高速道路のサービスエリアでの仮眠から目を覚ますと、寒い!
なんと気温6度!缶コーヒーでも飲もうかと思ったら
全部「つめたい」表示の販売機、更に寒さが増してきます。
朝6時、とある駅前のビジネスホテルの前で、中村さんと待ち合わせ。
街中を抜け、山道に入り、しばらく走ると
右手の山から噴煙が上がっています。
どこの山かわかりますか?
関東では、有名な山です。
キャベツ畑を抜けて、釣り場に近づくと
「たけちゃんや~、あれが糊空木(ノリウツギ)じゃ」
和紙を漉く時に入れる糊(のり)をとるのに使う 糊空木がいっぱい生えています。
「水辺の近くに生えるんじゃ。トロロアオイは根から、糊空木は皮から糊を採るんじゃ。
残念じゃの~、もちっと前じゃったら、きれいな花が咲いとったんにな~」
枯れておりました。本当は、白く かわいい、花が咲くそうです。
辿り着いた釣り場。
朝一番は、ふたりだけの貸切でしたが
しばらくすると、他にも釣り人もやってきました。
中村さんは、毛鉤を使ったフライフィッシング。
ぼくは、ルアーです。
たまに当たりはあるものの、なかなかハリに掛かりません。
「おっっっっしゃ」徳島の独特なイントネーションで、中村さんが
声をあげました。
「これは、大っきーんと ちがうか」
しばらくの やり取りの後、あがってきたのはニジマスです。
何度かネット入れに苦戦しておりましたが、無事ランディング。
ネットから、こぼれおちそうです。
「50センチオーバーじゃ」
その後、何匹か追加して、うれしそうな中村さん。
よかった。
しかし、ぼくは釣れません。
他の釣り人も 釣れていましたが、ぼくは釣れません。
時折、当たりがあってもハリに掛からなかったり、
掛かっても、途中ではずれてしまいます。
この釣り場の常連さんから、「あーした方が!こーした方が!」
とアドバイスをもらっては、それを試していたのですが、釣れません。
どうせ釣れないなら、人の言う事を聞くより、自分の好きな釣り方で釣ろう。
釣れなくてもイイや。そう思い、何も考えず、ただただ竿を振っていると
ハイ釣れました。
まわりとは違うルアー、動かし方。
結局、自分のスタイルで良かったんですね。
ちょっと休憩した後、ぼくにも50センチオーバーが釣れました。
ひと安心して、気付く、午前中とは違う、景色の色。
「キレイじゃの~」
中村さんも景色を眺めておりました。
と思ったら
また釣っていました。
山に陽が落ちて、フライの独壇場。
もう完全、完敗です。
楽しい1日も終わり、朝 待ち合わせしたホテルの前で、中村さんとお別れです。
「次は、どこへ行きますか?」
気持ち良さそうにフライロッドを振る中村さん