愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

解雇権の濫用は許しません!

2010年02月08日 00時35分49秒 | 人間らしく働くルールの確立を
 一昨年、不況を口実にして解雇された労働者、とくに派遣労働者が派遣村に命をつなぎにやってくるような状況が生じました。昨年の暮れにも、派遣村が必要となる事態が生じました。年末年始の時には、役所自体が休暇に入ってしまうために相談の窓口すら存在せず、仕事を得られず日雇い労働者にとっては死活的な状況が年末年始でした。今でも、同じです。ですから、日雇い労働者の支援に関わっている人々のなかでも労組の活動家で階級性の高い人は、越年闘争とさえ位置づけています。

 もう、2月も半ば近いですが、私たち勤労者にとっては、今の時期はやはり不当解雇への警戒を強めなければいけません。3月は、役所の年度末の月でありますが、これを反映してか有期雇用契約の労働者、いわゆる非正規雇用労働者と呼ばれる人々は、3月31日付で契約期間満了を口実にした不当解雇の憂き目に合うことが少なくありません。もちろん、正社員でも油断大敵です。とくに、雇用主の関連会社、子会社に在籍出向しているケースで、例えば出向期間が3月31日で満了する場合でも、出稿期間満了と同時に、(突っ込みどころ満載で)法的な観点からすれば企業犯罪の域に達しているような、理由にもならない屁理屈を並べられて、解雇されるというケースが日本には有ります。

 生産手段を持たず、よって労働力を売る、つまり誰かに雇われて給与を得て生計を立てるしか術のない労働者にとっては、自分の意思に反して解雇されるというのは、これ自体生活を根底から脅かすものです。生活手段を得る術を失い、それこそ明日の生活をどうしようかということになります。労働者階級のなかでは貯蓄の多寡はどんぐりの背比べでしかありません。なかなか次の職を得られなければ、労働者の生活は破綻していきます。ですから、事業主が労働者を解雇権を濫用しないように法的な規制が(不十分であるにしても)かけられています。

 解雇は大まかに三つの類型に分けられます。

一、普通解雇……労働契約の継続が困難なとき
二、整理解雇……会社の経営状況が悪化して人員整理を行うための解雇
三、懲戒解雇……従業員の著しい非行に対する制裁として行う解雇

 「一」の普通解雇が認められるのは、

 1 勤務成績が著しく悪く、指導を行っても改善の見込みがないとき。
 2 健康上の理由で長期にわたり職場復帰の見込みがないとき。
 3 著しく協調性にかけるため業務に支障を生じさえ、改善の見込みがないとき。

 「二」の整理解雇が認められるのには、4つの要件があり、いずれも満たしていなくてはいけません。

 1 整理解雇することに客観的な必要があること。

 2 解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと。

 3 解雇の対象となる人選の基準、運用が合理的に行われていること。

 4 労使間で十分に協議を行ったこと(この場合、労働組合がある事業所において整理解雇対象者が労働組   合の組合員である場合には、所属労働組合との協議をも求められます)。

 「三」の懲戒解雇が認められるのは、従業員が極めて悪質な規律違反や非行を犯したときに懲戒処分として行うための解雇です。就業規則や契約書に懲戒解雇の要件を明示しておく必要があります。

 事業主が労働者を解雇するときには、30日前までに解雇予告を行うか、最低30日分の平均賃金を労働者に支払う必要があります。

 形式的に解雇予告手当を払うだとか、30日前までに解雇予告をしさえすればいいというわけではありません。普通解雇にしても、整理解雇にしても、懲戒解雇にしても、法令上、就業規則上、その他社会通念に照らして、合理的な理由のない解雇は、解雇権の濫用として無効になります。

 詳しくは、東京労働局がホームページ上でPDFファイルで公開しています。ぜひご参照ください。

http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/shikkari-master/pdf/kaiko.pdf

 最後に。

 経営側と対決するときには、決して一人で戦おうとしないようにしてください。現場では、労資間の力関係がモノを言います。ですから、労働者階級にとって適切な解決をかちとるためには、労働者の団結と連帯を背景にした闘争が書かせません。団結と連帯によってのみ労働者は経営側と対等に渡り合うことができます。問題の正しい解決のためには団結と連帯が不可欠です。

 もし、あなたの職場で、経営側の横暴によりご自身が困っている、あるいは職場の親しい人が困っている時には、ぜひ労働組合にまずはご相談ください。職場に労働組合がなくても、地域のローカルセンターや全国規模としてはナショナルセンターがあります。そうすれば、道はきりひらかれます。100%希望通りの解決に至るとは限りませんが、それでも泣き寝入りして事が終わるよりは、ずっとまさっています。人間らしい生活を求めて不条理と戦ったことは、あなた自身の財産となります。それも、お金では決して買うことのできない。


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