があいまいになって、部屋のどこでも同じように聴こえるという感じです。しかし、この天井細工、ちょっとだけ流用できないかと密かに…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/73/2693c73f4295c20e39eff6dff0eabbfc.jpg)
つづいて、無響室体験。間接音の無い空間は異様ですね。まっすぐ向いていないとほとんど声が聞こえなくなるような感じ。残響室の定位の曖昧さとは逆に、明快な音の定位。それにしても一人っきりでこんなところに押し込められたら…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/a0/529194e69f59638b1ee60ebba02305dc.jpg)
最後の写真は、無響室の隣にある小さな残響室。模型や素材の吸音特性などを測定するらしい。残響1秒とのことでそこそこ心地良い感じです。無響室との壁の一部がはずせる仕掛けになっていて、閉めている時はその隙間に通常の粘土で埋められています。この粘土作戦。うちの窓にも応用してみようかぁ。
それにしても、いろいろと有意義な体験でした。
休日返上で対応していただいた日東紡音響皆さんを始め、このような企画をしていただいた方々、ありがとうございました。
バスで秋葉原に戻り、同行した
ヒジヤンさん、そして
黒川さんと一緒にイタリアンで、オーディオ談義。いやはや楽しい一日でした。
ブログランキング参加中です。よろしければ、
にほんブログ村をクリックをよろしくお願いいたします。