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キャリコンまっちゃんのホッとひと息

キャリアコンサルティングの合間にホッとひと息。
その日に感じたことや起きた出来事などを
日記形式でつぶやきます。

すかいらーくの自社買収が語るもの

2006年06月08日 | 会社法入門
今日の朝刊で、大手ファミリーレストランのすかいらーくさんが、
自社買収をするという記事が掲載されました。

買収金額も国内最大2600億円超となるようで、相当大規模な自社買収となります。

自社買収については、MBO(マネジメント・バイ・アウト)というM&A手法を
取るようです。

このMBOとは、経営陣が企業や事業部門を買収して独立するM&Aの手法のことです。

今回のケースでは、すかいらーくの創業一族と経営陣が特別目的会社(SPC)を
設立し、TOB(敵対的買収あるいは株式公開買い付け)を実施するようです。

ところで、このすかいらーくの行動は一体何を意味するものでしょうか。


このブログでも、新会社法のM&A編で触れましたが、いよいよ企業が本格的な
M&A防止に向けて動き始めたことを意味しています。

つまり、来年から解禁される三角合併によるM&A手法を前に、すかいらーく
さんは究極の防衛策である自社買収を行い、非公開会社となることによって、
第三者からの買収を避けるという狙いがあります。

ちなみに、非公開会社とは、株式を一般株主に公開しないという意味です。
つまり、市場取引による株の売買は行われない、ということを指しています。

ですから大雑把に言うと、たとえばライブドアの株の場合、我々がライブドア株
を購入することはできないというのと、意味はほぼ同義といえます。

ということは、短期利益を追求する村上ファンドさんのような投資家でも
簡単に手が出せなくなる、ということです。

しかしこの自社買収には問題も残ります。

それは、自社買収するということは、コーポレートガバナンスという視点から
見たときに、すかいらーく株を所有するのは、すかいらーく関係者が大勢を占める
ようになるために、もし、すかいらーくが暴走した時には外部から抑止できなくなる
可能性が高くなる、ということです。

ということは、内部統制によった厳しい監視活動をこれまで以上におこなって
いかないと、すかいらーくの経営がおかしくなる可能性も捨てきれない、
ということなのです。

いわゆる、「市場によるチェック機能が働かない」という悪弊が生じるかも
しれない、ということなのです。

すかいらーくさんの経営は今後どうなるか、注意が必要ですね。

言い忘れましてが、すかいらーくさんが自社買収した理由は、買収防止策だけ
からではありません。

経営不振による事業見直しを迅速かつ柔軟に進める、という狙いもあるからです。


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会計参与の設置について

2006年06月07日 | 会社法入門
さて、今日は、新会社方の中でも目玉の1つとされている、新しい制度に
ついて投稿します。

それは、「会計参与制度」です。

会計参与とは、取締役と共同して計算書類の作成・説明・開示等を行う
会社内部の機関で、税理士(税理士法人を含む)・公認会計士等(監査法人を
含む)の会計専門家から構成されます。
会計参与の設置は会社の任意であり、強制はありません。

ここでのポイントは、1行目の「共同して」、2行目の「資格要件」、そして
4行目の「任意設置」という点です。

つまり、会計参与制度は、これまで主に中小企業が会計監査について
税理士や監査役に依頼していたシステムそのものを、制度として会社内部に
柔軟に取り入れてしまおうというものです。

また、会計参与の職務は、計算書類の作成や株主総会における説明、
計算書類の保存(5年間)、株主・債権者への開示、その他 です。


ちなみに、会計参与は会社におけるどういった立場になるかといいますと、
社外取締役と同様の責任を負います。

したがって、会計参与の氏名または名称は、登記事項となっています。

しかも、社外取締役と同様の責任を負うということは、どういうことかといいますと、
会社に対する責任や第3者に対する責任を負うということです。

たとえば、ライブドア事件における、ホリエモンの懐刀といわれた、あの方が
この会計参与だったとして、ライブドアに過失(不注意)により損害を与えた場合
、株主代表訴訟の対象になります。

