愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

この期に及んで「日本共産党嫌い」とか「某党嫌い」と言っている場合ではない!

2015年09月25日 12時39分08秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

 日本共産党の志位和夫委員長と民主党の岡田克也代表がこれから国民連合政府実現へ向けた会談を行うという段階で何も決まっていないのに「共産党と(選挙協力など)あり得ない」云々と言っている人が民主党の中に何人もいる。こういう人たちは一体全体どこを見て政治活動を行っているのだろうか。

 安倍自公政権は、昨年の集団的自衛権行使容認閣議決定に続いて戦争法制(安保法制)の制定を強行した。集団的自衛権とは、自国が攻められてもいないのに軍同盟や軍事ブロックをテコにしながら武力で他国を威嚇する行為そのものである。実際に世界は20世紀の前半に2度に渡る世界大戦を経験している。また、19世紀後半から20世紀前半にかけて帝国主義列強は軍事同盟をテコにしながら世界諸国の様々な地域と国々を植民地支配と収奪をしていった。集団的自衛権とは、帝国主義国が侵略者の論理を以って行使する性質のものである。

 日本は、太平洋戦争時には日独伊三国同盟のもとで侵略戦争を行っていた。まさに、日本は集団的自衛権行使のもとで帝国主義国として侵略戦争の数々を行っていたのだ。だからこそ日本国憲法は侵略戦争に対する反省にもとづいて軍隊を棄てること及び国家の交戦権を否認するに至った。従って、急迫不正の主権侵害に対して抵抗することがやむを得ないとしても軍事同盟にもとづいて国際紛争を武力で解決することを憲法に基づけば正当化する余地が全くない。だからこそ、歴代の防衛白書は、集団的自衛権行使について明確に違憲として扱ってきたのである。

 集団的自衛権行使について歴代政権のみならず多くの憲法学者が憲法違反として扱っていった。このことを閣議決定という政権担当者の恣意的な憲法解釈によって合憲として扱うことは、法の支配の原則を根源から損ねる。このことを安倍自公政権は強行していった。憲法に基づく立憲主義に立脚する政治的秩序を取り戻していくためには、自民党及び公明党から政権を奪い取ることが必要不可欠である。だからこそ、日本共産党は2015年9月19日の第4回中央委員会総会において『「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の実現をよびかけます』を決定し、提案した。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2015/09/20150919-yobikake.html

 日本共産党が提案している国民連合政府は、戦争法廃止と集団的自衛権行使容認閣議決定を撤回をして、以って立憲主義・法の支配の秩序を取り戻すための暫定的な性質を持つ政府として位置づけられている。各政党の様々な違いを脇において凍結してでも自民党と公明党から政権を奪い取ることなくして立憲主義・法の支配に基づく政治秩序を取り戻していくのは不可能である。だからこそ、日本共産党は国民の運動を背景にしながら国民連合政府実現への提案を社会へ向けて行った。

 この期に及んで反共意識むき出しにして「日本共産党との(選挙)協力はありえない」などと言っている政治家は、結局のところ国民の要求に背を向け手安倍自公政権の手助けをしているのである。国民連合政府の提案に関して日本共産党は、閣僚輩出にこだわらずに閣外協力の形でも良いと明言している。また、国民連合政府実現へ向けた合意と選挙協力が成立すれば、日本共産党は全ての選挙区に候補者を擁立するのではなくて現在立候補予定を決めている人物についても引っ込める用意があると言っているのである。

 現在の日本は、立憲主義・法の支配の原則を取り戻せるのかどうかの瀬戸際にある。それだけに、野党とその政治家には本当に安倍自公政権を打倒して国民要求に応える気があるのかどうかが正面から問われているのである。


戦争法廃止の国民連合政府を実現しよう

2015年09月20日 08時53分48秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

 日本共産党中央委員会は2015年9月19日に緊急の第4回中央委員会総会を開催した。ここで党中央委員会は、戦争法強行制定に反対する闘いにおいて野党が最後まで団結して闘いぬいたこと、安倍政権打倒と戦争法廃止をする政権実現への要求の高まりを受けて『「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の実現をよびかけます』を提案することを決定した。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2015/09/20150919-yobikake.html

