人を教育するとき,また組織を率いるとき,「ほめる」のが基本である,のは言葉としては分かっているつもりです。私も心がけてはいますが,実践するのは簡単ではありません。
今朝は,この9月末に帰国する留学生との研究の打ち合わせでした。帰国を明後日に控え,いろいろと忙しいのは分かっていますが,なぜ打ち合わせをしているかというと,彼の研究成果をジャーナル論文に今後投稿していくため,実験結果についての打ち合わせを帰国前になるべく進めておきたいからです。ちなみに,帰国前日の明日の午後も打ち合わせをします。
ところが,打ち合わせになっていない。すでに博士号を取得した研究者です。仮にも自分たちの専門分野における博士同士の打ち合わせです。打ち合わせの作法というものがある。私の目で見て,全く打ち合わせになっていないので,なぜ全く打ち合わせになっていないのか,なぜ彼の説明がpresentationになっていないのか,なぜ彼の説明が単なる結果の説明に過ぎないのか,を説明しました。
今後,母国で研究活動で頑張ってもらわなくてはならない人財です。研究とは,実験をやって結果を出して,はい終わり,ではありません。研究とはどういうものなのか,私の納得するレベルで少なくとも理解はしてもらわないと,主査を務めた私自身も納得が行きません。
これからジャーナル論文を書くのであれば,骨子となる論旨が不可欠です。自分の生み出した実験結果に基づいて論旨を明確に説明することが必要です。論旨の卵でもいいのだけど,それ無しに打ち合わせになるわけがない。
帰国までに時間がない,というのもありますが,さすがにこの状況で「ほめて」育てるという手法は私にはとれませんでした。
「ダメなものはダメ」というスタンスも,私のようなレベルであれば,研究を進める上で用いざるを得ません。
ただし,相手に私の思いを納得してもらった上で,フォローはします。
「明日,良い打ち合わせができることを,心から望んでいる。」と今日の別れ際に伝え,彼も「ベストを尽くします。」と笑顔で答えていました。
私には私のやり方しかできません。明日,最後の打ち合わせとなりますが,よい打ち合わせとなりますように。
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