さらに、会計参与が職務について悪意(知っている状態)または重過失
(重大な不注意ミス)があったときは、第3者に対して損害賠償責任を負います。

したがって、株主が損害を受けたとか、他の提携会社に直接被害が及んだ場合が、
損害賠償責任を負うということになります。

とはいえ、あの方は会計参与ではありません。
しかし、あの方は取締役ですので、旧法に依った判決が出されるとしても
上記の責任から免れることは、よほどの正当な理由がない限り難しいといえるでしょう。

さて最後に、この会計参与制度についてのメリットを書いておきます。

・会社の決算書の信頼性が向上する(主に中小企業)
・取締役が、これまで以上に業務に専念できる 


個人的感想からいいますと、会計参与の設置は、会社の透明性を増すもの
といえますので、メリットといえばメリットではありますが、そんなに
必要性は感じません。

また、税理士さんや公認会計士さんが、ここまで経営リスクを背負ってまで
会計参与を引き受けたがるのか、やや疑問の感があります。

下手をしたら、自分まで手が後ろに回るのですから、よほど会社の事情に精通して
いない限り、会計参与に就任するかしないかの判断は、慎重になるざるをえない
のではないでしょうか。

会計参与の場合は、原則的には何社の会計参与にでも就任できるようですが、
(例外規定あり)よほど信頼の置ける会社でない限り、複数企業の会計参与に
就任してしまうと、会計参与自身に掛かってくる経営リスクが、いたずらに
増幅されることになるのではないでしょうか。
(もちろん、1社といえども、信頼がおけない企業の会計参与に就任した場合は
同様のリスクがありますけどね)

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合同会社を設立しよう!

2006年06月02日 | 会社法入門

前回までは、有限会社法の廃止、最低資本金制度撤廃、そして


M&Aについて投稿してきました。


そこで今回は、合同会社について投稿します。この記事を読んで、


合同会社を設立してみようという気持ちになったという方がいたら、


まっつあんとしてはとても嬉しいです。


さて、合同会社と聞くと


「なんかわからんけど、誰かと共同で作る会社なの?」という、印象を


受ける方もきっと多いことでしょう。


そんなあなたは、正解です!


この合同会社は、有限会社に変わる新しい会社形態として、今年の


五月に創設されました。


そこで、まずは合同会社について説明します。


●合同会社(LLC:Limited liability company)


 合同会社は、従来の日本の会社法制には存在しない、


 「有限責任を持つ人的会社」です。


 合同会社は、株式会社や合名、合資会社にはない、会社内部の


 組織運営を広く定款による 自治を認め、かつ、出資者が有限責任を


 負う会社形態です。


●合同会社の特色


・社員数:社員1人のみの設立と存続が認められる。


・有限責任制:社員は、合同会社の債務について責任を負わない。


・業務執行:社員は原則として業務を執行することとなるが、定款によって


 一部の社員を業務執行社員とすることができる。


・内部自治原則:業務執行社員は有限責任しか負わないから、業務執行社員の


 第三者責任については、株式会社における取締役の第三者責任と同様の


 ルールが適用される。


 また、取締役会や監査役のような機関を設置する必要がありません。


 さらに、株式会社と違い、利益や権限の配分が出資金額の比率に拘束されません。


・意思決定:社員の入社、持分の譲渡、会社成立後の定款変更は、原則として


 総社員一致により行われる。


・決算書の作成:貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、社員持分変動計算書の


 作成が必要となる。


 