 安倍自公政権による2014年7月1日の集団的自衛権行使容認閣議決定及び2015年9月19日未明の参議院本会議における戦争法の強行制定は憲法第9条に反するだけではなく、立憲主義と法の支配の根幹を脅かしている。だから、緊急の課題として戦争法廃止と集団的自衛権行使容認閣議決定撤回を行う政権の構築が不可欠になっている。戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認閣議決定を撤回することを通じて立憲主義と法の支配に基づく近代国家としての秩序を取り戻すことが民主主義擁護の観点から必要だ。これを実現するためには、安倍自公政権を打倒して新しい政権を実現することがどうしても必要である。

 日本共産党は、民主主義革命の路線を綱領に掲げていて民主連合政府樹立をめざしている。同時に党綱領は、民主的改革の主要な点の全てでなくても、さしあたって一致する共通の目標を実現するための統一戦線を形成して統一戦線の政府をつくるために力を尽くすことを掲げている。

『統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる。党は、その場合でも、その共同が国民の利益にこたえ、現在の反動支配を打破だはしてゆくのに役立つかぎり、さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。』(日本共産党綱領)
http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/

 時期が決まっている国政選挙として来年の参議院選挙がある。日本共産党第4回中央委員会総会は、戦争法に反対する野党と共同できれば、戦争法廃止をする国民連合政府実現のために選挙協力をすることに踏み込んだ決定をしている。日本共産党は第4回中央委員会総会の決定に基づいて速やかに野党に党の立場を伝えて対話と合意形成へ力を尽くす。衆議院解散総選挙についても日本共産党は、戦争法廃止の国民連合政府樹立へ向けて共同できれば、選挙協力をする。

 安倍自公政権の奴等は戦争法の強行制定で「達成感」に浸っていることだろう。だが、その「達成感」に浸っていられるのは今のうちだ。立法事実(法律を制定する必要性)を欠き、憲法に反し、国民の世論と運動を無視した、安倍自公政権の所業は、国民を益々怒らせて自らの手で政権の終わりの始まりをもたらした。安倍自公政権の反動とファシズムの支配を打破して国民連合政府を実現することは、国民自らが自分自身の力で政治を動かして自分たちの政府をつくっていくという大きな第一歩を踏み出したことを意味する。

 安倍自公政権を打倒して国民連合政府実現へ向けた闘いは、もう始まっているのである!

 安倍政権を打倒して戦争法廃止の国民連合政府樹立へ向けて幅広く政党・団体及び個人が力を合わせていこうではないか!


2015年9月18日 戦争法案反対@希望のエリア―戦争法廃止を展望して

2015年09月19日 23時06分44秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

 国会正門前の希望のエリアでは、毎週金曜日に原発再稼動反対・脱原発行動が行われている。現在では、もちろん原発再稼動に反対すること、脱原発を外さないわけだが、同時に戦争に反対する声をもあげている。それは、SEALDsに対する連帯の意思の現れである。原発の問題は、第一義的にはエネルギー政策の問題である。同時に原発には、核武装推進論者の野望の隠れ蓑になているという問題がある。そのために、原発再稼働反対・脱原発行動をしている人の中には、平和を希求する運動にも参加している人が少なからずいる。

 昨日、2015年9月18日は、今となっては戦争法となった戦争法案をめぐって緊迫した状況だった。国会議員と市民が戦争国家づくりの野望を阻止するために連携し励まし合っていた。

 戦争法の参議院安保特別委員会における「採決」の状況は、聴取できずと速記録にも採決の状況が記されていなかった。また、総括質疑すら行われずに委員会決議が強行された。これは、議会運営のルールをふみじるものである。日付が変わって9月19日未明に参議院本会議で戦争法が強行採決された。

 安倍自公政権が戦争法制定を強行したあとには、戦争法廃止運動がすぐに始まって大きくなっている。時期が決まっている国政選挙として2016年の参議院選挙がある。戦争法廃止と集団的自衛権行使容認閣議決定撤回を勝ち取るための政府樹立がすでに議論の対象となっている。戦争法が制定されても、これを使わせずに廃止へ追い込んでいく闘いに私たちは直面している。

