愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

もやは、アメリカ合衆国の裏庭ではない

2010年02月28日 00時34分18秒 | ラテンアメリカの政治革新、文化等
 1823年の「モンロー宣言」以来、ラテンアメリカ諸国は、アメリカの裏庭と言われてきました。実際にアメリカはラテンアメリカ諸国を自らの裏庭として扱い、中南米でアメリカに言いなりにならない政権が樹立される度に干渉を企て、クーデターなどをけしかけて、革新政権を潰してきました。ひどいのになると1973年9月11日には、南米チリで選挙によって成立したアジェンデ政権をピノチェトを援助して崩壊させました。あのとき、アジェンデは最後まで自ら銃を持ち、味方は大統領警備隊しかいないという状況で最後まで戦いました。他にも、アメリカ合衆国によるラテンアメリカ諸国への帝国主義的干渉は枚挙にいとまがありません。

 このようななか、ラテンアメリカ諸国では長きにわたり、対米従属の事実上の傀儡政権が人民をアメリカと一体となって搾取し、貧困のどん底に突き落としてきました。逆らうものには、軍隊による弾圧が日常的でした。それも、アメリカから訓練を受けた軍隊が人民を軍事力でで抑圧してきたわけです。キューバ革命は、もとより、サンディニスタ革命、エル・サルバドルでの内戦など武装闘争による革命が行われてきた背景には、軍事独裁政権の暴政があったわけです。1970年代のチリでのアジェンデが大統領選挙で当選して政権奪取したというのは、当時のラテンアメリカでは例外的なことでした。もっとも、そのアジェンデ政権はアメリカ帝国主義の肝入りの「米軍学校」卒業生のピノチェトのクーデターにより崩壊しアジェンデ大統領は、最後まで自ら銃を持ち抵抗しましたが非業の死を遂げました。このような状況でしたので、現在とは違いかつてのラテンアメリカにおいては武装闘争を正当化する状況がありました。本当に貧困をなくそうとすれば、武装闘争がやむを得なかったというのが、ひと昔まえのラテンアメリカでした。

 しかし、時代とともに社会が進歩し、現代におけるラテンアメリカでの革命は武装闘争によらず、選挙という議会制民主主義のルールに基づいたやり方で革命がなされています。多数者による多数者のための革命がラテンアメリカで現在進行形で進んでいます。

 ラテンアメリががアメリカ合衆国の裏庭というのは、昔のことで、現在のラテンアメリカ諸国の殆どは対米自立の路線を歩んでいます。アメリカべったりなのはコロンビアくらいです。

 ラテンアメリカ諸国の対米自立は、時を経るごとに確固としたものとなています。これを、明確に示しているのが、日本共産党中央委員会発行の「しんぶん赤旗」(2010年2月25日付)の記事です。党中央委員会ホームページにも掲載されています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-02-25/2010022501_01_1.html

 2010年2月23日、メキシコ・プラヤデルカルメンにおいて開催されていた中南米カリブ海統一首脳会議では、アメリカ合衆国抜きで新たな地域機構を設立することを宣言しました。ラテンアメリカ諸国、とくにカリブ海域は、アメリカ合衆国が「裏庭」扱いしてきました。こういう歴史的経過を持つ諸国が歴史上初めてアメリカ合衆国を抜きにした形での地域共同体を形成していくということは、世界の歴史的進歩を雄弁に物語っています。もう、アメリカの覇権主義は世界では通用しえないものとなっています。ラテンアメリカ諸国の動向は、私たち日本人にとっても、世界の中での日本のあるべき姿、これからの日本を考えるのに重要な教訓を教えてくれます。

 日本だけを見ていると「日米同盟」なるものが当たり前のように思われても、これが世界にいつまでも通用するものではありません。21世紀の日本の行く末を根源から考えれば、日米安保条約を解消して、対米従属から対米自立の道を歩み、米軍基地のない日本をつくることが待ったなしの事だというべきではないでしょうか。ラテンアメリカ諸国は、対米自立こそ、展望のある社会をつくる道筋であることを実践的に示しています。


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世界銀が南米諸国を評価

2010年02月22日 01時49分32秒 | ラテンアメリカの政治革新、文化等
世銀、南米諸国を評価/貧困層を支援/地域局長 “国家の役割回復”

 現在1998年に、ベネズエラでチャベスが大統領になってから南米諸国では、変革の嵐が吹き荒れています。わが党は、前世紀の末から、21世紀を、資本主義の是非が正面から問われる世紀になると展望していました。そして、現在の南米諸国の状況は、我が日本共産党の情勢認識と展望の大筋が的を得た者であることを裏付けています。