という内容です。


合同会社について、まっつあん流に大雑把に説明しますと、


「従来の会社の枠にとらわれないよう、自分たちで会社を好きに運営してください!」


というものが、この合同会社なのです。


もちろん、上記のような一定のルールはありますし、これ以外にもまだまだ


注意すべき点はあります。


しかし、この合同会社は、組織の内部自治が認められつつも、有限責任社員


のみで構成される会社形態ということで、とても画期的な会社形態といえましょう。


ちなみに、株式会社は、所有と経営を分離し、会社は株主(社員)のものだという


前提で構成されており、組織の規律は厳格です。


合同会社では、共同開発型企業の創業についてはもちろんですが、1名からでも


設立できますので、有限会社に変わるとても便利、かつ、簡便な組織形態です。


たとえば、設立費用もそうです。


株式会社の設立費用が、24万円掛かると前回までに説明しましたが、この


合同会社はもっと少額の費用で設立することが可能です。


その理由は、最低資本金制度がないことや、定款の認証、払込金保管証明が


必要とされていないからです。


したがって、合同会社を設立する際に最低限必要なコストとしては、


登録免許税(最低6万円)等のみです。


したがって、免許税以外では定款作成に関する費用さえみておけばよい、


ということになります。


ですから、脱サラして起業する方にとっては、株式会社以外にも1つ


会社形態の選択肢が増えたということになります。


私自身が起業家ですのでいえることですが、やはり会社は


「小さく起こして、大きく育てる」ことに夢があると、まっつあんは考えています。


そんな夢の会社経営をする第1歩を踏み出すには、合同会社というシステムは


とても適していると思います。


 


なお、余談ではありますが、合同会社設立後、合同会社の略称については


おそらく、 (同)○○ という形式になるんではないか、と思います…。たぶん。


(違っていたらごめんなさい!)


 


それでは今日はこれくらいで失礼します。


なお、次回は会計参与について投稿します。


 


 


 

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原則と例外

2006年05月31日 | 会社法入門
このところ、新会社法についての投稿がかなり増えました。

まっつあんが新会社法を学んでいるのは、単なる興味だけではなく、広く実務
に関わる内容が多いからなのですが、新会社法を学習する中で気がつく点はけっこう多いです。

その中の1つに、原則と例外が多い、ということです。

まあ、どんな法律や規則でも例外は付き物ですし、外国の諺にも
「例外のない規則はない」
(There is no general rule without some exceptions.)

というものがある位ですから、例外自体は決して珍しいものではありません。

ですが、この新会社法は原則と例外が本当に多いと思います。

たとえば、こんな論点です。

●株主総会の開催地について●

原則:株主総会の開催地に制限はなく、外国で開催することもできる。
例外:特定の株主の議決権公使を妨げる意図でそのような場所での開催を決定
   したような場合には、株主総会決議の取消事由になりうる。
   また、株主総会の開催場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも
   著しく離れた場所であるときは、原則としてその場所を決定した理由を
   定めなければならない。

とまあ、こんな具合です。当たり前といえば当たり前ですが、新会社法ではこの
招集地に関する規定が削除され、置かれていません。
したがって、開催地の制限がなくなり、どこで開催してもよくなりました。
さらに、衛生中継等を利用して複数会場で開催することも可能です。

ただし、これは便宜上であるので、上記の例外に該当する場合は認められない
可能性が強いです。

したがって、株主が1名しかいない企業や多国籍企業の場合なら、地球の裏側で
株主総会ということも十分可能なのですが、普通の会社ならば会社から極端に
離れた場所での株主総会の開催はできない、という解釈になります。



とまあ、こんな具合に条文の多くの注釈には例外事項が盛り込まれていまして、
解釈や理解もやや困難な、まっつあんです。


「例外のない規則はない」
(There is no general rule without some exceptions.)