 これからの闘いで安倍自公政権を打倒して戦争法を廃止して集団的自衛権行使容認閣議決定を撤回する政府を樹立するために力を合わせていこう。


戦争がどれだけ人間の心を蝕んでいくか

2015年09月18日 07時51分33秒 | 戦争のない世界をめざす

 色々と思うところがあって最近私は解離性障害などについて精神科医が執筆した本を読んでいた(思うところというのは、労働に関するメンタルヘルスなどの問題などに関してである)。その中でベトナム戦争帰還兵にまつわるエピソードが取り上げられていた。これは、戦争が人間の精神にとってもどれだけ耐え難いことかを如実に示していた。

 精神疾患の中には、うつ病や統合失調症などの他に解離性障害がある。解離は、本来、耐え難いストレスを被る事態に直面した時に自我の崩壊を防ぐために問題となっている事柄を自分自身の精神から切り離すという心の防衛機能である。

 戦場から帰還して、その後にPTSDを罹患した兵士の中には任務遂行中に解離という心理現象を体験する人がいる。少々長くなるが、引用しよう。

『負傷兵を銃剣で刺していとき、私は自分自身から離れて、敵兵を銃剣で刺殺しつつある「殺し屋」を遠くから見ているような感じがした(中略)そのことは私を恐怖と嫌悪でみたし、そしてそれは、私が何者であるかについての意識とも、私にできると感じていたこと友、結びつかないように思えた。そのとき依頼、戦闘の状況下で私は私自身から離れ、「殺し屋」が戦闘任務を遂行しているのを眺めるようになった。その殺し屋は、私自身とは違って、他者も恐怖も気にかけずに、その仕事をずっと上手にやってのけることができたのだった』(柴山雅俊著 『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』ちくま新書より引用)

 引用しているように戦闘任務を遂行中の兵士が体験した心理体験は、体外離脱体験あるいは離人体験と呼ばれる解離の状況を示している。殺し殺されるという極限状況そのものが人間の精神にとって耐え難いことである。そして、まともな良識の持ち主にとって悪くもない人間を殺すことは耐え難い苦痛を伴う。そこで、『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』(柴山雅俊著 ちくま新書)で引き合いに出されている兵士にとって自分が人殺しであることに耐えられなかった。そこで、その兵士は、戦闘任務遂行にともなって人を殺している自分を自我の崩壊を防ぐために自分自身の心から切り離したのである。このようにして現実や自分自身を心の中で切り離す心理現象が解離である。

 安倍自公政権は、2014年7月の集団的自衛権行使容認閣議決定を具体化するために安保関連法案=戦争法案制定を強行しようとしている。自衛隊がアメリカの世界戦略の下支えをする形で世界中で武力行使するようになれば、自衛隊員は大義のない人殺しを国家の命令によって強制されていく。そうなっていけば、イラクのサマワの事例を遥かに凌ぐほどにPTSDに苦しむ自衛官が出てくるだろう。なぜならば、自衛官は、私たちと同じように感情や良識を持つ生身の人間だからである。

 戦争は、殺された人々の人生を破壊するにとどまらず、命令によって人を殺すことを強制された人々、つまり兵士の人生をも破壊していく。ここにこそ、戦争をこの世から根絶しなければいけない理由の根源がある。

 集団的自衛権行使は、日本をわざわざ海外で米軍の指揮下で戦争する国に仕立てあげるものである。これは、日本と世界の平和に脅威をもたらして非戦闘員だけではなくて戦闘員として派兵される自衛官の人生をも破壊していく。このようなものを容認するわけにはいかない。集団的自衛権行使のための戦争法案は、違憲というにとどまらず人々の精神を根本から蝕んでいく事態をもたらしかねないからには廃案あるのみである。


雨にも負けずに戦争法案強行採決阻止のために駅頭宣伝

2015年09月17日 11時13分02秒 | 戦争のない世界をめざす

 フェイスブックで投稿したことを繰り返すようだが、ブログにも今朝の駅頭宣伝のことについて簡単ながら投稿する。


 雨脚が強い日には、行動参加者の安全確保の観点から通常は宣伝行動が中止になる(若い人ばかりの組織ならば雨にも負けずといえるんだけど、年寄りが多くてそうもいかない)。しかし、戦争法案をめぐる状況が緊迫しているので、今日はセバタ勇区議会議員は駅頭宣伝を行った。スピーチは、セバタ区議や私を含めて交代しながら行った。

 宣伝内容は、戦争法案に関すること、昨日の国会前行動についての様子の報告であった。なお、昨日の国会前行動参加者は約35,000人であった。安倍自公政権は、国民世論と運動に追いつめられて参議院における安保特別委員会も開けずにいた。日本共産党をはじめとして戦争法案に反対するそれぞれの野党が奮闘して安保特別委員会を開かせないようにピケッティングを行っていた。戦争法案に反対する議員と国会を包囲する市民が相互に励まし合いながら戦争法案反対のために闘っているのである。こういったことが駅頭宣伝の主な内容であった。

NO PASARAN(奴等を通すな)!

