![]() | 東京公園 (新潮文庫)小路 幸也新潮社このアイテムの詳細を見る |
小雪が舞ってものすごく寒い休日。家から出る気がしない。
活字好きは家の中を物色してて、娘の置き土産本を発見。
カメラ好きな娘らしいセレクト文庫本だった。
カメラマン志望だけど機械工学部の大学生が主人公。
公園を回っては家族写真をテーマに撮っている。
青春小説になろうと思うが、
恋愛というより家族愛に赴きが置かれている。
どちらかというと草食系男子か?
がんばりすぎない、良い具合に力が抜けている人物が登場している。
読み終わってふっと気がついた。
人を憎むパーツを持たない人々ばかりが出てくる。
特に主人公は天然に人に信頼感もたらす。
娘は父が亡くなる前に貰ったカメラを大事にしていた。
使うには修理代や手間がかかっているみたいだった。
それでも大切に扱ってくれていた。
もともとカメラが好きなったのかもしれない。
父のカメラがそれに拍車をかけたかもしれない。
ちゃんと育たない兄にばっかりかかりっきりだった。
幼少時よりしっかり者をやるしかなかった娘は、
とっとと自立して迷惑ひとつ今もかけない。
親としては尻の座りが悪い。
読み終わって
こう言う優しい話が好みなのかと、少し安堵もしている。