まさに、そのとおりの諺ですね。
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M&Aについて

2006年05月29日 | 会社法入門
今回は、企業のM&A(合併や買収)について投稿します。

新会社法では、このM&Aが容易になると前回までに書きました。
今回は、この点について説明します。少し難しいかもしれませんが、なるべく
わかりやすく書きたいと思います。

このM&Aというのは、たとえばA社とB社というまったく別々の企業か、
あるいは、親会社と子会社といった関係のあるC社とD社がある日を境に1つの
企業になることをいいます。

そういえば1年ほど前、ホリ○モンが、フ○テレビと提携するとかしないとかやってましたね。

このホリ○モン騒動が新会社法に与えた影響は大きいのですが、今回説明する内容は、
このホリ○モンの企業買収とは少し意味が違います。

その違いは、友好的買収か敵対的買収か、ということです。

つまり、買収を仕掛ける企業側が被買収企業に対して一方的に買収を仕掛けるのか、
事前に打ち合わせをしつつ友好的に買収交渉を進めるのか、という違いです。

そういえば、村上ファンドさんも阪神電鉄株を所有し、なにやら駆け引きをしていますが、
このケースも、上記に照らし合わせて考えますと、敵対的買収に含まれると思われます。

新会社法においては、こうした敵対的買収(TOB)については、被買収企業について
守りを手厚く保護する一方で、経営の合理化や公正な競争を促進する友好的買収に
ついては柔軟な態度を示しています。

それが、組織再編といわれる条文の下りです。

具体的には、合併等対価の柔軟化、簡易組織再編行為の要件の緩和、略式組織再編行為の創設などです。
(このあたりは少々難しいので、別の機会に説明したいと思います)

これらは、株主、債権者の保護を図りつつ、機動的な組織再編を実現するものとなっています。

しかも、この合併等対価の柔軟化に関する部分の施行については、一部を来年施行としています。

この理由はなにかといいますと、企業買収に備える準備(企業防衛策)をしてくださいね、
といういわば企業防衛策を採用する機会を保障するために講じられた措置です。

なにやらわけがわからないという感じでしょうか。

つまり、新会社法が改正になったことによって、一部の者は企業買収を頻繁に
仕掛ける恐れがあるため、新会社法の合併に関する一部に経過措置を設けて、
各企業に対して防衛策を講じてくださいね、というメッセージを政府は企業に
対して投げかけたのです。

今回の新会社法は、大企業には厳しく、中小・零細企業には自由の範囲が広い
という部分が特徴的ですが、基本的には、新会社法は広く企業自治に経営裁量を
委ねているスタンスなので、今後は敵対的買収行為がこれまで以上に増加する
ことが予想されます。

したがって、企業はこれまで以上に買収を警戒する必要性があり、この新会社法を
勉強し、必要があると認められる場合は定款変更をするなどし、来るべき買収に
備える必要性があるということでしょう。

まさに、備えあれば憂いなしです。

それでは今日はこのくらいで失礼します。



●用語チェック●

敵対的買収(TOB:Take over bit):買収先の取締役会等の事前の同意がない
にもかかわらず、株式市場や既存の株主から株式を買い集めて企業を買収する
こと。


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株式会社設立に最低限必要な費用

2006年05月28日 | 会社法入門
さて、前回までは会社法の概略や有限会社、用語について説明しました。

既に難しい内容に入っているので、嫌気がさしている方もいるかもしれませんが、
辛抱強くご覧ください。会社に関わる方全てに関係の深い事項ですから、どこかで
役に立つかもしれませんよ。

さて、今回は、最低資本金制度について記載します。
前回までの説明で、新会社法では最低資本金制度というものが撤廃され、従来は
株式会社を設立するのに1000万円が必要だったけど、現在は1円から株式会社を
設立できるということを説明しました。

そこで、今回はこの制度改正を受けて、これから株式会社を起こす予定がある方は
最低いくらほどのお金が必要かを算定してみたいと思います。


ちなみに、旧法では、最低いくらほど必要だったかといいますと、ズバリ!

