陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

がんばるが後ろに置けない性分で

2009-12-14 06:26:18 | Weblog
訃報続きで気が滅入る。
昨日、都会で孤独死した夫の親族がお骨で、しかも郵送で帰ってきた。
独身59歳。死後3日で発見され大屋さんから通報が身内に入った。
兄弟が後始末をしに馳せ参じたが、
警察の検視が済んで火葬場は順番待ちでいい加減続いたホテル暮らしを切り上げて
お骨を郵送にしてもらったんだそう。
彼には夫の葬式で出会ったっきり。死因は肺がん。末期だった。

ひとりで居ると地面にすっぽり埋まりそうで腐ってくる。
誰かと話したくて何人かの友人に電話をかけた。
大抵、家電は留守。ケイタイはこういう用事のない話では鳴らせない。
たまたま家にいたこの人、声が出にくくなる進行性の病を持っており
リハビリ兼ねてカラオケをしている。
最近、人生の応援歌に出会ったと、ハマっている歌を教えてくれた。

この歳になると誰も万々歳で生きている人はいない。
何かしら重たいものを抱え込んでいる。
歌詞を電話で読み上げてくれた。
頑張り屋の彼女らしい歌詞だ。歌いながら泣いてしまうと言う。

ユーチューブで聞いてみた。凄い迫力。
どことなし上品な彼女のイメージからは遠いが、
負けない、勝ちにゆくところが彼女は気にいっているのだろう。
歳を重ねるごとに体は言う事効かないし、
それでも人生仕切り直しや見直しで自分をきりっとさせて、なんとか過ごしているのよね。

もうちょっと楽に力を抜いた方が苦しくない気が私はするけど…


縁舞台 / 島津亜矢


百合と腹巻  田辺 聖子

2009-12-14 05:30:21 | 
百合と腹巻―Tanabe Seiko Collection〈1〉 (ポプラ文庫)
田辺 聖子
ポプラ社

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大阪が舞台の恋愛短編集。
大阪弁の会話が人と人とを柔らかく繋いでいるような。
おもいっきり品のない威勢のよい言葉の応酬が、人への優しみらしき密を含んでいるように書かれている。
耳にした時と字にした時のニュアンスの違いに苦労されたとあとがきにある。
おせいさん好みの力の抜けた男とちゃんと決して若くない自分らしさを持った女が恋をする。
基本的に好きな人しか書かないそうだ。

真面目であることを茶化すのに大阪弁がものすごく有効というか
なんでも真正面から見すえて、相手を全面降伏させないニュアンスが含まれているような。

肩こりが治りそうな短編集。
こたつで途中でうたた寝しつつ完読できる。
しかし、2008年8月発行だし最近、おせいさんを読んでいない。
てっきり新しい作品だと思いこんで読みだしたが、
読んでいるうちに、どうもまっさらな御面会でない気がしきりにした。
だいたい、似たようなキャラが登場するんだけれど、筋まで分かるのはヘン?
最近は自分の記憶に信用が持てない。
巻末の出店一覧を見てやっと納得した。
他の文庫にちゃんと入っている作品ばかりだったのだ。
最後の
『あとがきにかえて 「ハイカラな大阪の恋愛小説を」』がごちそうと言えばごちそうだった。
昔書いた子供たちがもう一度、「おいでおいで」と呼ばれて集まったような短編だそう。
そこで、どの人が好みかとおせいさんが問うていた。
どの登場人物も好ましいが、最初の作品「四人め」の河内のおっさん清やんが一番好きかな?
裏も表もない気取らないあたりが好ましい。