 南米大陸を形容する言葉といえば、元朝日新聞社の記者だった伊藤千尋さんの言葉を借りて言えば「反米大陸」という状況があります。もっとも、かつてのキューバと違ってアメリカは南米諸国を経済封鎖するというわけには行かないようでありますし、あのキューバ相手でも一方で経済封鎖をしておきながら貿易が2002年以降再開しているというように南米諸国とアメリカとの関係が変化しています。その、変化の方向性はアメリカ覇権主義の破綻、新自由主義の破綻を示すものです。現在、南米諸国で親米といえるのは、コロンビアだけです。1823年来アメリカの裏庭と言われ続けてきた南米諸国では、左派政権が選挙で成立し、対米自立の道を歩んでいます。

 ベネズエラとボリビアにおいては、世界の貧困や環境問題などを資本主義そのものに本質的な原因があるとして、これらの国の大統領は、社会主義をめざそうとしています。日本共産党はこれらの国々を社会主義をめざす国とはみていません。というのは、まだ、ベネズエラにしてもボリビアにしても大統領が社会主義をめざそうとしていても、これが人民的合意となるにいたっていないからです。それにしても、まともな科学的社会主義の政党がない国々において社会主義をめざす流れが強まっていることは興味深いことです。

 党中央委員会の記事によると世界銀行は、南米諸国において国家の役割を強化して貧困層を支援していることを高く評価している人のことです。世界銀行いわゆるIMFは、アメリカ流新自由主義を世界に押し付け、経済覇権主義の道具とされてきました。この問題について、ここでは詳論しませんが、かつてIMFを発足当初からチェ・ゲバラが南米諸国に破滅的な害悪を及ぼすと糾弾していたのです。実際にチェ・ゲバラが懸念していたことが1990年代の南米諸国で新自由主義の害悪が極限にまで達していったのです。ごく一部の富裕層と圧倒的多数の貧困層が渦まき、ラテンアメリカは世界で最も不公平な地域と見られてきました。これをもたらすのに、きわめて有害な役割を世界銀行は、果たしました。ボリビアでの水戦争が物語るように、世界銀行は公共部門の民営化などを融資の条件にして、これを飲んだ国々では貧困と格差が広がっていったのです。そういった時代があったことを考えると、新自由主義から決別した道を歩み、経済不況に対する打開の仕方を新自由主義とはちがった道で打開しようとし、貧困層を守っていったことを世界銀行が評価の対象にしているのは、世界の情勢の変化を如実に物語っています。

 世界銀行が新自由主義を共用してきたことについて「(融資の際の)条件付けは過去の問題だ」とエクアドル国営アンデス通信のインタビューに語ったことは、新自由主義の破綻とアメリカの覇権主義の破綻を経済の土台から裏付けています。

 世界の流れと、日本でも小泉構造改革によって見られた新自由主義の害悪を考えれば、対米自立と新自由主義からの決別こそが、本当の意味での国民が主人公の日本を築き上げ、貧困を無くす方向で不況を打開する道筋であることは、いよいよはっきりしてきました。

 昨年の総選挙に続いて、今年の参議院選挙でも当然対米自立と新自由主義から決別するのかどうかが正面から問われます。また、構成的にこれを争点として押し上げて全人民に提起するべきことです。

 本当に政治を変革するのは、大企業とアメリカに正面からものをいえる日本共産党です。

 南米大陸に続いて日本でも対米自立と新自由主義からの決別をしていこうではありませんか。

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コンドルは飛んでいく【神山理映子さんと共演者によるアルパ演奏】

2010年02月19日 00時49分44秒 | ラテンアメリカの政治革新、文化等
El Condor Pasa / Arpa / コンドルは飛んでゆく / アルパ

 ここ数日ブログで文章を書いている余裕がないので、更新をサボリ気味です。

 神山さんって誰?という声が聞こえてきそうですが、神山里映子さんは、日本のアルパ演奏者の第一人者の一人です。この動画では、神山さんはじめ何人もの方が共演しています。

 ペルーの名曲・「コンドルは飛んでいく」をアルパの演奏でご堪能ください。


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2.11 日本共産党平井・小松川連合後援会「新春のつどき」

2010年02月14日 20時14分10秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等


 少々古ネタになりますが、2月11日には、地元の日本共産党平井・小松川連合後援会で「新春のつどい」を開催されました。1月から2月にかけては、各種団体でも新年にからむ行事が行われます。日本共産党の後援会といえ例外ではありません。位置づけの内容は、その時々の社会的情勢によって変わってきます。今年は、参議院選挙の年ですのでいうまでもなく参議院選挙勝利へむけた集いという意味合いがあります。100人には達していないけど、結構な人数は参加してくださいました。あの日は、寒かったし、天気があまり良くなかったので、そして高齢者が多いこともあってどれだけ参加してくれるか少々不安でした。



