愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

『マッチ売りの少女』X『共産党宣言』

2012年02月28日 02時09分57秒 | 貧困根絶をめざす

 アニメーションでは12月25日ですが、原作では『マッチ売りの少女』の舞台となった日付は12月31日なんですよ。 ハンス・クリスチャン・アンデルセンが発表した作品『マッチ売りの少女』がどういう作品なのかは、説明は要らないでしょう。知らなければ動画を見れば分かります。

 『マッチ売りの少女』が発表されたのは、1848年です。ふと気づきました。科学的社会主義の古典の一つである『共産党宣言』(マルクス、エンゲルス共著)が発表されたのが1848年です。

 『マッチ売りの少女』そのものは、フィクションです。『マッチ売りの少女』で描かれている貧困と格差―少女が寒さに凍えながらマッチを売り歩いているのと対照的にある家庭の子は、暖炉のある暖かい家で親の愛情にも恵まれて美味しいものを食べている状況―が対照的に描かれています。この状況は、19世紀のヨーロッパの状況です。今でこそ諸国には福祉国家がいくつもありますが、昔からヨーロッパ諸国が福祉国家だったわけではありません。

 さて、『マッチ売りの少女』とマルクスとエンゲルスの共同執筆の『共産党宣言』とは直接は関係ありません。しかし、同時代に『マッチ売りの少女』と『共産党宣言』が発表されたのを、私はたんなる偶然ではなく共通の社会的背景における種の必然性があったのだと思います。

 当時のヨーロッパの人々がこのような社会・政治状況を手をこまねいて見ていたかというとそうではありません。1848年に『共産党宣言』が世に出たことが、リンク先の動画に出てくる『マッチ売りの少女』のような境遇にある子どもたちに光を当てようと本気で命がけで戦った大人がいたことの何よりの証拠です。もちろん、現在の世界でも『共産党宣言』の思想と実践を現在の社会状況に適合するような形でしている人がいますね。

 『マッチ売りの少女』が発表されてから20年近く経過した頃にはビクトル・ユーゴーが『レ・ミゼラブル』を発表します(1862年)。この作品はストーリーが長いのですが、主人公のジャン・バルジャンが飢えて死なないためにパンを盗み刑務所送りになった後に出所する場面から始まります。ここから貧困と疎外の現実が描かれています。『レ・ミゼラブル』では、劇中で共和派の秘密結社ABC(ア・ベ・セー)の友が街中にバリケードを造り、武装蜂起します。そして、軍隊と秘密結社ABCとの間で市街戦が始まります。結局、武装蜂起は失敗して軍隊により秘密結社ABCの友が鎮圧されます。

 『マッチ売りの少女』は可哀相だけど資本主義社会では貧困と格差があるから仕方ないでは世の中は進歩しません。現在のヨーロッパ諸国で社会福祉が発達しているのは、『レ・ミゼラブル』の劇中に出てくる秘密結社ABCの友のように命がけで戦った人がいるからです。カリブ海のキューバで餓死する人がいないのも貧困を根絶するために命がけで戦って革命の政府を勝ち取ったからです。ヨーロッパ諸国でもキューバでもなんとなく福祉が発達しているのではありません。

 さて、現在の日本と世界でも『マッチ売りの少女』のように貧困に苦しんでいる子どもたちはたくさんいます。仕方がないと現状追認するのか、それとも事態を打開するために少しでも自分のできることをするのか、ここに人としての生き方が問われてきます。

 貧困を根絶するために命がけで戦ってきた(現在も戦闘中の)主な人物をあげると以下の通りです(敬称略)。

〇カール・マルクス(『資本論』などの著者であり革命家)
〇フリードリヒ・エンゲルス(『空想から科学へ』などの著者で革命家)
〇ウラジミール・イリイチ・ウリヤーノフ(レーニンの本名、ロシア革命指導者)
〇エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ
 (チェ・ゲバラのこと、アルゼンチン生まれのキューバ革命指導者)
〇フィデル・カストロ
(元キューバ共産党議長。議長から降りても貧困根絶ために老体に鞭打って現在も戦闘中!)

 えっ?日本にはいないのかって?そんなことはありません。

〇小林多喜二(日本共産党党員作家、『蟹工船』の原作者)
〇河合義虎(日本共産青年同盟初代委員長、日本共産党創立メンバーの一人)
〇宮本顕治(日本共産党元議長、現在の日本共産党の基礎を作った人の一人ですね)

 上記のような人は他にもいるけど、きりがないのでこの辺で人物列挙はやめておきます。

 私のようなヘタレにはチェ・ゲバラやフィデル・カストロのような生き方はなかなかできないなあと改めて思いました。

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