愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

2014年6月30日 集団的自衛権行使閣議決定抗議行動

2014年06月30日 01時13分10秒 | 戦争のない世界をめざす

 自公・安倍政権が集団的自衛権行使を企んでいる状況のもとで、広範な国民の反発と批判が強まっています。何度も月並みなことを言うようですが、日本国憲法は政府の惨禍による戦争を引き起こさないために軍隊を棄てることを決めました。従って、百歩譲って自衛隊を憲法違反の常備軍について目をつぶったとしても、軍事同盟をテコにしてアメリカとともに日本の領土外で武力行使をすることは、憲法上あり得ないことだし、してはいけないことです。しかも、憲法「改正」について国民の支持を得られないからといって閣議で憲法解釈を勝手に変更することで事実上憲法を「改正」するのと同じ状況を生み出そうとすることは、非軍事クーデターです。これは、立憲政治と法の支配を根本から覆します。私達は、集団的自衛権行使と解釈改憲を食い止めるために戦う責務を持っています。

 2014年6月30日(月)に官邸前で集団的自衛権行使と解釈改憲という非軍事クーデターへの企みに対する反対と抗議の行動があります。場所などについては以下のページを御覧ください。そして一人でも多くの人々が戦争国家の道へ「ノー!」の声を上げることを心より願う次第です。

TOKYO DEMOCRACY CREW
http://got.angry.jp/0630/

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集団的自衛権行使への企みを打ち砕いて憲法第9条を守ろう!

2014年06月29日 19時03分02秒 | 戦争のない世界をめざす

 2014年6月27日に(集団的自衛権行)閣議決定反対官邸前行動に日本共産党の紙智子参議院議員が挨拶に赴いています。個別的自衛権を行使することと違って集団的自衛権行使は、日本が攻撃を受けてもいないのに軍事同盟をテコにして海外で戦争に参加することを意味します。これは、日本が戦争をしない国で居続けるのかどうかのノーリターンポイント(引き返しの出来ない地点)です。だからこそ、思想信条や保革を超えて集団的自衛権行使に反対する運動が拡大しています。

 紙智子参議院議員が訴えています。万が一、閣議決定がされても、それで終わりではなくて国会でも閉会中審査を要求するし、国会の外でも議論して集団的自衛権行使を葬り去るために力をあわせて戦っていきましょう。

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やっぱり、この人もアウト!

2014年06月25日 21時29分43秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

 日本の政治の表舞台には「アウトーッ!」と言いたくなる人が何人もいるねえ。ここで言う「アウトーッ!」は、21世紀の世界において政治家として政治を担う資質と資格に欠ける人のことです。今年の都知事選挙に立候補してきた田母神俊雄氏も完全にアウトですねえ。

 田母神俊雄氏に限らず自民党の少なくない政治家に見られるように、大日本帝国憲法時代の感覚で政治を行っていて他者の痛みを感じられない人は、石原伸晃環境相の「金目」発言や都議会における塩村文夏都議会議員に対するセクハラ野次をセクハラとしてまるで理解できないようですね。

 都議会で塩村文夏都議会議員に対して「結婚したほうがいい」とか「産めないのか」というセクハラ野次を飛ばしたり同調してヘラヘラしている議員の所業は、男性に対してだったら「結婚しないのか」、「もしかして(ペニスが)立たないのか」などと嘲笑することとほぼ同じです。田中真紀子氏の安倍晋三氏に対する夫婦の間に子どものいないことを理由にした「種なしカボチャ」も都議会で塩村文夏都議会議員に対して飛んだセクハラ野次と同種のセクハラ発言です。如何に対立する相手とはいえ、他者の尊厳を根本から蹂躙する発言は、公人として相応しくありません。

 セクハラをそれとして理解できないのは、個人の尊厳を大切にする考え方、価値観を持ち合わせていないことの証明です。個人の尊重を価値の基調とする日本国憲法のもとでは個人の尊厳を大切にしない人は党派問わず政治家失格です。61万票をどう見るのかということについては色々と意見があるのですが、田母神俊雄氏が都知事選挙で当選しなかったことは本当に喜ばしいことです。