 離れたところから撮影していたので、小さくて分かりづらいのですが、日本共産党江戸川区議会議員・瀬端勇さんが挨拶しているところです。実行委員会の時に手短にお願いしても熱が入り、少々長くなるのはご愛嬌。キューバのフィデル・カストロさんの長時間演説に比べればかわいいものです。フィデル・カストロさんの長時間演説は長いときには13時間くらいに達したとか。あの暑いくにですから、倒れる人続出だったとか。



 河野ゆりえさん(前都議会議員)の挨拶です。

 昨年の都議会議員選挙では、私たちの力が及ばなかったばかりに江戸川では、23年ぶりに議席を喪失しました。現在、河野ゆりえさんは、次の都議会議員選挙では、江戸川で都議会の議席を奪還するべく頑張っているところです。河野ゆりえさんのホームページがあります。ぜひご覧下さい。
http://www.yurie-kouno.com/

 今年は、自公政権が崩壊するという歴史的激動の中で、日本共産党は第25回党大会をむかえ、さらには参議院選挙を迎えます。自民党はダメであり、民主党にも不安があるというのが率直なところではないでしょうか。もっというと、金権スキャンダルが早々に出てきてなんか政権末期のような様相すら現行政権が醸し出している状況です。

 企業・団体献金を受け取らず、政党助成金も受け取らない、利権にからまず、国家のヒモつきになっていない日本共産党が伸びてこそ日本の政治は根源的に変革します。

 情勢と、日本共産党の党勢とのギャップは大きいものがあります。組織の高齢化が進んでいることは否定できません。私のそばに座っていたおじさんが「若手がいないなぁ」と言っていました。支持者から見ての、日本共産党の率直な到達点です。第25回答大会で、党建設の中心的主題として革命運動の世代的継承が掲げられていました。民主的政権をつくるにふさわしい党を建設していくのに、若い世代の人を党に迎え入れることが欠かせません。

 今度、こういう機会があったときには、少しでも若い人の参加者がいるようにしたいものです。日本共産党は、年齢要件としては、18才から入党できます。だから、元号では、今では平成22年生まれの日本共産党党員がいてもおかしくないのです、平井・小松川地域でも。でも現実は、……写真を見ても支持者の中でも高齢者が多いのはよくお分かりでしょう。これを克服できないと、革命運動の世代的継承に未曾有の困難が生じます。

 追伸
 そういえば、2月11日は、カレンダーでは「建国記念の日」とされています。私は、あのような非科学的な皇国史観など一切認めません。それでも、世間一般が祝日だから、そういう状況を利用して党後援会の行事を設定せざるをえないのはなんとも皮肉な状況です。


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町田市議選 明日告示 町田市議選への応援

2010年02月13日 23時04分53秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等
 今日は、午後から瀬端区議とともに町田市議選の応援へ行きました。現地で行ったのは、成瀬街道近くの都営住宅でのビラの全戸配布でした。江戸川区の党員がなんで町田市まで行ったか、直接的な動機は党組織からの要請によります。日本の公職選挙法にはずいぶんと変な規定があって、選挙の告示日以降は、候補者の写真や名前の入ったビラの配布は原則禁止になります。できるのは、候補者カーや正当カーの宣伝の音が聞こえる範囲内で配布できるだけです。しかも、選挙管理委員会から渡される証紙(シール)を貼ってあるビラしか配布できません。投票日が近くなれば有権者の関心は当然選挙に向かうわけですがそういう時になるとべからず選挙になります。民主主義にとってきわめて有害な状況です。

 そんなことをぼやいてもしょうがないので、今日は、寒くて町田市では雪が降っていましたがなんとかビラを配布しました。

 私と瀬端さんが向かったのは町田市の中で細野りゅう子前市議の区域でした。



 上の写真は、都営団地でビラを配布していたときに偶然細野りゅう子前市議(候補者)の宣伝カーが通りかかって、その時に撮影したものです。行動を終えて選挙事務所へ戻ったときに細野りゅう子前市議から聞きましたが、ここは、あらかじめ予告していたわけではなかったそうです。それでも、窓を開けて細野りゅう子前市議の訴えを聞いている住民がいました。

 町田市でも日本共産党への期待が集まってきているのでしょう。とはいえ、中間選挙では、わが党のみならず他党も応援をよこしてのつばぜり合いです。最後の最後まで油断はできません。




