行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

インドへの投資を考える

2014-09-03 22:10:54 | Weblog

インドのモディ首相が就任後、初訪問国に日本が選ばれ、インドは遠い国から俄然注目を集める国になった。何と言っても12億の人口でしかも若い国で、人口ボーナスが期待できるというのが魅力だ。それには貧富の格差を縮めて、中間層の増加が必須だ。中国とよく比較されるが、高速道路や電力、鉄道といったインフラでは中国の後塵を拝し、日本企業の投資が遅れている。中国の魅力は最近の外資たたきや政治的な不安定さでだいぶ薄れて、チャイナ+ワンといった展開がベトナム、ミャンマーなどで行われ出した。

インドは+ワンでなく、大きさからはチャイナオルターナティブ(代替)ということになる。世界最大の民主主義国家と自慢するだけに、今回のように実績有る州の首相が選ばれて指導者になっており、政治的に透明感、安心感がある。モディ首相の州での業績を見ると、インフラ整備が得意で日本の田中元首相を彷彿させる。先ずあの広大な国の鉄道網、高速道路網を整備することは理にかなっているが、グラジャード州の経験が全土で生かせるか困難な課題だ。

特に遅れている南部の州では農地の取得も困難で、韓国の企業は数年もかかって工場を計画していたが断念したし、タタの自動車新鋭工場も操業寸前に農民の反対で断念した。日系企業ではスズキが早くから進出し、自動車ではトップ企業となっているが、マルチ・スズキ自動車のマネサール新工場での労使紛争は今後の日系企業にとって教訓となる。日本の経営者は日本のように企業別組合を求める傾向にあり、外部産業別組合に工場を組織して貰いたくないという労務政策を強行しようとする。スズキも新工場には企業内組合をとの方針だったが、英国植民地時代からの伝統ある産業別組合が新工場を組織化しようと紛争になった。インドには大小10くらいのナショナルセンターがあり、工場に複数の組合があるのは珍しいことではない。しかも、各ナショナルセンターが各政党とつるんでいる。
INTUCのような有力なナショナルセンターと早期に組織化で話し合い、1つの組合でカバーして貰った方が良い場合もある。


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