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自公・安倍政権の命運は尽きたも同然だ

2014年06月24日 01時24分15秒 | 戦争のない世界をめざす

 2014年6月22日(日)に若者憲法集会がありました(参加人数は主催者発表によると1,056人です)。午前中は分科会が数カ所に分かれて行われて午後から全体会が行われました。テーマは、憲法の平和と民主主義の原則をいかそうということです。17時30分から主部や駅近くの宮下公園集合・出発の若者憲法デモが始まりました。私は、中年体にムチを打ってw午前中の全体会から最後の若者憲法デモまで参加しました。

 自公・安倍政権が企んでいる集団的自衛権行使は、軍事同盟をテコにしてアメリカとともに海外の紛争に武力で介入できるようにしようということであり、このしわ寄せは若者に来ます。集団的自衛権行使の際には自衛隊の中で最前線に立たされる自衛官はやはり20代の若者中心です。私は、自衛官に海外で戦死してもらいたいとは思わないし、どのような形であっても侵略軍の尖兵として異国の罪のない人々を殺傷させたくもありません。だから、私は日本国憲法の平和と民主主義の観点から集団的自衛権行使に反対するわけです。あえて言えば、現在の日本の自衛官は、日本国が外国から急迫不正の主権侵害を受けた際に日本国民の生命と財産を守るために命をかけることを入隊に際して宣誓しても外国で侵略戦争に加担して罪もない人々を殺傷したり生命をかける覚悟などまったくしていないのです。こういう意味でも集団的自衛権行使には全く道理がないわけです。

 若者憲法集会やデモのことは、マスコミでも取り上げられています。

NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140622/k10015415851000.html

琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-227387-storytopic-1.html

しんぶん赤旗Web
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-23/2014062301_01_1.html

 集団的自衛権行使は国の形を根本から変えてしまうことであり、これが悪いことばかりだから若者を怒らせるに充分です。国会の議席に驕り高ぶって若者達を怒らせた自公・安倍政権の命運は尽きたも同然です。国会の議席数だけを見ると自民党や公明党の議席が多数ですが、1歩国会の外に目をやれば、社会の潮目は変わっているのです。

 日本の政治革新への可能性が確かにここにあります。

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おじいさんより危険

2014年06月22日 21時47分56秒 | 音楽、その他文化関係

 貼り付けた動画は、2013年6月15日に制服向上委員会が『大きな古時計』の替え歌として『おじいさんと同じ』をライブで披露しました。安倍晋三首相と彼の祖父の岸信介元首相の軍国主義の傾向が本質的に同じです。このことをふまえても、現在の安倍晋三首相は岸信介元首相よりも危険度を高めているように私には思えてきます。例えば集団的自衛権行使の問題では、岸信介氏は首相時代に日本国憲法の観点から集団的自衛権行使について明確に否定していました。A級戦犯容疑者としての経歴を持つ岸信介氏でさえ「解釈改憲」で集団的自衛権行使をしようとはしていなかったわけです。

 一方、安倍晋三首相は、憲法を「改正」する見通しを第96条「改正」問題で保守の側からも立憲制維持の観点から強い批判を受けたためにつけづらくなったかと思えば、憲法の解釈を閣議で変えて憲法を改正したのと同じ効果をもたらそうとしています。憲法は、権力を縛って人民を守るために存在しているから時の政権の思うがままの勝手な解釈を許さないのです。「解釈改憲」と呼ばれるような閣議決定による解釈変更で憲法を変えたのと同じような事態を引起こすことは、立憲政治とは相容れないクーデターと本質的には同じことです。このようなことは、A級戦犯容疑者だった岸信介元首相でさえしようとしなかったことです。

 以上のように考えると、今の安倍晋三首相の政治家としての危険性は、岸信介元首相を上回ると考えて良いでしょう。

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「解釈改憲クーデター」を許さない!

2014年06月19日 00時17分23秒 | 戦争のない世界をめざす

 安倍政権は、一貫して日本国憲法を「改正」して日本を軍事国家へ変質させようとしている。この流れの中で手始めに日本国憲法第96条を変えようと安倍内閣は画策した。しかし、これが保守層を含めて立憲政治の観点からの批判が強まった。そのために、安倍政権は日本国憲法第96条「改正」を表向きであるにしても引っ込めた。挙句に安倍政権は「解釈改憲」によって集団的自衛権行使をしようとしている。日本国憲法は、軍国主義がもたらした戦争の反省に立って戦争をしない国づくりを価値の基調としている。従って、急迫不正の主権侵害を受けた時に備えることがあっても軍事同盟をてこにして武力で他国を威嚇したり外国の軍隊が引き起こした戦争の尻馬に乗ることは、日本国憲法のもとではありえないことだ。そのあり得ないことを閣議決定なる為政者だけで構成されている事柄に依って憲法解釈を根本から変えて実質的に日本国憲法を「改正」するが如き状況を生み出すことは、支配勢力が自らの制定した方に反して権力を保持するに至るという意味では、クーデター同然の暴挙である。立憲政治を保持して権力者が恣意的に国民を抑圧することのないようにしていく観点からも「解釈改憲」なるクーデター同然のことは許せない。だからこそ、思想信条を超えて解釈改憲反対の声が上がっている。