1,027万円 です。

この内訳を見てみますと、

①資本金 1,000万円
②印紙税     4万円
③認証費用    5万円
④保管証明書発行手数料  約2万5千円
⑤登録免許税  15万円(資本金1,000万円の場合)

それでは現行法では、株式会社を設立する費用は最低幾ら必要でしょうか。

ズバリ! 24万円 です。

内訳をみてみますと

①資本金      1円
②印紙税     4万円
③認証費用    5万円
④保管証明書発行手数料→発起設立の場合は、銀行の「残高証明」でOK
⑤登録免許税  15万円(資本金1円の場合)

ちなみに、最低限必要と書いた理由は、資本金は会社によって異なるため、
会社法に規定されている最低資本金に基づいて算定する必要があるからです。

したがって、会社設立人(発起人)が資本金を1,000万円とか1億円にするかで、
会社設立費用は変わってきます。

ちなみに、この最低資本金制度の撤廃に伴って、「最低資本金規制特例制度」という
「新事業創出促進法」の改正で導入された制度も廃止されました。

なお、既存の株式会社・有限会社が資本金を1円まで引き下げることも可能となっています。

ただ、この場合、株主総会の決議を必要とします。

今回の制度改正でユニークな点は、上記の④である払込金保管証明制度の一部廃止です。

この払込金保管証明制度とは、株式会社の設立人(発起人または株式申込人)は
金銭出資の払い込みがなされたことを証明する「払込金保管証明」が必要でした。

この証明の取得については、時間とお金が掛かる、金融機関が払込期間となることを
引き受けてくれない、などの問題がありました。

そこで、発起設立に関しては、この払込金保管証明を不要とし、残高証明で
足りるということになったのです。(募集設立に関しては従来どおり)


この制度改正によって、発起設立の株式会社は、スピーディーな設立や、
払込後の設立登記前でも出資金の引出し・活用が可能になりました。

会社設立時には、たくさんのお金が必要ですので、この制度改正は朗報ですね。

●用語チェック

発起設立:会社の設立に際し、発行する株式の全部を発起人が引き受ける株式会社の設立方法

募集設立:会社の設立に際し、発行する株式の一部を発起人以外の第三者にも
引き受けさせる株式会社の設立方法のこと

発起人:会社設立の企画者として、定款に署名または記名押印した者のこと
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新会社法の用語チェック

2006年05月26日 | 会社法入門
前回までは、新会社法の概要や有限会社の廃止について投稿しました。

今回は、前回までに記事に出てきた用語の解説を加えておきます。
新会社法は、用語が複雑なので、聞きなれない用語もありますが、ご自身の会社
に照らし合わせて考えると、お分かりになる場合もありますので、どうか
身近な例に置き換えてお考えください。

また、今後重要となる用語についても、記載していますのでご覧ください。


●定款

会社において必ず作成される会社の目的・組織・業務などに関する基本的な
ルールのこと。株式会社設立時には、公証人役場で認証を受ける必要がある。

●株主総会

株主により構成され、会社の意思を決定する最高機関。取締役の選任や
計算書類の承認、定款の変更など会社運営上の重要な事項を決議する。

●委員会設置会社

取締役会の中に過半数が社外取締役で構成される「指名委員会」「監査委員会」
「報酬委員会」を置いている会社

●無過失責任

損害の発生について、故意または過失がない場合であっても、賠償責任を認める
こと

●有限責任

会社などへ出資した者が、その出資した額についてのみ責任を負うこと。
現行の制度上では株式会社の株主、有限会社の社員及び合資会社の有限責任社員に
ついて有限責任が認められている。

●登記

民法・商法上の権利や事実関係を明確にするために、一定の事柄を公の帳簿である
登記簿に記載すること



内容が難しいので、今日はこのくらいにしておきます。
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有限会社の廃止について

2006年05月24日 | 会社法入門
前回は、3つのトピックについて書きましたが、今回は1つめのトピックである
有限会社の廃止について書きたいと思います。

平成13年度現在、株式会社と有限会社の数は、株式会社が74万5千企業、
有限会社が85万企業ということです。

少し統計データが古いのですが、この統計データをみますと、有限会社の方が
多く存在しています。

それにもかかわらず、なぜ有限会社は廃止されるのでしょうか。
その理由の1つには、株式会社設立時に必要となる資本金が1円から可能と
なっている点があげられます。

これまで、株式会社では設立時における資本金は1000万円以上、有限会社では
300万円が必要とされてきました。

しかし、2年ほど前から、特例が設けられ、一定の条件をクリアした企業について
は、1円で株式会社が設立できることとなりました。

そして、この特例については、新規開業企業数について、一定の成果が認められています。

したがって、今回の新会社法では、この結果を受け、株式会社の資本金は、1円から
認められるという恒久的制度へ変更されることになり、有限会社との境界線が曖昧になりました。


