![]() | 言葉で治療する鎌田 實朝日新聞出版このアイテムの詳細を見る |
講演会場で同僚が買ってきた本を借りて読んだ。
最初にケアマネが出てきてドキッとした。
仕事上の事ではなくて、自分の父親へ対する医師の心ない言葉についての私憤の方だった。
医療であれ介護であれ治療、支援するものが上から目線で傷つけているケースは少ないと思う。
私自身も医者による心ない言葉は私も山ほど聞いている。
30年前の父の癌死からこっち医師不信は続いている。
息子の受診した精神科の数も半端ではない。
鎌田先生が示されているケースが哀しいかな極端なケースではないと思う。
小泉政権下から医療現場は過労気味で疲れていると言う。
人と人、ゆったりとしたコミュニケーションを持ちにくくなっていると言う。
患者は正直なところ医師にそっぽを向かれてては困る。
困るからご無理ごもっともと従わざるを得ない。
痛い辛い気持をちょっとでも分かってもらえると患者は気持ちがうんと楽になる。
入院していて一番の名医は毎日回診 してくれる医師だそうな。
言葉による治療の大切さを繰り返し説かれていた。
先生のところに来るメールや手紙が取り上げられていたが、
実際のところ全部が全部救われるほど、
講演や海外へ出かけられる先生は手が回るかな?
少しきれいごとすぎないかな?と言う気がしないこともない。
何度か聞いた先生の講演の内容と被るところもあり、
初めて講演を聞いた時や『がんばらない』を提唱された時ほどの感銘は受けなかった。
聞いてあげることで、自らが考え解決をしてゆく力が湧くと、
最近受けたケアマネ研修で聞いたこととも被った内容でもあった。
支援業務をしている者としては、ていねいに聞いてあげているか?
一読することで反省の機会にはなった。
読んですぐ返して今、本が手元にないので忘れるところだったが、
がんの終末期の人の話だけでなく、発達障害児を持つ母親のことにも触れてあった。
予約して3ヶ月待って診察を受けた精神科医の配慮のない言葉に傷ついて、
内科のかかりつけ医に紹介された心理治療の先生に救われた話。
また紹介した医師との人らしい触れ合いエピソードも書かれてあった
治らない病気と同じく辛い障害であると取り上げてもらっていた。
それだけで、人に分かってもらいにくい発達障害児を育ててきた母としては気持ちが和らぐ。
これは特記しておかねば。