 主権者国民の声を無視して握りつぶしながらいつまでも権力を保持できると思うな、これが私が安倍政権へ言いたいことである。

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2014.6.6「特定秘密保護法廃止を求める江戸川の会」結成総会の案内

2014年06月05日 13時33分25秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

 2013年12月6日の参議院本会議において自公・安倍政権は、特定秘密保護法制定を強行しました。この法律は、政権勢力にとって都合の悪いことを隠蔽して国民の知る権利を根本から侵害する内容です。日本国憲法に基づいて考えれば、国家の情報は主権者国民のものであって、国民的検証を受けるべきです。なぜならば、国家の情報を国民が知り得なければ、主権者を国民と憲法に定めた所で、主権者国民は国家の政治のことについて検証する材料を得ることができないからです。従って、特定秘密保護法は、国民主権の原則に真っ向から反して、基本的人権を脅かすものです。なお、特定秘密保護法において具体的にどのような事柄が「特定秘密」に指定されているのかということが秘密裏であって国民にとってどのような行為が処罰されるのかということの予見が不可能になります。特定秘密保護法は、罪刑法定主義の原則と相容れず、裁判においても裁判官がどのようなことが「特定秘密」なのか、被告人が誰(何)に対してどのようなことをしたのか、しようとしたのか分からないままに裁判が行われて国民が処罰されかねないので適正手続の原則とも相容れないのです。

 特定秘密保護法は、国家安全保障会議設置法(日本版NSC)と一体となって制定されていきました。国家安全保障会議設置法は、米国が世界で行う軍事行動に関して日本の自衛隊と米軍との情報共有を進めるための法律です。この米軍と自衛隊の軍事行動を国民に隠蔽して暴露したり知ろうとした人を弾圧するための法律として特定秘密保護法が現れたのです。従って、特定秘密保護法には軍事立法の性質があります。自公・安倍政権は、集団的自衛権行使を「解釈改憲」で強行しようとしています。将に自公・安倍政権は戦争国家づくりに前のめりです。日本国憲法の平和と民主主義を擁護して戦争国家づくりを阻止するために特定秘密保護法廃止を求めて勝ち取ることは重要かつ不可欠です。特定秘密保護法廃止を求めつつも、当該法律の執行を阻止するためには国民世論と運動の形成がものを言います(EX.破壊活動防止法は、法律として存在しながら使えていない法律です。少なくとも特定秘密保護法を破壊活動防止法と同じ運命を辿らせていくことが求められています)。 

 東京都江戸川区においては、2014年6月6日(金)に「特定秘密保護法廃止を求める江戸川の会」の結成総会が行われます。日時や場所は以下に表示している画像の通りです。憲法会議の川村俊夫氏が『秘密法は戦争への道』という演題で記念講演を行います。私は、国民世論と運動の形成・強化のために江戸川区外にお住まいの方にも是非結成総会へお越しいただき、川村俊夫氏の講演を聴いてあなたの街で特定秘密保護法廃止のための運動をつくったり強めるために成果を持ち帰っていただきたいと思います。

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天安門事件25周年-私が中国共産党をあまり信用しない理由

2014年06月05日 11時07分20秒 | 国際政治・経済

 私は、中国共産党を社会主義・共産主義をめざす勢力としては、あまり信用しておりません。それは、中国共産党政権が1989年6月4日の天安門事件に対する真摯な反省を欠いているからです。

 1989年6月4日、中国の天安門広場に数万人の人々が集まって中国の民主的改革を要求して声をあげました。これに対して中国共産党政権は、一方的に「反革命」と決めつけて武力弾圧に打って出ました。もし、天安門広場であがった声が「反革命的」であったとしても言論と非暴力を前提とした運動に対して武力弾圧を以って非武装の人民を殺傷することは、社会主義運動のあり方とは無縁です。天安門事件は、中国社会に大きな傷跡を残しました。25年前とくらべても現在の中国では、民主化の運動が衰退しているという報道すらあります。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0EF0L420140604?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