戦争法案絶対反対!

安倍は辞めろ!

ファシスト通すな!


2015年9月14日 国会正門前が解放区になった

2015年09月15日 17時28分52秒 | 戦争のない世界をめざす

 昨日(2015年9月14日)に戦争法案強行採決阻止を求める人々が国会正門前に集結した。おおよそ4万5千人の人々が国会正門前へは集まってきた。私もその4万5千万分の1であった。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-15/2015091501_01_1.html 

 私は東京メトロ桜田門駅から国会議事堂方面へ歩いて行った。警察の過剰警備には目に余るものがあり、国会前の道路両脇には鉄柵がびっしりと張り巡らされて、さらには警察車両が車道の両脇をびっしりと固める状況であった。後から人が押し寄せてくるわけで、警察がいくら鉄柵を設置しようがそのようなものがいつまでも続くわけなく、しまいには鉄柵が行動参加者によって倒されて、そこから車道に人々が溢れていった。その時の様子が、デジタルカメラで撮って動画サイトにアップロードしたものである。

 国会正門前の行動の様子を毎日新聞写真部がツイッターで掲載している。
https://twitter.com/mainichiphoto/status/643417541692407808

 毎日新聞写真部が掲載した写真の両脇にかまぼこのように写っているのが警察車両である。国会正門前がびっしりと人で埋め尽くされている様子が手に取るように分かる。2015年8月30日は、日曜日であったが昨日の行動は平日の夜の出来事である。それだけ、多くの様々な背景の人々が戦争法案強行採決反対の声をあげていたのである。

 SEALDsや「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などによる行動は、たんに戦争法案阻止に留まらず立憲主義擁護と反ファシズム、安倍政権打倒を要求するものとなっている。歴代政権が今まで違憲としてきた事柄について時の政権の恣意的な憲法解釈で良いことにされてしまったのでは、憲法で以って為政者の横暴を抑えることができなくなってしまい、立憲主義の根幹が崩れてしまう。立憲主義崩壊の行き着く先は、独裁政治であり、ファシズムへの道である。だからこそ、戦争法案反対運動が立憲主義擁護、憲法の民主的原則を保持して日本社会を根本的に民主化させるための要求運動に発展していくのである。

 戦争法案に賛成することは、憲法第9条のみならず立憲主義の根幹を破壊することそのものである。我々主権者たる日本国民は、戦争国家づくりと立憲主義破壊の独裁政治を許さない。来年、つまり2016年には参議院選挙がある。戦争法案に賛成する、憲法第9条と民主主義破壊に手を染める参議院議員で来年に審判を受ける人物は、政治生命を喪失する覚悟を決めるが良い。


関東大震災・亀戸事件92年

2015年09月01日 23時16分44秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

 1923年9月1日に関東大震災が発生した。だから、9月1日は防災の日と位置づけられている。私にとって9月1日は、防災の日というに留まらず亀戸事件を思い起こさせる。

 関東大震災が発生した時には、朝鮮人や社会主義者が暴動を企てているというデマが流された。そして、デマに踊らされた人々は朝鮮人を「敵」として迫害して殺した。犠牲者の正確な人数は分かっていないが、6千人を超えると言われている。また、当時の天皇制政府は震災の混乱に乗じて社会主義者を根絶やしにしようとした。この状況下で南葛労働組合の理事であった河合義虎氏が特高警察に捕まり、拷問の末に捕らえられたその日のうちに惨殺された。河合義虎氏は、現在の日本民主青年同盟(通称は、民青同盟)の前身である日本共産青年同盟の初代委員長であり、日本共産党の創立当時からのメンバーであった。なお、亀戸事件においては河合義虎氏の他に数多くの活動家が投獄され、殺された。では、河合義虎氏をはじめとした南葛労働組合の人々は、何をしていたのか。彼らは内乱を企てるどころか、実際には被災者救援をしていたのである。河合義虎氏は被災した子どもたちにビスケットを与えるなどしていた。絶対主義的天皇制政府は、「震災ヲ利用シ、朝鮮人ハ各地ニ放火シ、不逞ノ目的ヲ遂行セントシ…」(内務省警保局長から各地方長官あての電報)と流言を自ら流して震災に乗じて社会主義者を根絶やしにしようとしたのである。こうして、南葛労働組合の理事であった河合義虎氏をはじめとして何人もの活動家が救援活動のさなかに弾圧され、投獄され、または殺された。

