愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

光学迷彩が現実味を帯びてきた。

2008年08月14日 01時31分49秒 | 自然科学
 光学迷彩という言葉、きいたことがありますか。光学迷彩という言葉のお話しの前に私たちが物をどのように見ているのか、ということから話を始めましょうか。

 私たちが視覚として物体を認識することは、実は、物体からの光の反射認識するということです。。光の反射の仕方によって物体の色がそれぞれ違って見えます。光の反射の少ない物体は、私たちには色が濃く見えます。もし、一切の光が反射せずに吸収される物体があるとすれば、このような物体は私たちには、黒く見えます。大づかみに言って、物体が見える仕組みはこのようなものです。

 では、もし、物体にあたった光が反射しないで、かといって吸収することもなく物体の表面にそって屈折するとどうなるでしょうか。端的に言うと、そのような物体を私たちは理論上見ることができません。まるでSF映画やアニメのようなことをいっているようですが、実は、光学迷彩の技術が実用化に向けて現実味を帯びてきています。

 アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の研究グループが日本のアニメ「甲殻機動隊」のように光を物体の表面に沿って屈折させることにより、透明に見えるようにする研究に成功しました。もっとも、現時点では10マイクロミリメートルの段階で光の屈折の方向に限界があり2次元の方向でしかネガティブリフレクティングが機能しないそうです。

 科学技術の進歩そのものは、最大公約数的にいって喜ばしいことではありますが素直に喜べない現実があります。実は、カリフォルニア大学バークレー校の光学迷彩の研究はアメリカ軍による財政支援によって行われてきたものです。軍隊は、戦争をするために存在します。アメリカ軍は、科学技術を戦争目的で使おうと戦略を張り巡らせておりそのための財政投入をいとわないのです。現状では、アメリカ軍が光学迷彩の技術を実用可能な段階まで手にしたら、戦争に於ける兵器の実験としてもてあそばれ多くの惨劇が生じることになります。科学技術を軍事目的に利用するのは、きわめておぞましいことです。光学迷彩の技術は、高度な技術を要するなど、きわめて困難な手術をするのに影を作らないようにして精度をたかめるような応用ができます。

 科学技術は、これからの世界を考えれば、平和目的でかつ地球の環境に充分に配慮しながら活用するべきものです。科学技術は、人間が自然の法則を認識して法則に基づき自然界に働きかける力のことです。自然は、私たちに恵みをもたらす一面と破壊をもたらすことがあります。自然のもつ二面性を私たちはよく考えるべきです。自然の二面性を踏まえて考えれば、科学技術を悪用すれば自然の法則は私たちに取り返しのつかないくらいの破壊的作用をもたらします。科学技術の悪用の最たるものは、特に現在では戦争です。

 科学技術の進歩が私たちにカタストロフィを与えないためには、社会や政治のあり方そのものを根本的に変革するべき時代が来ているといえるでしょう。

 この記事は、以下のニュースを参考にしました。
 "米研究者、完全な「光学迷彩」技術の開発に成功"