 中国共産党政権は、小平らが提起した改革・解放路線に基いて市場経済を活用して特色ある社会主義を進めるとしています。それぞれの国々には固有の歴史があるので、一言社会主義といっても確かに多様な道筋があります。同時に、社会主義の原則は、労働者階級が主人公の社会をつくり、搾取と抑圧の根絶をするめることにあります。したがって、自由と民主主義を擁護して言論に対しては言論で対応することは、社会主義の最も基本的な原則であり、非武装と非暴力を前提として言論で声をあげた人民を武力弾圧することは、社会主義の原則から真っ向から反します。天安門事件における中国共産党政権の所業が社会主義と相容れない蛮行であることは明白であります。

 天安門事件に対して中国共産党は未だに反省をしていません。実際に2010年にノーベル平和賞を受賞した劉少奇氏が2008年に『08憲章』を共同執筆したことにより逮捕・投獄されて未だに収監されています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-10-09/2010100901_06_1.html

 中国共産党政権は、経済発展を推進してきたものの国内政治のあり方としては人民抑圧政治の傾向を、国際政治に対しては南シナ海南沙諸島問題に見られるように覇権主義の傾向を強めています。日本共産党は、2014年1月18日に採択された第26回大会決議において社会主義をめざす国をどう見るかの問題で以下の通りに述べています。

『そこには模索もあれば、失敗や試行錯誤もありうるだろう。覇権主義や大国主義が再現される危険もありうるだろう。そうした大きな誤りを犯すなら、社会主義への道から決定的に踏み外す危険すらあるだろう。私たちは、"社会主義をめざす国ぐに"が、旧ソ連のような致命的な誤りを、絶対に再現させないことを願っている。』(日本共産党第26回大会決議)
http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/26th-taikai/20140118-k26th-ketugi.html

 中国の状況には複雑な事柄が数多くあるとはいえ、国内に対して人民抑圧政治の傾向、対外的には覇権主義の傾向を続けて、あるいは強めていけば、中国共産党政権は中国社会を社会主義とは縁もゆかりもない社会へ本格的に変質させていき、人民から棄てられて体制崩壊を迎えて政権を手放すようになるでしょう。天安門事件に対する真の反省なくして中国共産党政権が社会主義への前進を進め続けることは、望むべくもないことを私は明確に述べてこの記事を締めくくります。

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2014.6.3 JAL不当解雇争議 東京高裁不当判決

2014年06月03日 21時06分11秒 | 人間らしく働くルールの確立を

 事の発端は、2010年12月31日付けで日本航空(JAL)が165名を整理解雇したことです。146名(パイロット74名 客室乗務員72名)は、翌年の1月19日に原告団を結成してJALの整理解雇が不当であることを東京地裁に提訴しました。JALの整理解雇は、1.高度な必要性、2.(解雇の)回避努力、3.人選基準の合理性、4.(労資協議の)手続きの妥当性のを欠いています。
http://www.labornetjp.org/news/2014/0603shasin 

 2012年3月に東京地裁で出された不当判決にかかる裁判では、稲盛会長(当時)が整理解雇をしなくても事業立て直し可能である旨を述べていたのです。従って、整理解雇の必要ないことは明白だったのです。

 2014年6月3日、東京高裁は、資本の論理を追求するだけの不当判決を下しました。JALでは、違法・不当な整理解雇でベテランのパイロットや客室乗務員を切り捨ててしまったために新人のパイロットや客室乗務員への指導が十分に行き渡らなくなっていると私は聞き及んでいます。昔は、ベテランが新人1人を3人から4人で指導していたのに対して今ではベテラン1人が新人3人から4人を指導しなければならなくなり、とても指導が細かいところまで行き渡らせられないわけです。これは、安全かつ快適に空の旅をすることを考えれば、実に由々しきことではないでしょうか。

 争議団で戦っているパイロットは不当判決を受けて「企業が世界で1番働きやすい国づくりのアベノミクスの実行部隊に東京高裁が成り下がった」と怒りを露わにしています。JALの不当解雇問題は、全ての労働者の問題です。不当解雇が横行し、司法が利潤追求第1主義の資本の論理を追認する機関に成り下がっているようでは、労働者は希望を持てません。