 これは、帰るときに、撮った写真です。なかばアリバイ作りのために撮った写真ですので、こんなお粗末な撮り方しかできませんでした。雪の降る中で体が冷え切って疲れていたし、お腹もすいていたのでご勘弁を。

 今年は、参議院選挙があります。参議院選挙での大きな前進のためには、小さな中間選挙といえども、決して手を抜けません。積み重ねが影響をおよぼすのです。泣いても笑っても、町田市議選は明日が告示日です。最後まで勝利をかちとるために全力で戦うだけです。


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境港市議会議員選挙 日本共産党二議席獲得

2010年02月09日 00時37分44秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等
ザ・選挙 -選挙情報-

 昨日(日付が変わっているから一昨日か)、鳥取県境港市議会議員選挙の投票日でした。日本共産党は、現職の定岡敏行さんと新人の松尾好行さんの二人を党公認候補として擁立し、現職の定岡さんの当選を果たし、さらに二議席目獲得に挑戦しました。結果は、上記リンク「ザ・選挙 選挙情報」に掲載されている通り、日本共産党は現職の定岡敏行さんと新人の松尾好行さんと二人の当選を果たしました。

 わが党の様子については、定岡敏行さんの記事に載っています。以下のページを御覧下さい。

「真っ赤に染まりました」
http://www.sadaoka.net/blog/entry/001251.html

「選挙結果」
http://www.sadaoka.net/blog/entry/001252.html

 鳥取県は、よく知られているように保守王国と呼ばれている地域の一つです。率直に言って、対有権者比の党勢は、日本共産党の全国的な水準から見ても低いところです。そういうところでの議席増をめざすのは、機関役員にとっても相当の決意を必要とするのです。実際に、選挙間際になっても、二議席獲得に支持拡大などが届いていないという状況がありました。それどころか、「大丈夫」論まで頭をもたげる始末だったのです。
http://www.sadaoka.net/blog/entry/001246.html

 私は、東京都の党組織の者ですから、鳥取県の党組織の現場のことは知りません。それでも、客観的に二議席目を獲得するのに足りていない到達点の中で根拠のない楽観論が頭をもたげて、これを克服するように問題をただしながら支持拡大の上げ潮をつくることへの選対本部の苦労が想像できます。

 党組織の力量がお世辞にも強いとは言えない地方での選挙戦で厳しい戦いの中で党の議席を増やせたのは、現地の選対本部をはじめとする、党員、党支部、党後援会の奮闘によるものです。これと同時に、自公政権はダメ、民主党も不安という情勢下において新たな道を模索する中で、日本共産党という選択肢を考えて実際に選択した人が増えてきたという情勢的な根拠があります。

 貧困が社会全体に拡大するときに、最も必要な政党は貧困をなくすことに全力で取り組んでいる政党です。その点では、日本共産党に勝る政党は国会の中にはありません。2010年は日本共産党大前進の始まりの年にできる展望があります。しかし、自動的に展望がきりひらかれるのではなく、党組織、党員の奮闘がなにより必要です。この点を考えると、客観的情勢にたいして、やはり現状では日本共産党の党勢が小さいわけです。組織の高齢化を克服することが革命運動の世代的継承を確かなものとするのに避けて通れません。

 可能性を現実のものとするために、党勢を増大しながら選挙戦に取り組む構えが今ほど大切なときはありません。今年の参議院選挙で勝利してこそ、民主s連合政府樹立への可能性をひらくことができます。

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解雇権の濫用は許しません!

2010年02月08日 00時35分49秒 | 人間らしく働くルールの確立を
 一昨年、不況を口実にして解雇された労働者、とくに派遣労働者が派遣村に命をつなぎにやってくるような状況が生じました。昨年の暮れにも、派遣村が必要となる事態が生じました。年末年始の時には、役所自体が休暇に入ってしまうために相談の窓口すら存在せず、仕事を得られず日雇い労働者にとっては死活的な状況が年末年始でした。今でも、同じです。ですから、日雇い労働者の支援に関わっている人々のなかでも労組の活動家で階級性の高い人は、越年闘争とさえ位置づけています。

 もう、2月も半ば近いですが、私たち勤労者にとっては、今の時期はやはり不当解雇への警戒を強めなければいけません。3月は、役所の年度末の月でありますが、これを反映してか有期雇用契約の労働者、いわゆる非正規雇用労働者と呼ばれる人々は、3月31日付で契約期間満了を口実にした不当解雇の憂き目に合うことが少なくありません。もちろん、正社員でも油断大敵です。とくに、雇用主の関連会社、子会社に在籍出向しているケースで、例えば出向期間が3月31日で満了する場合でも、出稿期間満了と同時に、(突っ込みどころ満載で)法的な観点からすれば企業犯罪の域に達しているような、理由にもならない屁理屈を並べられて、解雇されるというケースが日本には有ります。