次に、2つ目の理由ですが、有限会社の特性を株式会社に適用させるためだったから、といえます。

つまり、今回の新会社法では、有限会社を廃止し、株式会社と有限会社とを
新たな会社類型として統合することにしています。

もともと、有限会社のメリットとして

①有限会社は少人数での経営が可能である
②出資額・設立費用が株式会社に比べて少なくて済む
③合資・合名会社と違い、出資者である社員などは有限責任である

という上記の点において、比較的簡単に法人企業を設立できることから、有限会社は
小規模な企業経営向きの組織形態といえます。


そこで、現在は有限会社にしか認められていない,取締役の人数規制や取締役会・
監査役の設置義務のない株式会社を認めることとしたものです。

なお、既存の有限会社については,現行の有限会社に関する規定の適用を受け続ける
こともできることとし、負担がかからないよう配慮することとしています。


 また、会社法の施行時に既に設立されている有限会社、すなわち有限会社法上の
有限会社(旧有限会社)は、会社法施行後は、会社法上の株式会社として
存続することとなります。

 そのために、定款変更や登記申請等、特段の手続は必要ありません。
 
 ただし、有限会社法の規律と会社法の規律とでは異なる部分があることから、
旧有限会社の社員、経営者、債権者等に混乱が起きないようにするため、
有限会社法に特有の規律については、引き続きその実質が維持されるように
特則を置き、その商号についても「有限会社」の文字を用いることとしています。
(※こうした有限会社を特例有限会社と呼びます)


 なお、旧有限会社が通常の株式会社に移行するためには

(1)定款を変更してその商号を「株式会社」という文字を用いたものに変更するとともに

(2)定款変更の決議から、本店の所在地においては2週間以内、支店の所在地においては
 3週間以内に、当該旧有限会社についての解散の登記及び商号変更後の株式会社に
ついての設立の登記をすることが必要となります。


 最後に、新会社法施行後、有限会社は株式会社に変更するか、有限会社として
存続するか、どちらを選択すると良いのか、という疑問について書きます。

 これは、その企業によってケースバイケースだと思います。
 つまり、株式会社にすることによって、取引企業などから信頼が得られるのであれば
株式会社に変更すれば良いと思います。

 ただ、いくら株式会社といえども、資本金が1円では本当に信頼を得られるかは、
はなはだ疑問です。

 さらに、株式会社にするには、有限会社の解散も行う必要があるだけではなく、
どのような株式会社の形態にしていくのかも決定していかなくてはなりません。

 具体的には、取締役や株主総会などは株式会社に最低限必要な機関ですが、
取締役会や監査役、会計参与を設置するかとか、公開会社にするか非公開会社
(譲渡制限株式会社)にするか、委員会設置会社にするか、といったことです。

 したがって、20人程度の中小企業で有限会社の場合、株式会社に変更あるいは、
有限会社として存続するかは、それぞれのメリット・デメリットを十分考慮していく必要があるといえます。


 それでは、今日はこのあたりで終わります。 
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新会社法入門 PART1