 争議団は、不当判決を受けても屈せずに更に戦い続ける決意を高めて、争議団を支援に来ている人々とともにシュプレヒコールをあげました。

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ウルトラマンは、正義の味方面(づら)した殺戮者である

2014年06月03日 11時54分16秒 | 戦争のない世界をめざす

 ウルトラマンは、本当に正義の味方なのか?とかく悪役にされがちなバルタン星人だが、彼らが地球へやって来たきっかけは、宇宙旅行中に故郷の星が核実験で滅亡してしまったために帰る場所を失ったことにある。バルタン星人は、移住先の星を探している最中で地球を発見して、地球が移住先として相応しいこと及び故障した宇宙船の修理の必要性に迫られて地球へ来た。バルタン星人の一人が人間大の大きさになって宇宙船を降りて地球人側と移住に関する交渉を始める。そこで地球人側のイデ隊員らがバルタン星人の20億3千万人という数にうろたえたり、ハヤタ隊員に至っては火星に住んだらどうかなどと無責任なことを言うので事態がややこしくなり交渉が成立しなくなり、しまいにはブチ切れたバルタン星人が巨大化して暴れ始めたわけだ(ハヤタ隊員は、地球の環境に適した体を持つ知的生物が火星に住むには適さないことも分からずにバルタン星人に火星へ住むことを勝手に提案するのだから救いようのないバカだ。)。

 巨大化して暴れているバルタン星人をウルトラマンが倒すことをやむを得ないと考えたとしても、問題はその後だ。ウルトラマンは、バルタン星人1人を倒した後、バルタン星人の宇宙船を探しだして、これを宇宙空間へ運んだ後にスペシウム光線を放って爆破した。この宇宙船には、20億3千万人のバルタン星人が乗っていた。宇宙船に乗っていた20億3千万人のバルタン星人は、宇宙旅行中に故郷の星を失った流浪の民である。しかも、宇宙船の中にいるバルタン星人の多くは、バクテリア大に身体を縮小させて眠っている状態にある。従って、「地球をもらう」と言って巨大化して暴れ始めたバルタン星人の言葉は、バルタン星人全体の意思とは言えないし、宇宙船に乗っていたバルタン星人のほとんどは、宇宙旅行中に故郷の星を失うという災難に遭った民間人と考えられる。こうした事情をまるで考えずにウルトラマンは20億3千万人のバルタン星人が乗っている宇宙船にスペシウム光線を放って爆破したわけだ。当然、バルタン星人の殆どは宇宙空間で爆死した。

 さて、バルタン星人はシリーズを超えて何度もウルトラマンへの復讐を果たそうと地球へ来ている。そう、シリーズ序盤におけるウルトラマンの攻撃でバルタン星人が全滅したわけではなくて僅かに生き延びた者がいるわけだ。生き延びたバルタン星人が種族の意地をかけてウルトラマンへの復讐を果たそうとしていたのである。

 バルタン星人の立場から見れば、ウルトラマンは種族を滅亡寸前の淵に追いやった大量殺戮者である。最初に立ち戻って考えてみよう。バルタン星人の地球への到来は、宇宙を旅行している最中に故郷の星の滅亡を原因としている。従って、20億3千万人が乗っていた宇宙船は、戦闘用ではなくて旅客船と考えられる。実際に、宇宙船は、ウルトラマンによって掴まれて宇宙へ運ばれる際に全く反撃しなかった。バルタン星人の宇宙船は、非武装であるか、多少の武装をしていたとしてもたいした戦闘能力を持っていなかったであろう。なにしろ、あれは宇宙旅行者が搭乗していた旅行用の宇宙船だから。

 かくして、生き延びたバルタン星人の中からウルトラマンへの復讐を固く誓う者達が出たのである。


 ウルトラマンの姿は、日米安保条約で日本を守るかのようなふりをしていながら、世界中で紛争の火種をまき散らして暴力と復讐の連鎖を増大させているアメリカ合衆国とよく似ているように私には思えてくる。特撮番組の『ウルトラマン』では、地球にウルトラマンがいるために、地球は何度もウルトラマンを標的にしているバルタン星人の攻撃を受ける。これを日本と近隣諸国との関係に置き換えると、アメリカ軍が日本列島の各地域に基地を置いているために近隣諸国との無用の緊張関係をもたらしているというわけだ。こんな現実が見えてこないか?

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