 生産手段を持たず、よって労働力を売る、つまり誰かに雇われて給与を得て生計を立てるしか術のない労働者にとっては、自分の意思に反して解雇されるというのは、これ自体生活を根底から脅かすものです。生活手段を得る術を失い、それこそ明日の生活をどうしようかということになります。労働者階級のなかでは貯蓄の多寡はどんぐりの背比べでしかありません。なかなか次の職を得られなければ、労働者の生活は破綻していきます。ですから、事業主が労働者を解雇権を濫用しないように法的な規制が(不十分であるにしても)かけられています。

 解雇は大まかに三つの類型に分けられます。

一、普通解雇……労働契約の継続が困難なとき
二、整理解雇……会社の経営状況が悪化して人員整理を行うための解雇
三、懲戒解雇……従業員の著しい非行に対する制裁として行う解雇

 「一」の普通解雇が認められるのは、

 1 勤務成績が著しく悪く、指導を行っても改善の見込みがないとき。
 2 健康上の理由で長期にわたり職場復帰の見込みがないとき。
 3 著しく協調性にかけるため業務に支障を生じさえ、改善の見込みがないとき。

 「二」の整理解雇が認められるのには、4つの要件があり、いずれも満たしていなくてはいけません。

 1 整理解雇することに客観的な必要があること。

 2 解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと。

 3 解雇の対象となる人選の基準、運用が合理的に行われていること。

 4 労使間で十分に協議を行ったこと(この場合、労働組合がある事業所において整理解雇対象者が労働組   合の組合員である場合には、所属労働組合との協議をも求められます)。

 「三」の懲戒解雇が認められるのは、従業員が極めて悪質な規律違反や非行を犯したときに懲戒処分として行うための解雇です。就業規則や契約書に懲戒解雇の要件を明示しておく必要があります。

 事業主が労働者を解雇するときには、30日前までに解雇予告を行うか、最低30日分の平均賃金を労働者に支払う必要があります。

 形式的に解雇予告手当を払うだとか、30日前までに解雇予告をしさえすればいいというわけではありません。普通解雇にしても、整理解雇にしても、懲戒解雇にしても、法令上、就業規則上、その他社会通念に照らして、合理的な理由のない解雇は、解雇権の濫用として無効になります。

 詳しくは、東京労働局がホームページ上でPDFファイルで公開しています。ぜひご参照ください。

http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/shikkari-master/pdf/kaiko.pdf

 最後に。

 経営側と対決するときには、決して一人で戦おうとしないようにしてください。現場では、労資間の力関係がモノを言います。ですから、労働者階級にとって適切な解決をかちとるためには、労働者の団結と連帯を背景にした闘争が書かせません。団結と連帯によってのみ労働者は経営側と対等に渡り合うことができます。問題の正しい解決のためには団結と連帯が不可欠です。

 もし、あなたの職場で、経営側の横暴によりご自身が困っている、あるいは職場の親しい人が困っている時には、ぜひ労働組合にまずはご相談ください。職場に労働組合がなくても、地域のローカルセンターや全国規模としてはナショナルセンターがあります。そうすれば、道はきりひらかれます。100%希望通りの解決に至るとは限りませんが、それでも泣き寝入りして事が終わるよりは、ずっとまさっています。人間らしい生活を求めて不条理と戦ったことは、あなた自身の財産となります。それも、お金では決して買うことのできない。


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学費無償化をめざそう!

2010年02月02日 00時27分53秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等


 ヨーロッパ諸国では、大学まで学費が無償だったり、イギリスのように有償であっても給付型の奨学金制度が整っているのが普通です。あえて言えば、誰が見ても貧しい国であるキューバだって大学まで学費が無料です。

 教育を受けることによる利益を受けるのは、本人だけではなくて社会全体でもあります。なぜならば、若者が高等教育を受けることによって開花された能力は、彼あるいは彼女が社会で生活していく中で社会全体に還元されるからです。

 生まれ育った家庭環境によって、学ぶことを諦める人が続出するような国は、まともな民主国家とは言えません。そういう意味で日本は、世界の悪い見本です。

 生まれてきた人々のすべてが希望を持って育つことができるような社会をつくるためには、高等教育の無償化は、とくに現在の日本において避けて通れません。

 ヨーロッパ諸国など他の先進国で当たり前のこととして行われている学費無償化を実現して、すべての人々が学問に身近に接することができるようにし、真の意味での学問の自由を獲得していきましょう。


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