 亀戸事件の詳しいことについては以下のページをご覧頂きたい。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-01/2007090112_01faq_0.html

 安倍自公政権は、集団的自衛権行使を具体化するための安保関連法案、すなわち戦争法案を参議院においても強行採決しようとしている。日本国憲法はポツダム宣言を受諾したことを前提にして軍国主義の反省に基づいて成立している。だからこそ、日本国憲法は、日本を戦争しない国にしようとして軍隊まで棄てることを第9条において明言しているのである。従って、自国が攻撃を受けてもいないのに軍事同盟をテコにしてアメリカとともに海外で武力行使することはあり得ない、あってはいけないことである。安倍自公政権が企んでいる戦争法案強行採決は、日本を再び侵略国家に仕立てることそのものである。安倍自公政権の所業は、非軍事の手段による一種のクーデターであって立憲政治と相容れない。

 2015年9月1日を私たちは、平和と民主主義のことで重大な岐路に立っている。8月30日には、戦争法案廃案めざす国会周辺10万人・全国100万人行動が取り組まれた。国会周辺行動は主催者の目標を超える12万人ほどが集結して戦争法案廃案の声を突き上げた。平和で民主的な日本をつくるために8月30日の到達点に立った上でさらなる闘いを続けて大きくする時が今である。

 戦争法案強行採決を許さずに廃案へ追い込んでいこう。


戦争法案廃案を求める運動と世論が鉄柵を決壊させた

2015年09月01日 17時40分39秒 | 戦争のない世界をめざす

 2015年8月30日は、参議院で審議中の戦争法案(安保関連法案)の強行採決阻止をめざす人々が国会及び周辺へ集結した。こういうことがあると警察はお決まりのごとく交通整理という名目の妨害を仕掛けてくる。「危険ですから」という決まり文句とともに警察は人々を鉄柵を使って狭いところへ押し込めて危険と混乱をもたらすのである。なんというか、警察はわざと危険と混乱を引き起こすことで怪我人の1人でも出れば、ドヤ顔で「(警察の)指示に従わないから」云々の屁理屈を持ちだして国民運動を弾圧していく口実を作ろうとしているのではないだろうか。こんな風に私は勘ぐってしまう。

 私が国会前へ到着した時にはすでに鉄柵が決壊していた。私の眼前に拡がっていたのは、国民が本当に力をあわせて世論と運動を大きくしていくことで警察権力すら無力化させる状況だった。ある意味、強力(Gewalt)が警察権力の横暴を打ち砕いたと言えよう。とはいえ、人を殺傷するなどの暴力行為は行われず、あくまでも言論を前提とした行動があっただけだ。そのために、警察は手出しできなかった。

 集団的自衛権行使は、自国が攻撃されていないにもかかわらず軍事同盟をテコにしながら武力行使することを意味する。また、軍事同盟は、仮想敵国を「創造」して武力を背景に他国を威嚇することそのものである。従って、戦争をしないことを国是として定め、さらには軍隊を棄てることを決めた日本国憲法に真っ向から反する。先制攻撃を含むアメリカの世界戦略に武力行使を前提とした形で自衛隊が組み込まれれば、日本は再び侵略国家になる。

 憲法に反し、日本と世界の平和に脅威だけをもたらす戦争法案は、廃案あるのみである。安倍自公政権が戦争法案強行採決しようものならば、来年(2016年)の参議院選挙において自民党と公明党に破滅的な打撃を与えてやる。

※ここで使っている「強力」(Gewakt)は、政治を動かす様々な力の総称を表す概念として使っている。「強力」を武装蜂起を意味する概念ではないことをご理解いただきたい。