愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

戦う者の歌が聞こえるか

2014年04月29日 22時09分03秒 | 音楽、その他文化関係

 『レ・ミゼラブル』(邦題:ああ無情)では、学生を中心として民衆が街中にバリケードを造って蜂起するシーンがあります。19世紀のヨーロッパでは資本主義の発展に伴い貧富の格差が拡大して様々な社会不安が拡大していきました。当時、ヨーロッパにおいても議会せ民主主義が現在のようには発展しておらず議会がなかったり議会があっても選挙権・被選挙権を有していたのは一部の富裕層だけでした。そのために、民衆には、合法的に自らの要求を掲げて政治を動かす術がありませんでした。だからと言って、人々は社会において貧困と格差を拡がっていくことを黙ってみていたわけではありません。このことが、『レ・ミゼラブル』における社会描写に反映しています。

 現在の日本での現状はどうでしょうか。ブラック企業が横行して日本における労働者をめぐる環境は、19世紀の水準と言う他ありません。自公・安倍政権は「残業代ゼロ」を合法化しようとしています。日本の労働基準法には1日あたりの労働時間の上限を規制する法律がありません。これに輪をかけて「残業代ゼロ」をまかり通せば、過労死・過労自殺が増加するし、賃金労働者の所得の水準が下がっていき、日本社会にますます貧困が渦巻くようになってきます。消費税の問題も深刻です。自公・安倍政権は、民主党・野田内閣が敷いた増税路線のレールにそのまま乗っかり、2014年の4月より消費税率を5%から8%へ引き上げることを強行しました。更に悪いことに、自公・安倍政権は消費税率を2015年10月から10%へ引き上げようとしています。「(政府に)文句を言ってもどうせ無駄」式の声が色々な所から聞こえてきますが、諦めからは変革と希望は生まれてきません。ヨーロッパ諸国においては、労働法制や社会保障制度など、労働者の生活を擁護するための制度水準が日本より高いわけです(ヨーロッパ諸国では学費が大学まで無償であることなど)。これも、自動的にそうなったのではなく、人民の戦いが勝ち取った成果です。

 『レ・ミゼラブル』で描かれている民衆の蜂起は、敗北に終わっています。ヨーロッパ諸国においても『レ・ミゼラブル』で描かれているような敗北を人民は何度も経験したことでしょう。それでも、圧制からの解放を勝ち取るために人民が戦い続けてきました。その成果としてヨーロッパの様々な国々において大学まで学費無償や医療費の窓口負担ゼロが実現しています。戦いを通じてこそ、様々な成果を勝ち取れることを世界の歴史は私たちに教えています。

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