2006年05月22日 | 会社法入門
「新会社法」とは、この5月からスタートした新しい法律です。

これまで「会社」の法律というのは、商法や有限会社法などバラバラだったのですが、
これが「会社法」に一本化されました。

また、中身も現代の経済情勢に合わせたものになっています。  


●4つの特徴

 1.条文がカタカナからひらがなへ
 2.起業が簡単になる(1円から開業可能)
 3.M&Aが柔軟になる
 4.合同会社・LLP、会計参与の新設


特に中小企業に関わってくるのは、

「2.起業が簡単になる」
「4.合同会社・LLP、会計参与の新設」 です。


●3つのトピック


第1のトピックは、「有限会社の廃止」です。

この5月からは、新たに有限会社をつくることは不可能です。
「うちは有限会社なんだけど、どうなるんだろう?」と不安に思っておられる方も多いでしょう。

でも、ご安心ください。これまでの「有限会社」が強制的に廃止してしまったわけではありません。

ただ、有限会社は今後増えないので、「古い会社だ」と思われる可能性はあります。

「それじゃ困る」と思った方は、簡単に「株式会社」に変更することもできます。
しかし、「有限会社ということは古くからある、信頼できる会社だ」と思われる時代も
来ると思いますので、よくお考えください。

第2のトピックは「法人の資本金は1円でいい」です。
いわゆる1円株式会社のことです。

これまで有限会社は300万円、株式会社は1千万円を資本金として設立時に
用意しなければなりませんでした。(特定の確認株式会社等を除く)

しかし、新会社法では株式会社を作る際にも、もうこんな大金を用意する必要は
なくなりました。

2002年から、特別な手続きを経れば「1円会社」を設立することが認められる
ようになりましたが、これからはその特別な手続きも要らなくなるのです。

第3のトピックは、「取締役は1人でいい」です。

有限会社はこれまでも、取締役が1人でもよかったのですが、株式会社は最低3人の取締役が必要でした。

さらには、取締役全員による集会「取締役会」を最低3ヶ月に1回開かなければなりませんでした。
これが、株式会社でも「取締役1人」がOKになったのです。

取締役が1人なら当然集会なんて開けませんので、「取締役会」も強制設置では
なくなりました(公開会社を除く)。

第1回の内容は、ここまでにしておきたいと思います。
次回からは、この内容について詳細に見ていきたいと思います。


なお、この内容は「インブルーム」ホームページより抜粋掲載しました。
http://www.inbloom.jp/foresight/index.html
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会社法シリーズスタート

2006年05月22日 | 会社法入門
突然ですが、今日から不定期で新会社法についての学習をしたいと思います。

なぜ、新会社法をこのブログで学習するかという意味はあまりありません。

ただ、私が法律に多少強いことや、会社法自体が今月に大幅に改正されたことで
新会社法について知りたい人がけっこういるんじゃないかと思ったからです。

このブログを通じて、少しでも多くの方に新会社法を理解してもらえると嬉しいと
思います。

とはいえ、あまり難しい論点を出してしまうと、実務的には意味をなさないケースも
あるでしょうから、なるべく一般企業に共通する内容を取り上げたいと思います。

なお、今回の新会社法ですが、以前の会社法とそんなに変わったの?という疑問を
お持ちの方もいるかと思います。

私の見解ですと、全く別物といっていいくらい、新会社法は旧会社法と比べて
大幅に改正されたといってよいでしょう。

したがって、法人形態の企業経営者にとって新会社法は、嫌でも関わらざるを
得ない重大関心事だと思われます。

ですから、少々難解だと思われる新会社法の内容について、わかりやすくお伝えして、
お役立ていただけると良いのではないでしょうか。


また、すでに新会社法については様々な書籍が出版されていますが、私がみたところ、
本当の意味で初心者にわかりやすい書籍はごくわずかです。

その理由は、極端に簡単な内容か、極端に難しい書籍が多いためであり、その間をとるような
初級~上級者のニーズ全てに応えられるような書籍が少ない、ということではないでしょうか。

このブログでは、こうした間をとった初心者や上級者のニーズにも応えることが出来るような
内容にしていくことを意識しつつ、不定期ではありますが新会社法について掲載していきたいと思います。

なお、この新会社法については、「会社法入門」というジャンルを新たに設けましたので、
一度で理解できない場合や、復習されたい方などは何度でもご覧いただきたいと思います。

長くなってしまったため、今回はこれくらいにしておきます。
さっそく次回は、会社法について投稿したいと思います。








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